ベルリン自由大学 / 物理学科修士課程
修士論文「量子連続測定のマスター方程式による分析」
量子エレクトロニクスの世界で主要な役割を果たす量子ポイントコンタクト(Quantum Point Contact)と呼ばれるデバイスがあります。量子測定器の中で最も単純な構造と原理で動作するこの測定器は、その単純さのため、測定される対象と合わせて一つの量子系とみなして量子マスター方程式を適用することができます。このアプローチで計算した結果、通常のマルコフ近似の範囲内では実験結果を再現できず、これはこの方程式の適用条件はそれまでに理解されていたよりも複雑であることがわかりました。