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やりたいことがまだまだある——freeeのPdMが語るモバイルチームの存在意義と未来

2014年8月、freeeに入社した轡田。freeeのPdMが存在しない時代にfreeeに入社し、PdMとなり、個別プロダクト〜freeeのプロダクト全体を担当してきました。2024年現在は統合基盤本部長として従事しています。

その傘下にあるモバイルチームでは、2019年6月に入社した孝橋、2023年1月に入社した清水がPdMとして活躍中。この記事ではモバイルチームのPdMの役割を紹介します。

轡田:PdMはお客さまへの価値提供の中心となる存在

2023年現在、統合基盤本部長としてfreeeのモバイルアプリのプロダクトマネジメントとピープルマネジメントを担当している轡田。freeeのPdMの役割について語ります。

轡田「freeeのPdMは、ビジネス・デザイン・テクノロジーすべての理解を前提に、お客さまへの価値提供の中心となる存在です。『どのようなお客さまの、何の課題を解決するのか』を定義し、届けたい体験をプロダクトとして具現化していく責任を持っています。

PdMが担当領域に対する製品のビジョンを設計し、解決すべき課題と優先順位を決定して、様々な関係者を巻き込んで顧客価値の高いプロダクト開発を進めています」

モバイルチームにおけるPdMの仕事の流れは次のようなものでした。

轡田「主な業務は『freee会計』『freee人事労務』の開発・改善、新規のアプリケーションの企画・設計・開発です。こうあるべきという理想像を描くところから、それを実際どのようにアプリケーションに落としていくか、優先度・現実的な制約・トレードオフなどを判断しながら仕事を進めています。ロードマップを作って、実際にそれをお客さまに届けるまでが業務ですね。

もちろん実際のお客さまの体験やヒアリングで得られた意見を参考に、技術的なことはエンジニア、UXデザイナーと相談しながら、ボトムアップで開発しています」

轡田は前職時代からスタートアップでPdMとして働きたいと考えていました。そう志すようになった原体験を語ります。

轡田「前職では大手メーカーでソフトウェア開発や新規事業企画をしていました。そこで今につながる大きな2つの経験をしていて、1つは壮大なビジョンがありながらも十分にそれを実現できなかったこと、2つ目は実現できたが想定していたほど世の中に価値を提供できなかったことです。

価値があるものを定義して、それを責任を持って実現するまで担えるようになりたいと考えていた時に、ちょうどシリコンバレーで2ヶ月ほど働かせて頂く機会があり、PdMという職種を知ったのです。

印象に残ったのは、彼らがまるでサークルを立ち上げるようにイノベーションを起こすこと、起業することを楽しんでいたことでした。それから自分もスタートアップで働くことを目指すようになりました」

数年後、轡田はスタートアップへの転職活動を始めたときにfreeeと出会います。

2014年8月、轡田は創業2年のfreeeに入社し、2016年にPdMとしてのキャリアをスタートしました。

轡田「スタートアップ数社に面接に行きましたが、シリコンバレーで感じたように楽しみながら働いているなと最も感じたのがfreeeでした。私も毎日ワクワクしながらここで働きたいと思ったのを覚えています。

面接ではいつかPdMになりたいと話したものの、当時はポジションがなく、まずは経験のあるエンジニアから始めました。入社して2年ほど経ったころ、PdM組織を立ち上げることになり、声をかけて頂きました。

それから個人事業主様向けの会計プロダクトからはじまり、エンタープライズ向け、そして『freee会計』全体のプロダクトマネジメントを担うようになりました。さらにプロダクトが増えてきた段階で、各プロダクトの個別進化から全体最適に移行しようという流れで、CTOとともにプロダクト横断の基盤チームを立ち上げました。

現在担当しているモバイルアプリのプロダクトマネジメントに関わるようになったのは2022年7月からです」

孝橋:何のためにやるのか、何を解決するのか常に意識する

ソーシャルゲーム会社で新卒採用人事、デザイン会社でのUXデザイナー兼プロジェクトマネージャーを経て、2019年6月freeeに入社した孝橋。

freeeは転職の条件にピッタリだったと言います。

孝橋「前職は受託系の会社で、幅広く色々なことを担当できたのですが、自分が行った改善や施策が最終的にお客さまの手元にどのように届き、どのように使っていただいたのか見えづらかったんです。

しだいに自社サービスを提供している会社で、腰を据えて一つのプロダクトを担当した方が、より自身の成長につながるのではないかと考えるようになりました。自社サービスの進化に貢献しつつ、たくさんのPdM先輩がいる環境で多くのフィードバックをもらいながら学ぶことができたら最高だなと思い、転職活動を開始しました。

freeeを選んだのは自社サービスがあることに加え、両親がスモールビジネスを営んでいるので、freeeのミッション『スモールビジネスを、世界の主役に。』に強く共感したことも理由に挙げられます」

轡田は、孝橋の面接を担当しました。当時の印象を語ります。

轡田「『とにかくフィードバックが欲しいんです!』と熱弁されました。綺麗事抜きに、あんなにダイレクトに『成長したい!』と話してくれた人は、後にも先にも初めてで、強い成長意欲を感じました。良い意味でガツガツしてましたよ(笑)

PdMはマインドセットが特に大事だと、私は考えています。次にチームが何をするか決める立場なので、メンバーをワクワクさせ、プラス納得感を持って業務をしてもらわないといけません。そのためには自分自身がワクワクしていないと伝わらない。人を動かすというのは難しいんです。

反対にスキルはフォローできるし、私も後から身につけたのでなんとかなります。

面接を通して、孝橋は前向きなマインドセットを持っていることが伝わってきましたし、もちろん入社してからの仕事ぶりも素晴らしいです。非常にサポーティブで、それでいてリーダーシップもしっかり発揮してくれています」

孝橋は入社後、2022年7月にモバイルチームに加入するまで様々な業務に携わってきました。その内容と難しかったポイントを語ります。

孝橋「既存機能の改善やお客さまのサービス体験の向上に注力するグロースチームに配属され、『freee会計』を中心に課金率の向上施策を担当しました。

それから全セグメント横断プロジェクトである『freee会計』のホーム画面の改修に携わりました。新旧のホーム画面どちらも使えるようにすることでハレーションの低減を行うことを目指しましたが、最適解を見出すのにはとても苦労しました。

さらに『freee会計』を改善し『freee開業』『freee会社設立』の利用に繋げる施策や、値上げプロジェクト、『freee会社設立』のマイナポイント連携も担当しました。

マイナポイント連携では、国の仕様の読み解きを行うのが非常に難しく、最適なお客さま体験を導き出すのが大変でした。行政書士に協力を依頼し、国とのやりとりで提言し、実際に会社を設立して理解を深め、なんとかやり切りました」

2022年7月、轡田がジャーマネ(※)を務めるモバイルチームに異動した孝橋。『freee会計』アプリの改善や、『freee請求書』アプリの新規開発などを行ってきました。

PdMとして働く上で大事にしてることが二つあると言います。

孝橋「一つ目は質の高い意思決定を早く行うこと、これは良いPdMの必要条件だと考えています。

二つ目はお客さまの何を解決するのか、常に意識し、メンバーに伝えること。これは轡田のチームに入ってから、より強く意識するようになりました。

というのも轡田に施策を相談したときに『結局なんのためにやるの?』『それってどんなのお客さまさんが喜ぶの?』といったフィードバックをされることが多くて……。私としては、お客さまのニーズを元に考えているはずなのに、いざ具体的に施策として形にしていく段階になると、実現させること自体を目的としてしまっていたんです。

意識し始めてからは、メンバーや経営層に何かを伝えたり、報告したりする時には『何のためにやるのか』に主軸を置いてストーリー立てて伝えることができるようになりました」

※マネージャーのこと。freeeでは単にメンバーの上に立つ者のことではなく、“タレント”であるfreeeのメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割だと考え、ジャーマネと呼んでいる

清水:『freee会計』には未開拓の部分が、まだたくさんあった

清水は2023年1月freeeに入社し、モバイルチームで轡田、孝橋とともに働いています。

前職時代の経験を語ります。

清水「中小企業・スモールビジネスの販路拡大や採用などを幅広く解決するためのWebサービスを提供している会社で働いていました。サービスの急拡大に伴って、営業、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、PdMなど、色々な業務を経験しました。地方銀行や信用金庫と一緒にやっている”お堅い”サービスだったので、安全性やユーザコミュニケーションの比重が大きかったです。

PdMとしては、お客さまからたくさんの要望をいただく中で、その中でもインパクトのある開発ができるようにするための取捨選択に苦労しました。中小企業・金融機関などステークホルダーが多く、各方面を調整しながらの判断が求められていましたね。

Webサービス内には、自社サイトを持っていないお客さまが簡単にWebサイトを作れる機能があり、アップデートを担当していました。そこで売上アップに繋がった話を聞くのはとても楽しく、やりがいを感じていました」

前職での経験を生かして、PdMとして成長したいと考えていた清水。freeeの印象と面接時の感想を語ります。

清水「freeeはお客さまにとって価値あるサービスを作ることに全力をかけているのが魅力的でした。PdMをたくさん採用しているのも、品質をあげていく覚悟が見えて好印象を持っていました。

面接では様々なバックグラウンドを持ったPdMと話ができました。特にスモールビジネス支援に対する熱い想いを聞いて、自分の経験と重なり、強く共感したのを覚えています。

最終的には、施策をリリースしてユーザの反応を見る経験をしたいという自分の希望と、モバイルチームでのPdMでのオファーがマッチしていたので入社を決めました」
轡田「面接を担当したメンバーから『すごくいい人がいるから!』と推薦していただいたんです。経歴を見ると、スタートアップの初期段階からスモールビジネスに向き合ってきた経験があることを知って、ピンとくるものがありました。

私はPdMになるに至った“根っこ”がどこにあるのかを大事にしていて、清水はお客さま起点でしっかり考えてくれそうだなと感じました」

入社以降、清水は『freee会計』アプリを使った確定申告の施策を担当しています。

清水「扱っているテーマは『個人が途中で挫折することなく確定申告をするためにはどうすれば良いか』というものです。

私が入社してすぐに2022年度の確定申告の本番を迎えました。そこで得られた経験をもとに、確定申告での達成率を上げるための企画や調査を行っています。

具体的には、初歩的な知識が無いことで挫折してしまう人を支えられるように、オンボーディングや操作ガイドを拡充できるようにしています」

入社前と入社後のギャップを語ります。

清水「『freee会計』は10年以上の歴史があるサービスなので、いろんなことが議論され尽くしてるのかなと思っていたら、未開拓の部分がたくさんありました。伸びしろしかなく、まだまだ良くなるなという印象です。

とは言っても、なんでも思いつくまま開発してもダメなので、『これこそがfreeeのプロダクトの価値なんです!』って胸を張って言える部分を研ぎ澄ませて、磨いていくのが大切だと考えています」
轡田「未開拓な部分が多いというのはすごく大事なポイントで、『freee会計』は出来上がったプロダクトだと思われがちなのですが、本当にまだまだなんです。

というのも、会計分野においては、お客さまの状況や事業の概要によって、どんな作業を必要としているのかが画一的ではなく、お客さまが100人いたら、100通りの使い方があるからです。一言で“お客さま”と言っても幅がものすごく広く、全てが個別案件ということもできます。その分、プロダクト自体ができることを増やしていくことを求められています」

モバイルチームのミッションと未来

モバイルチームはfreeeのミッション『スモールビジネスが、世界の主役に。』の実現に密接に関わっています。その理由をfreeeにおけるモバイルアプリの歴史から紐解きます。

轡田「私の入社前、『freee会計』のモバイルアプリの開発が始まったとき、世の中からの需要があったわけじゃありませんでした。それでもCEO・佐々木ほか当時のメンバーが『本質的に価値があるはずだ』と考えたから、とにかく挑戦してみようという気持ちで開発し、1ヶ月でリリースしたと聞いています。

それからたくさんのモバイルアプリをリリースしていく中で、蓋を開けてみたら、2024年現在freeeを使っている個人事業主ユーザーの7割が何かしらのモバイルアプリを利用していて、モバイルから業務をすることが当たり前の世界になってきています。

引き続き、必ずしもニーズが顕在化しているわけではない分野でも、我々からマーケットや新しい働き方を作っていくようなチャレンジを、どんどんしていきたいなと考えています」
清水「世の中ではモバイルシフトが進んでいると言っても、企業の経理担当者がモバイルで全て業務を行うようになるとは考えてはいません。

一方で、デスクワーカー以外の職業の方や個人事業主の中にはPCを持たない人も多くいます。例えば看護師さんが勤怠管理をモバイルアプリから行ったりするような、モバイルを活用した新たな価値提供や課題解決は可能だと考えています」
孝橋「ユーザーからの大きな期待も感じているし、ポテンシャルのある領域はたくさんあります。働き方がどんどん変わる中で、我々が出せる価値を突き詰めていきます」

3人がこれからの目標を語ります。

孝橋「お客さまに『freeeは自分の仕事上のパートナー』だと思ってもらえるようにしたいです。引き続き日々の業務を通して、PdMとしてレベルアップしながら、ミッションの達成を一端を担うような存在になりたいです」
清水「私はサービスやプロダクトがイケていないと、買う人・売る人・作る人みんなの気持ちが落ち込んで不幸になると考えています。PdMはそんな不幸を起こさないように、関係する全員が幸福になれるように良いものを作っていくことが使命だと考えています。

freeeは既に多くのお客さまが使ってくださっているサービスなので、お客さまからのフィードバックをもとに、より良いものになるようにプロダクトを育てていきたいです。その経験が、PdMとしての自分の成長にも繋がると考えています」
轡田「スモールビジネスを営む多くの方は、その方ならではのパッションやスキル、アイデアをもって営んでいます。そういった方々が楽しくやりたいことを実現できる世の中になって欲しいという願いがあります。

またスモールビジネスはもちろん、社会全体として、もっと楽しく働くことのできる世の中を作りたいです。大抵の人は人生の半分は働いているわけですから、働くのが楽しければ人生を豊かにすることに繋がると思います。

そのためには価値あるプロダクトを提供する必要があるし、そのプロダクトを創るのは人なので、創る人が楽しくワクワクして働いていないといけない。そんな人や組織・環境をつくることが自分の目標です」


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