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仕事を通じて人財を育て、社会の幸せを創りたい


「企業は人なり」とは多くの経営者が胸に刻む言葉だが、それを具現化する取り組みをどれだけ実践しているかは企業によって千差万別だろう。株式会社ベルシステムは、「自創経営」や「社内木鶏会」などの具体的な仕組みを社内に採り入れ、人財育成に徹底的に注力する企業。従業員一人ひとりの仕事力と人間力を高め、会社も社員も共に成長していくための土台づくりを重視している。理念を実践につなげる果断な実行力で、社会での存在価値を増す同社の有賀代表に、経営に賭ける想いなどを聞いた。


― 事業内容を教えてください。

ベルグループは1970年に現会長が創業し、金融事業と不動産事業の2つからスタートしました。その後M&Aや新規事業の立ち上げなどで事業の拡大を図り、現在では金融・不動産にくわえて、公益財団法人格での健康診断事業、サービサー事業、アジアでの海外語学学校事業やゴルフ場事業などを展開しています。

その中で当社は、グループの中核である金融事業として、事業者向けの独立系ノンバンク事業を行っています。

特徴としては、顧客対象を医療・介護、調剤薬局などのメディカル分野と、弁護士や公認会計士、税理士等の国家資格保有者などに特化している点。コンプライアンスの面でも確かな業種の方々にサービスを提供していることも、当社が信頼性の高い事業展開を行っていることの証しではないかと思います。

― お客さまから選ばれ続けている理由を教えてください。

大手が行うような杓子定規なスタンスではなく、個々のニーズを汲み取った「オーダーメイドファイナンス」であることが大きいと言えるでしょう。

本来1件1件のお客さまが求めるものはそれぞれ違い、返済回数や金額プランなど、個別のご要望にお応えすることが大切です。その点で当社は、小回りの利く中小企業ならではの利点を有しています。

そして、「今日・明日のニーズ」に応えることのできるスピード感は業界でも秀逸です。担当者レベルである程度の決裁権を有し、お客さまの要望に即応。また与信枠にしても、大手のローンは1円でも超えられませんが、私たちはケースに応じて一時的に枠のアップを実施するなど臨機応変な対応が可能です。

また申込の際の資料でも、銀行や大手の場合は決算2期分や納税証明などの用意が必須ですが、当社は開業3ヵ月程度の歯科医院のお客さまに融資を行った実績もあります。

― なぜそのようなサービスを重視しているのですか。

お客さまの事情や状況に合わせた細かなサービスを提供することにこそ、私たちの存在意義があると考えるからです。

お金を借りるのは誰でも嫌なものです。借りないで済むなら借りたくはないでしょう。その中で当社にお申し込みをいただくわけですから、お客さまの状況を丁寧に汲み取り、相談にきちんと乗ることは欠かせません。大手のような杓子定規な感覚とは一線を画したいと考えているわけです。

そして、こうしたサービスを実現できている理由の一つに、社員一人ひとりが部門経営者という会社の代表として仕事に取り組んでいる点が挙げられます。社員個々が、「自分が代表」という意識で仕事をしているからこそ、お客さまの問題点を迅速かつ真剣に解決したいという一人ひとりの対応につながっているのです。

当社では事務スタッフ一人ひとりから、そうした意識をもちながら日々の業務にあたっている点が、事業を進める上でもっとも大きな強みとなっていると考えています。

― それを社員個々が実現できるよう、どのように人財の育成を行っているのですか。

当社では、長く「自創経営」の仕組みを取り入れ、社員の仕事力を育むことに力を入れています。

自創経営とは、自らが考えて主体的に行動し、部門経営者としての自覚をもって行動できる人財に育つ・育てるための仕組みです。社員がチャレンジ精神をもって自主性と創造性を発揮し、自ら計画を立て、チェックし改善し、目標の達成に責任をもつことを考えて主体的に行動することができるようになります。

私自身、新卒で当グループに入ってこの仕組みを実践することで、自らに課した営業目標を完遂できるようになり、それが習慣として身につくことで自身の成長を実感できました。

― 具体的にはどのようなことを実践するのですか。

自創経営では人財育成のためのツールとして、「目標管理チャレンジシート」や、月・週・日へ落とし込みを行う「ランクアップノート」などを使ってプロセスを刻んでいきます。

たとえばよい家を建てるには設計図が必要でしょう。それがきちんと書けているか、そして設計図通りに進んでいるかを日々チェックし、上司が伴走しながら個々のノートに落とし込み、社員個々のPDCAをまわしていくわけです。

仕事を通じて自分を鍛え、精神的にも経済的にも人間的にも大きくなることによって、自己成長していくことの「楽しさ」を実感していけるようになります。

そしてもう一つ、人間学を学ぶ機会として、「社内木鶏会」を開催しています。これは、月刊誌「致知」を活用した読書発表会で、誌面にある本物の言葉や経験に触れて、感想文を書くことで自己内省を図り、お互いをほめ合う「美点凝視」によって個々の徳を高めていく取り組みです。

活動を通じて社員同士の気持ちもわかり、相互理解も深まります。感動や共感を繰り返すことによって、個々の長所や徳性を磨くことができます。

― そのなかで追求する経営理念について教えてください。

当グループでは、「業務を通じて人をつくり、夢の実現と共存共栄の精神で人々の幸せと社会に貢献する」という理念を社内に浸透させ、社員だけではなく、その家族やステークホルダーの幸せと社会に貢献することを大切にしています。

自分だけよければいいという姿勢ではなく、自分も周りも社会もよくしたいという志をもってもらいたいという想い。そして「仕事を通じて人をつくる」「夢を実現する」という理念を追求するための具体的な方法として、「自創経営」であり、「社内木鶏会」の取り組みがあるわけです。

また「社会に貢献する」という言葉も、決してお飾りなどではありません。当グループでは平成22年からCSR活動にも積極的に取り組み、現在は独自選定で選んだ5つの団体に、寄付やスポンサーシップ契約による支援を継続。「日本車椅子バスケットボール連盟」「スペシャルオリンピックス日本・東京」「全国盲導犬施設連合会」「自然環境復元協会」「がんの子どもを守る会」への支援を行っています。

会社の業績にかかわらず毎月必ず実施し、金額も変わることはありません。当社の社会貢献への想いを具現化している表れだといえるでしょう。

― 有賀社長が代表に就任した経緯を教えてください。

私は平成10年に新卒で入社後、同17年から上司の退職に伴ってリーダーをまかされ、平成19年に社内再編を経てベルシステムが設立された後、平成23年に会長から同意をもらう形で当社の代表取締役に就任しました。

自分自身、いつかは社長として自分の会社を牽引したいという想いがありましたから、独立という選択肢もあったのですが、当社で仕事を重ねていくうちに、「このベルシステムで自分の力を発揮したい」という考えに至ったのです。

自分が、社会人また企業人としてさまざまなことを教わったのは当社であり、何よりもこの会社が好きでした。

事業者を助け、社会に貢献するという役割を独自の理念で追求する。それを当社で追い求めながら、「会社をもっと大きくしたい」「恩を返したい」という気持ちが勝るようになっていきました。

― いま経営者として大切にしていることを教えてください。

なによりも、「継続は力なり」ということです。組織の中では、誰よりもリーダーが一番成長しなければなりません。企業であればもちろん経営者です。一番勉強する、数字も出す、人一倍努力する。そして一時だけなら誰にでもできるわけで、大切なのは、ずっとやり続けることであり、継続することです。

これを経営者が為すことで、企業としての本当の力が培われると考え、この言葉を常に大切にしていますね。

― 今後のビジョンを教えてください。

現会長が当グループを創業して今年で54年になります。グループの各企業がしっかり力をつけてシナジー効果を発揮すれば、「100年企業」へと発展していけるという想いがあります。

その中で金融を担う当社としては、従来のファイナンスの事業内容にとらわれず、今後はベンチャー企業への支援や、M&Aを用いて新たな企業成長を目指すなど、総合金融カンパニーとして積極的な展開を図っていきたいと考えています。

現会長の言葉に、「年商100億をあげるよりも100人の経営者を育てたい」というものがあります。当グループで働く仲間は、400万社以上あるといわれる企業の中から、いわば天文学的な確率による縁で集まったメンバーです。その中で、本人もその家族も幸せな人生を送ってもらえるよう、これからも企業努力を重ねていきます。


■ 有賀 雅行 (ありが まさゆき)

1975年、埼玉県生まれ。1998年にベルグループの金融部門に新卒で入社。4年後にサブリーダーとなり、2005年から上司の退職に伴ってリーダーを任されることに。2007年に社内再編を経て株式会社ベルシステムが設立されたのに伴い同社に移り、2011年に代表取締役に就任した。「自創経営」や「社内木鶏会」などの取り組みによって人財の育成に注力。ベルグループの中核事業のひとつである金融部門を担い、いっそうの業容の拡大を目指している。

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