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一緒に学び、未来を作ってくれる仲間。新しいストーリーの熱い主人公を求む!

北海道の浦幌町で、地域おこし協力隊を募集します。

子供を中心に据えた〝うらほろスタイル〟というまちづくりに、官民が一体となって取り組んでいる浦幌町。さらに、東京で働く民間企業の有志も加わり、いま、町に根を張る新会社を設立しようとしています。

この動き出した新しいプロジェクトのリーダーを担うのは地元の林業会社・北村林業の社長を務める北村昌俊さんです。もともと、北村さんは高校進学と同時に町を離れ、大学卒業後は東京のゼネコンに就職したそうです。町に戻ってきたのは26歳の時で、町を離れてから10年ほど経っていました。

なにかきっかけのようなものはあったのでしょうか。

「私が社会人になった2000年頃はバブルが弾けた時期だったんですよね。不良債権処理が社会問題化していた時期で、どの企業も生き残りをかけて必死だった。いま自分自身が経営者なので、企業の論理はわかりますがそれでも、〝人を人と思うな。金だと思え。下請けを徹底的に叩け〟といった当時の上司が放った言葉、利益追及の仕事のスタイルに疑問を持つようになっていったのは大きかったですね」

もちろん、都会の仕事にはそれなりの厳しさがあるでしょうし、地方の、しかも、林業の仕事というのはとても、大変な仕事だろうと感じます。

「ええ、昔から、3K(キツイ・汚い・危険)と言われてきたのが林業です。でも、叔父にあたる先代の社長から、〝この仕事は、都会ではやりたくても出来ない。そして、誰かがやらなければならない。だから、ここでしか出来ないことを職業にする誇りを持って欲しい〟と言われ、胸を打たれました」

現場を視察してみて、北村さんはヨーロッパから最先端の機械を導入するなど、とても先進的な取り組みをされているように感じました。積極採用中の北村林業は20代の女性〝林業女子〟も生き生きと働いているのです。「イメージも随分と変わったのではないですか?」と問いかけると、「だって、家族と同じですからね。命がけで守りますし、誇りを持ってもらえるようにイメージはどんどん変えていきますよ」と、嬉しそうに目を細めました。

「ただ、どんなに素晴らしいテクノロジーを導入しても、結局は人間力が重要になってくる。言うまでもありませんが、森は生きています。山は手入れがなされていないと、どんどん元気がなくなって、保水力も落ちてしまうんです」

「うちの会社に〝山の神〟と呼ばれる現役88歳の元専務がいて、彼が僕に林業のいろはを叩き込んでくれたのですが、間伐されずに弱ってしまった森を見て〝山が、木が、泣いている。かわいそうだ。すまない……〟と言って、涙ぐむんです。そこまで山にかける想いが強く、こういった人々が木を植え、育ててくれた歴史がある。そういった想いや技術を我々の世代でしっかり引き継ぎ、次の世代にバトンタッチしたいと強く感じます」

山や森と日々、対峙しながら、まさに〝共生〟してきた人たちの言葉です。

2016年の秋、十勝地方を複数の台風が直撃し、全国で農作物の供給が極端に低下するなど、深刻な被害がもたらされました。食料基地として、十勝が果たしている役割も再認識された出来事です。


北村さんの林業への向き合い方は、浦幌のまちづくりのキーマン、近江さんたちと一緒に実践している〝うらほろスタイル〟の理念と重なってくるように感じます。

「そうなんです。地域や社会も同じ。未来のために今できること、やらなければいけないこと。未来のための今を、どう生きるか。持続可能な社会のために何が出来るか。そういうことを一人ひとりが考えていかなければならないと、強く感じています」

新しく立ち上げる会社は、マーケティングやブランディングを行って、いかにユーザーからニーズのある木材加工品を全国に流通させていくかが、差し当たっては求められるミッションかもしれません。どういう人材が、新しいプロジェクトの担当者には求められるのでしょう。

「浦幌の、うらほろスタイルの、そして、これからつくられる新会社の背景・理念をしっかり理解し、共に未来づくりを創造し、何事も自主性・主体性を持って行動し、協働できる人材を望みます。何のために物をつくり、売るのか。言われたことだけをやる指示待ちタイプの方は絶対に向いていませんね。あとは、東京の第一線で活躍している猛者たちとも対等に向き合って、意見をだしてもらわないと、仕事は進んでいかないはず。八木さん、よくわかるでしょ?」

それは、僕自身も感じていることですね。兼業作家として、会社の業務、新作の校了作業に追われているというのに、新会社の美人マーケティング責任者が、「この求人の案内文は八木さんにしか絶対書けないの」と、短納期で「いい感じのストーリーをお願い!」と、笑顔で無茶振りしてきたのです!

しかし、浦幌や十勝と無縁だった人たちが、地域活性のために汗をかいてくれているのです。それは、浦幌のまちづくりのキーマン、近江さんにもあてはまります。きっと、共にまちづくりに汗をかいてきた北村さんが感じるものもあるのでは?

「そうですね。どう頑張っても、私には近江さんのような生き方は出来ないですよ。何をするにも彼自身のことを一番後回しにするんですよ。でも、想いや考えは共有しています。彼には彼の役割や生き方があり、私には私の役割、生き方がある。私に出来ること、やらなければいけないことを前向きに進めることで、彼と創造する未来に一歩一歩近づきたいと考えています。浦幌出身ではない彼が、地域やこどもたちの未来のためにここまで頑張っているのに、地元の人間として負けられないですよ(笑)」

まったく同感で、近江さんという熱い方に出会ってしまい、僕はこのプロジェクトに参加せずにはいられませんでした……。

結果、出会った人は浦幌出身で町に住んでいる人も、他のまちから移り住んだ人も、あるいは、東京から参加している人も、魅力的で多種多様な人材ばかり。それぞれバックグラウンドや専門領域は異なりますが、化学反応を生むワクワク感が、すでにスピード感を持って形にする実行力もあります。

共通するのは、北国の小さなまちの未来をつくりたい、という熱い想い。この取り組みが成功すれば、きっと社会に大きなインパクトを起こすはずです。

一緒に、「ひと花咲かせましょう」なんて言いません。私たちがみているのは、50年先、100年先に子供たちの笑顔が溢れている未来です。目先の利益を得るための手軽な花を咲かせたいのではなく、地域に深く根を張り、まちを豊かにする巨木や森を長期スパンで育てたい。

地方創生の時代に、小さなまちの可能性を全国に提示できるビジネスモデルを創りたいのです。そのためには永続的で、持続可能なエコシステム、そして夢の実現を信じるチカラが必要不可欠です。

我こそは、そのストーリーの主役として輝きたいという方、ぜひ。


文:八木圭一(十勝出身の新米ミステリー作家)
写真:清野和之(ノースプロダクション)

募集ページはこちら
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浦幌町役場では一緒に働く仲間を募集しています
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