大学卒業演奏
大学に入って、学内最大サークルであるオーケストラに入り、 一度もやったことがなかった弦楽器に挑戦することにしました。 初心者から取り組みやすい、慢性的に不足している、という理由でビオラを選択。 大学2年の春頃、高名なビオラ奏者、今井信子さんのCDをNHK-FMで聴き、衝撃を受け、その演目であったブラームスのビオラソナタを自分も演奏できるようになりたい、と強く決意しました。 音大生やトップクラスの大学オーケストラの団員は朝から晩まで練習するのが当たり前、ということを知り、学業そっちのけで練習に明け暮れるようになりました。 それでも時間が足りなかったので、3年生の6月から翌年3月にかけて大学を休学し、バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)付属の語学学校に入りながら、金曜~日曜の休みなどを利用してコミュニティカレッジ2校のオーケストラに参加。毎月のように押し寄せる本番をこなしながら、自分のソロ曲の研鑽を重ねました。 帰国後、ピアノ伴奏者を見つけ、卒論提出後の90年2月に校内にて30名程度の聴衆を集めて演奏会を実施、下記の演目を収録しました (プロなら全部をひと晩では演奏しないほどのテンコ盛りプログラム) ・J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番 ・シューベルト/アルペジオーネソナタ ・ブラームス/ビオラソナタ第1番 ・サン=サーンス/白鳥 朝から晩まで、暇さえあれば練習練習の大学生活でしたが、あれほど1つのことに時間とお金と情熱を集中投資(散財?)したのは、恐らく人生で最初で最後だろうと思います。 おかげでひとつ、マトモな芸を持つことができました。 ちなみに、レパートリーは今でも演奏可能です。