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私を教師にしてくれた東明館への恩返し 生徒ひとり1人が挑戦し、納得する「道」をつくる【教務国際部長・主幹教諭 田中健太】

東明館中学校・高等学校の卒業生で、2003年度卒の13期生です。2011年度から東明館で教師をしていて、現在は主幹教諭として神野校長と福島教頭のサポートもしています。

私が教師になろうと思ったきっかけは、中学3年生の時に教わった数学の先生です。元々社会貢献に興味があって、この先生と接するようになってから「先生という社会貢献の形があるのか。こんな先生になりたい」と思い、今に至ります。

私は東明館に恩返しをするために、教師の道を選びました。東明館の前は別の高校で5年間教師をしていましたが、これも東明館で教師になるための修行期間と捉えていました。

前任校は進学校という位置付けではなかったのですが、自ら考えて学ぼうとする姿勢を持った生徒が多く、ひとり1人が納得してそれぞれの進路を選んでいました。私は生徒たちの思いに応えるべく、生徒たちに合った進路指導を心がけました。

生徒がやりたいこと、挑戦したいことを聞き、先生と生徒が一緒になって道を探していくイメージです。そうすることで、生徒の力が適切に伸びていくのを実感しました。東明館でもこうした生徒を1人でも多く送り出したいと思いました。

しかし、東明館に教師として戻ってみると、東明館の進路指導やキャリア教育は旧態依然のスタイルでした。偏差値だけで進路希望大学を考えたり、ぼんやりとした進学理由しか持たないまま、先生や保護者に勧められた大学に進学する。実際、「思っていたのと違いました」と言って違う大学に入り直したり、大学自体を辞めたりする生徒もいました。

もっと時代に合わせた進路指導やキャリア教育を形成しないといけない。そう考えた私は7年ほど前から、有志の先生数人で東明館の今後を考えるプロジェクトを立ち上げ、様々な提言をしました。しかし、他の先生からの賛同がなかなか得られず、結果的にプロジェクトは空中分解しました。

先輩の先生方に私の教育観を展開し、激しい議論になったこともありました。振り返ると、若気の至りで申し訳なかったという思いもありますが、当時の東明館にあった「新しい風は吹かせない」という空気を変えようと、奮闘していました。少しずつ私の考えに賛同してくれる先生も増えて、ここ5年くらいは納得のいく進路を選ぶ生徒は増えてきました。

担任の先生に身につけてほしい「経営力」

「個別最適化の学び」の考えを持つ神野校長は教育観も近く、よく意見交換をしています。神野校長とは同じ30代同士ということもあり、いろいろと共鳴する部分もあります。

神野校長が来てからは、学校の未来を考える時間軸が変わりました。これまでは5年後の東明館はどうなるべきかという考えでしたが、神野先生は10年後、20年後の目線で東明館のことを考えています。予測不能な時代の中で10年単位の未来を考えることは非常に大切なポイントだと思います。

私なりに東明館の未来を描く中で、「担任の先生に経営力をつけてほしい」という考えがあります。これは私が教師に成り立ての頃、前任校の教頭先生に「帝王学を学んでみたらどうか」という言葉を頂き、経営やマネジメントを体系的に学ぶ中で、クラス運営に応用できると感じたからです。

担任を持った先生には「クラスはひとつの会社」と思ってほしいのです。クラス運営を生徒にとって最新のものにしていくことが、ひいては学力や人間性の向上につながっていくと思っています。

東明館という舞台で生徒たちが輝き、やりたいことやしたいことに最大限挑戦できる環境を作ることが、東明館の新しい挑戦です。私を教師という道を作ってくれた数学の先生のように、生徒たちに「新しい道」を作り続ける先生になります。

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