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What indent? vol.4 ―プラットフォーム企業からindentのCMOに就任した小室が語る。「原作の重要性」とはー

こんにちは。株式会社indent採用担当です。

株式会社indentは、作家の皆さまの創作環境を総合的にサポートするプラットフォームの開発から、小説や漫画、webtoonなどの制作/出版を行っている会社です。今回は、indent代表の釜形勇気が、2024年2月に最高マーケティング責任者(以下、CMO)に就任した小室稔樹と行った対談インタビューをお届けいたします。

小室稔樹さんのご経歴

音楽大学(作曲専攻)を卒業後、音楽業界~ゲーム業界を経て、2014年にNHN comico株式会社へ入社したことを機にマンガ業界へ転身。2016年にLINE Digital Frontier(2018年の事業継承以前はLINE)に入社し、2020年よりインディーズ企画運用部の部長を務める。2023年にはLINEマンガ編集部、インディーズ企画運用部が所属するContent Production室の室長および、LINEマンガ編集部の1つである第2編集部の部長に就任。「LINEマンガ インディーズ」だけでなく、LINEマンガのオリジナル作品全体の統括を担当。2024年2月より株式会社indentのCMOに就任。

目次

  1. CMO参画に紐づくビジョンについて
  2. プラットフォーム側から見た「原作の重要性」について
  3. 商業デビューを目指す作家をサポートするindentの取組み

1. CMO参画に紐づくビジョンについて

釜形:小室さんには2月からCMOとして参画いただきました。「Nolaをご利用いただく作家さんや作品が羽ばたく場所を今より拡大する」という目標に向かっていくにあたり、小室さんのご参画は非常に心強く思っています。改めて自己紹介をお願いできますか。

小室:よろしくお願いします。実は僕、音楽大学出身で作曲を勉強していました。クリエイター気質があると言いますか、モノを作ることが好きだったんです。それから紆余曲折あってcomicoのサービスの立ち上げ直後やLINEマンガに携わってきたので、ずっと作家さんと向き合いながら人生を歩んできました。今までは漫画がメインでしたが、源流に近い場所で原作にかかわれるindentに魅力を感じたのがきっかけです。

釜形:最初にお会いしたのは2年ほど前ですかね。indentは当時、まだそこまで作家さんや作品の数が多くなかったですが、小室さんに相談してアドバイスをいただいていました。

小室:お会いした当初は、indentという会社を知らなかったんです。でも釜形さんの掲げるビジョンを聞いた時に、「凄いことをやっている人たちがいるな」と驚いて。自分でもクリエイターさん向けプラットフォームを作りたいと考えていた時期があったので、方向性の合致を感じました。当時から、陰ながら注目していたんですよ。

釜形:ありがとうございます。小室さんが前職にいらした時、相談事も含めて連絡をしていたらランチに誘って下さいましたよね。その時「原作を生み出す作家さんの可能性」についてノートに書き留めているという話をお聞きして、アイデアも沢山いただきました。暫くして、小室さんが前職を辞めたという話をたまたま噂で耳にし、ダメ元でもお声がけしたくご連絡しました。

小室:そうなんですよ。僕からお伝えしていないにもかかわらず、釜形さんからメッセージをいただいて不思議なご縁を感じました。前職を辞めた時、次の会社も決めていなくて、有給休暇を使い始めた日から転職までの100日間、ほぼ毎日色々な人とお会いしました。有難いことに多くの企業さんからオファーもいただいて。改めて自分のやりたいことなんだろうと思った時に、ちょうど釜形さんからメッセージをいただいたんです。実は、ほぼ入社を決めていた会社もあった位、最後の方だったんですよ(笑)。でも、「クリエイターさんの一番近くに居る企業ってどこだろう」と思った時に「あっ」と。二年前に聞いたビジョンと実際に形にされたことが、第三者から見ても繋がっていると感じました。釜形さんや経営陣の皆さん、会社の皆さんが向き合ってきた方向性が正しくて、数字的にもそれを認識して。indentはこれからもっと面白くなると思ったんですよね。

釜形:僕たちは作家さんを一番に大切に考えていて、「作家さんの可能性を広げていきたい」という思いで創業をしました。その思いは今も変わらないのですが、逆に出版の道に関しては泥臭く営業して何とか体制を作り上げた部分があるので、このタイミングで小室さんとご一緒できることは非常に嬉しいです。

小室:僕、最近「あと何年世の中に対して貢献できるだろう」とよく考えるんです。だからこそ、作家さんに対しても、企業の皆さまとのコネクションも、僕の持つものはどんどん継承していきたいと思っています。まだ入社して数週間ですが、出版社の方と話していると、ほぼ全員から「indentさんはこんな凄いことやっているんですか」というリアクションをいただけるんですよ。

釜形:これまでも巨大なプラットフォームの中で実績を積み重ねていらして、作家さんが商業的に書いていける場所にも着目されている。まさに、師が入ってくれたような感覚です。

小室:振り返ると、LINEマンガには8年ほどいました。最も力を注いだのはインディーズです。僕ら企業が作家さんに提供できることは「打席の準備」だと思うんですよ。勿論、作家さん自身がSNSで発表していくのも一つの打席ですが、作家さん自ら打席を作るのはまだまだ難しい。入社前からサービスはあったものの運用する余力がなく止まっていたところに、作家さんに打席を作ろうと連載企画を立ち上げました。『先輩はおとこのこ』(作:ぽむ)などの代表的な作品が生まれたことが思い出深いですね。

釜形:プラットフォームの立ち上げは、事業として大きく中長期的なプロジェクトだからこそ馬力がかかりそうですが、いかがでしたか。

小室:新しいレーベルを立ち上げるという意味では理解を得ていくのが大変でしたが、地道な活動を続けました。新しいものを生み出す時はハレーションも起こりがちですが、アドバイスをくださる協力者の存在もあり、途中からはスムーズに進みました。

釜形:企業の中で新しい可能性を推進していく負荷が大きい中でも、小室さんは道を切り拓かれた。そういう方が経営陣になったことは、indentにとっても作家さんにとっても希望になったらいいなと思います。

2. プラットフォーム側から見た「原作の重要性」について

小室:作りたいものと売れるものはそれぞれ違いますが、面白いか面白くないかではないんですよね。企業側は「売れるものを書いてください」と簡単に言いますけど、でもそれって何ですかと悩みます。ベンチマーク作品を模倣すれば良いわけじゃなく、オリジナリティも必要だし……やっぱり自分が面白いと思うものを作るほうが良いのかなと悩む。一方で、やはり作品が売れないと皆幸せにならないから、落としどころをなんとか見つけていかなければいけない。僕は、作家さんに作りたい作品をヒアリングして、「トレンドをちょっと入れてみませんか?」とか「今はこういう展開が人気です」と流行を見せるようにしています。

釜形:あくまで作家さんとその作品自体が大事と思う中で、市場とフィットさせるにはどうすればいいかは常に悩ましいことですよね。逆にどちらかの力関係が強すぎても良くないですし、お互い信頼感を持った関係性を構築したいですね。

小室:そうですね。作家さんの個性が輝く作品を流通させることが出来る世界になるといいなと思います。「Nola」の作家さんたちの活躍の場所が広がる市場はあるでしょうし、僕の使命は作家さんと企業さんを繋げていくことです。

釜形:その意味でも先月「IP開発トータルパッケージ」の取組みを報じました。海外でもアニメやコミックの市場が伸びている中で「日本って面白い作品多いよね」と喜ばれている側面も多い。だからこそ「新規事業として投資をしたい」と考えています。新規の企業さんはなかなか踏み出しにくいところもあると思うので、IPに関する検討をされた時に相談をする先として思い浮かべて貰えるだけでも変わると思っています。

小室:indentのチャレンジは他の企業さんがなかなかやっていないことですよね。それも、これだけ多くの作家さんにご利用いただいて作品が集まっているからこそですよね。

釜形:そうですね。良い作品というと売れる作品ばかりに目がいきがちですが、その作品を読んで楽しかった人からしたらその作品は良い作品なのだと思います。周囲の友人が楽しんでくれれば、その友達にとって良い作品になるし、商業の場合は編集者がそれを判断しているのかなと。そういう意味では、自分の作風や魅力を好きに思ってくれるレーベルや編集部とマッチングできると良いなと思います。

3. 商業デビューを目指す作家をサポートするindentの取組み

小室:非常に重要なテーマです。クリエイターさんって孤独ですし、忙しいですよね。商業と考えると、売れるためのマーケティングもしなきゃいけない。「人には読んでほしいけど自分が作りたいものが合わない可能性がある」なんていう悩みを抱えているんです。ただ、どういう方向であれ商業にフォーカスすると、世の中の動向はウォッチするべきだと思いますね。自分の作品を世に出すことが怖いっていう作家さんもいらっしゃるんです、批判的な意見を言われる可能性があるので。でもやっぱり一番恐ろしいのは無風なことじゃないですか。良いも悪いも意見が出ないことの方が怖い。だから「とにかく世に出してみることが、プロモーションにもマーケティングにもなる」という話はよくさせていただきます。辛いし大変ですけどね。

釜形:自分自身も元々は書いていた側なので、その緊張感は分かります。indentが運営する投稿サイト「Nolaノベル」は、「企業さんや編集者さんに見てもらえる場所」として見てもらえるきっかけをちゃんと作ろうということでローンチして各企業さんとの取組みが増えてきました。

小室:今までは雑誌や出版社の色を自分で調べて持ち込んでいたと思いますが、「Nolaノベル」に登録すれば出版社さんが欲しい内容が書かれてるわけじゃないですか。良いですよね。作家さんは書くことで忙しいからこそ、編集部が求めている作風の気づきを与えるきっかけはプラットフォーム側が動くべき部分ですよね。

釜形:そうですね。企業さんが求めていることは企業さんに言ってもらった方が、傾向を類推するよりも速いですし、迷わず執筆に励みやすいなと思います。

小室:商業作家で活躍されている方にはアーリーアダプターの方が多いです。新しいものに飛びつくこと、新しい技術を試してみること、新しいプラットフォームを登録してみること、触ってみることは非常に大切です。

釜形:新しいものを試すところで言うと、Nolaはなるべくそのハードルを下げたいと思っています。とは言え、会社として潰れたら逆に裏切ることになるのでバランスはありつつ、目指すべき先は違います。今は、作家さんから月額や年額をいただいていますが、作家さんからお金をいただくのではなく、作家さんに書く場所をご提供して、そこから生まれた新しい可能性や作品を発表したときに、一緒に会社としても成長できる状態を作ることが一番理想的です。

小室:そうですね。加えて、商業デビューする上で大事なことは、webtoonなのか漫画なのか単行本なのかという出先を意識して書くことですね。ただ、作家さんが一人でそこまで考えて書くのは酷だと思うので、そういう時にこそNolaノベルの「編集部の掲示板」を見て、作品の最終形態を分かった上で書いたら作り方も変わってくると思います。

釜形:作家さんが自分の作品を試せる場所としての機能も追加したいですね。編集部のハッシュタグをつけて投稿いただいた作品には、フィードバックや感想を伝えたいという理想があります。そのために、編集者が作品やエピソードページを見ると足跡がつく仕組みになっているんです。作品が読まれない原因は何なのか、何を変えれば良いのか、作家さん自身が分かるきっかけになると良いなと。

小室:今度作家さん向けにNolaノベルの活用方法もインプットしたいですね。

釜形:作家さんと一緒に共創して成長できる会社になりたいですね。「原作や作家さんを大切に思い、その可能性を広げる取組みに参加したい」という思いを持った方がいれば、ぜひ採用ページをご覧いただけたら嬉しいです。

ー 株式会社indentでは、作家の皆さまの活躍する道を開拓する『営業職』や、作品を共に制作する『編集職』、そしてプラットフォームを通じて事業成長に取り組む『企画職』と、事業成長のために一緒に働くメンバーを募集しています。ご興味のある方はお気軽にエントリーください。社員一同、お待ちしております。

* 記載されている会社名及び商品名/サービス名は、各社の商標または登録商標です。

本記事の様子は以下のPodcastで配信しております。

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『大手マンガプラットフォームからindentへ。入社の背景と原作者に対する想いについて』ゲスト:小室稔樹氏(indent CMO) by Nolaエンタメトーク
Nolaエンタメトークは、創作プラットフォーム「Nola(ノラ)」を運営する株式会社indentが、エンタメ業界の気になることについて、対話形式でお届けする番組です。 ...
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‎Show Nolaエンタメトーク, Ep 『大手マンガプラットフォームからindentへ。入社の背景と原作者に対する想いについて』ゲスト:小室稔樹氏(indent CMO) - Mar 11, 2024
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