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第4話:創業と結婚

~第4話:創業と結婚~

2008年2月 テト(旧正月)に、横浜で結婚式をあげた。刺すような日差しの中で生活していたホーチミンから、真冬の日本へ。当日は小雪が舞うほど寒い日で、室外の庭園のバージンロードは薄着のウェディング衣装には堪えた。新卒で同期入社した彼女は、自分がベトナムに行く前に先立って、アフリカのウガンダに行っていた。彼女は子供の頃からアフリカが好きで将来はアフリカに関わる仕事がしたいと考えていた。実際に初めての単身海外旅行は、2000年頃にカメルーンに1ヶ月間宛もなくいったらしい。なんと激しい女子だ。

その後、ケニアに半年間のNPOのインターンで働いた経験もある。そんな彼女は、大学卒業後に単に国際協力の分野で働くのではなく、より国際貢献できると考えたビジネスを学ぶべく民間の企業に入社したのだった。
そこで僕たちは出会った。

出会った当初より、僕は彼女に、近い将来起業する事を伝えていた。
彼女も将来アフリカで仕事をすると伝えられていた。先のことを考えても仕方がないが、どこでどう結ばれるかわからない。人というのは本当に不思議な縁で生かされている気さえする。

内定者の頃からなんとなく仲が良かった気がするが、たまたま配属された部署が同じ。彼女はフランチャイズ加盟を促進する営業開発。自身はフランチャイズ運営をするバック担当
プライベートでも常に仕事のことで衝突をしていたが、特に仲が悪くなることはなかった。

同僚生活も1年ほど立った頃、活躍していた彼女は新卒2年目の春に突然「私は海外に関わることがしたい!」と言い始めフランスのコンサル会社へと転職していった。
そのまた1年経った頃に、突然「やっぱり私はアフリカに関わる仕事がしたい!」と言い残し、ウガンダへ旅立って行ったのだった。

インターネット環境の悪いアフリカにいる彼女と話をするために国際電話の料金が月に20万円になった時は度肝を抜いた。アフリカの事を聞いていいるうちに、自分もいつの日か日本だけで戦うという発想が抜けていったのだと思う。

ある時僕は、いつものように国際電話で話している時に、こうつぶやいた。

「ベトナムで事業を起こそうと思う。」

彼女は即座に「いいじゃん!」と反応した。

僕は聞き返した。「君はどうするの?」

彼女は間髪入れずに「私もベトナム行くよー」

何も考えずに返答した。

この瞬間、想定していなかった言葉がとっさに出た。

「じゃあ、結婚しようか。」

用意周到に準備されたプロポーズを幼女の頃から想定していた彼女にとって、国際電話でまさかとっさの勢いでプロポーズされるとは思っていなかったようだった。嬉しさと腹立たしさが混じったような反応で涙混じりに「いいけどなんかムードない!」と怒っていた。

最近読んだ記事で、なぜ結婚生活は上手くいかないことが多いか?について言及されているものがあった。それは、結婚式を上げるとその日が人生における最高の日となり、その後の結婚生活において結婚式を越えることが難しくなるとのことだった。

この点において自分は当てはまらない。

翌月には定期的な収入がなくなる中で、結婚式は人生においても最も悶々とした状態の中で挙げたからだった。結婚式自体を純粋に楽しめる精神状態ではなかったのだ。結婚式場の運営の人が問題だったわけでもなく、友人に祝福されなかったわけでもない。当時の自分は何もない状態での結婚式だったからだ。

ベトナムで人材紹介事業を立ち上げると決めたが、何も動き出している状態ではなく、何者でもない僕を紹介される。家族や友人から祝福されたものの、自分としては早くホーチミンに戻り、事業を少しでも前に進めたいという焦りに包まれていた。一日でも早く事業モデルのフィージビリティを検証したい。動き始めたい。

結婚式をしている状態ではない!が、正直な気持ちだった。

後輩の起業予備軍の若者には、ぜひ創業と結婚式のタイミングはずらしたほうが良いとだけはアドバイスできる。

2008年3月結婚式も無事終え、いよいよ事業立ち上げが始まった。

本当にやっていけるのか?

ニーズが有るのか?

成長性はよいのか?

勝算があるのか?

具体的な計画に落とし込めていない中での結婚式は、全く楽しめず、心ここにあらずの状態で当日を迎えた。

人材ビジネスの経験なし

アドバイスを受けるメンターなし

部下を持った経験なし

頼れる人脈なし

結婚式でお金を使い100万円減

色々と大変な状況ではあるが、ベトナムで日本人の技術者・ビジネスマンの斡旋モデルはある。このアイディアを検証するべく、まずは最初のきっかけとなった知人の家具製造企業のベトナム人経営者にニーズをヒアリングしにいった。同時に、他にも似たニーズがないかとベトナム企業に営業をかけ始めた。

ベトナムの発展に貢献するべく日本人を採用しないですか?と営業かけたのだ。

最初の1週間でピンときた。

「これはやばい。お金の匂いがしない。」

多くのベトナム企業のベトナム人経営者は、「いいねー!いいねー!」という。かの家具企業経営者も同様だ。しかしながら、話が全く前に進む気配がない。具体的な要件に落とし込めないし、スケジュールも引けない。人材ビジネスのプロではなかった自分でも、センスでわかる。

これはまずい。

様々な見込み顧客も口では日本人で優秀な人がほしいと言うが、実際に案件化しなさそうな口ぶりだった。

折角、初めた事業モデルが早くも1週間で暗礁に乗り上げつつある。

(第5話へ続く)

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