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【コロナ禍でもトライアル提供可能!】フローレンス園長・主任研修『オンライン対応』の軌跡をのぞき見!

2020年「こんな時だからこそ」保育者の学びを後回しにはしたくない!

「コロナ禍」という言葉とともに、激しい変化の風があらゆる業界、あらゆる人の日常に吹き荒れた2020年度。

4月初旬に緊急事態宣言が発令され、保育園も自治体ごとに休園や登園自粛の対応に追われる、異例の幕開けとなりました。保育現場のスタッフたちは、登園できない親子のケアに、感染対策を講じながら登園が必要なエッセンシャルワーカーの子どもたちに保育を提供することに奔走しました。

その中で保育園を運営する団体、そこでスタッフ育成を担う私たち研修チームが、今優先すべきは何か。

最前線で奮闘している保育者一人ひとりが抱える不安や困りごとに対して、できることは何か。模索した結果、私たちの結論は、現場最優先でありながらも「保育者の、園長・主任の学びを後回しにはしない」ことでした。

今回は、そのような中で行われたフローレンスの園長研修 オンライン化の軌跡をご紹介します!

ある年の園長研修とその他フォロー施策例


これらすべて、19園 21名の園長または主任がひとつの会場に集合し、対面で行う研修プログラムでした。

長きに渡り、学びの効果を最大化するために、私たち企画者・講師と受講者の双方向コミュニケーションを重視してきました。同じ会場に集うからこそ感じ取れる、「受講者のペース」に合わせた臨機応変な対応を常に意識し、その場でコンテンツを作り変えながら臨むこともしばしばありました。

また受講者同士も、車座になり、相互に意見交換し、密に言葉をかわし合い、悩みや取り組みを分かち合う、それこそが私たちの研修の醍醐味である、そう考えて取り組んできたのです。

緊急事態宣言とともに、私たちが保育現場に出向くチャンス、園長や主任が頻繁に事務局オフィスに顔を出すチャンスが無くなりました。

例年ならば、年度幕開けのキックオフ研修の企画を練り、ワクワク、前向きな各園の様子に心躍る4月。これまでのように集合して、対面での研修実施は到底難しい。

そのようにしてオンラインでの研修実施を考え始めた私たちが直面した課題は大きく3つでした。

・保育現場の混乱の中、それでも研修は実施すべきか…?・パソコンが苦手、オンライン受講に慣れていない保育者たちが、完全オンライン化についてこられるか?・反応が見えづらく一方的になりがちなオンライン研修において、私たちの研修の強み=「柔軟&双方向性からうまれる学習効果」を維持できるか?

「そもそも、実施自体どうする?」から喧々諤々

19の保育園を運営する事業部のマネージャーと、私たち研修チームで話し合いました。

現場では、感染対策でスタッフの体制を強化したり、子どものお預かり・保護者への申し送りの流れを変更したりと、さまざまな対応を余儀なくされて混乱もある。普段より忙しい園や、普段と異なる状況で、各所のケアに一生懸命な園長もいる。研修の優先順位は、低いのかもしれない。一方で、先の見えない不安を抱える中だからこそ「先を見通すこと」「課題を整理し、適切な打ち手を検討し、実行すること」の大切さも際立つ。こんな時だからこそ「チームづくり」「スタッフ間の連携やコミュニケーション」が試される場面が多くある。現場第一、研修は二の次だけど、「やらなくて良い」ではない。今この状況だからこそ、園長や主任の力になる、そんな研修をやっていこう!

こうして私たちは「保育者の、園長・主任の学びを後回しにはしない」を合言葉に、研修のオンライン化に挑むスタートラインに立ちました。

20年度4月末実施 初のオンライン『園長研修キックオフ』


zoomの操作慣れのため、ハート写真を取るワークも実施(写真右下)

こんなときだからこその「保育所の役割」を考え、「2020年度の見通し」を立てました。園長からは自園やフローレンスの保育園全体に対する熱い想い・声があがりました。

オンライン化の壁:保育現場は対人支援の現場。紙文化も残る。ゆえにパソコンに不慣れな人も。

フローレンスの園長・主任研修では、オンライン会議ツール「zoom」を使用しています。この一年で業界や領域を問わず浸透したツールですが、4月時点の保育者にとっては、未知の部分が多いものでした。

対人支援に強みを持つ保育者たちが、突然のオンライン化に戸惑うであろうことは当然のことです。コロナ以前より、紙の書類やノートが中心の園や、PCの使用頻度が低い保育現場もまだ多いのではないでしょうか。

フローレンスの保育園では、コロナ以前より脱・紙文化、保育現場の事務効率化に力を入れており、園長は一人一台のPC支給を受け、事務的なタスクも日頃からPCでこなし、一定のスキルを備えていました。

それでも、決してオンラインを好むわけではなく、やりづらさへの抵抗感や、対面で対話や学びができるものならばそうしたい…との声が多く聴かれる中の研修スタートとなりました。

また、主任やスタッフ層は、園に一台の共用PCで日頃の事務作業をこなしているため研修のために独占使用できるわけではありません。そのため私用のスマートフォンやタブレット端末から受講しなければならず、受講環境として恵まれているとは言い難い状況でした。

オンライン操作も、グループワークの見える化も、スマホ参加も大丈夫!

試してきた工夫は数えきれませんが、そのうちのいくつかを紹介します。

まずは、オンラインに慣れ親しむことから。研修のたびに、少しでも楽しみながらオンライン環境に慣れてもらえるワークを検討し、冒頭で操作ガイドや練習を重ねました。(画像左上:操作説明、中央下:みんなでリアクション)

上記に掲載したチームでハート写真をつくるワークも、モードや表示の切り替え操作に慣れる目的で行ったものです。

全員PCでの受講が叶った際は、オンライン上のホワイトボードを使って付箋を貼り合ったり、文字や色、配置や分類を活用した状況の可視化など、対面でテーブルや模造紙を囲むときのような、臨場感ある双方向のやりとりを導入しています。(画像右上)


またスマートフォンやタブレットからの受講者がいる場合は、少しでも見やすい、わかりやすい資料や導線を心がけ、敢えて「紙の活用」を取り入れることもあります。以下の写真はその一例。事前に印刷する紙の資料の中にリアクションシートを設け、多人数の研修でも自らの意思を表示しやすくするものです。


オンライン機能に慣れてもらうのも大切ですが、「皆も聴こえていないのかな?自分だけかな?」とか「ちょっと今わからなかった!」といった不安や素朴な疑問も表明しやすくなり、一斉に意思確認することで双方向性や、一体感も生まれます

最大ミッション:オンラインでも双方向に。効果を最大に!!!

このように、制約ある受講環境での試行錯誤を経て、私たちのオンライン研修はこの一年、育まれてきました。回を重ねるごとに、実際に集うからこその醍醐味だと思っていた「双方向性や柔軟性による効果」についても当初の懸念が嘘のように、受講者から嬉しい声が届くようになりました。

20年度初期の声

「まずはこのような状況下でも、研修を実施してくださってありがとうございました。オンラインの参加は正直疲れてしまいますが、不安が多い時期なので、研修で落ち着いて考えることができる機会があると、自分の頭の整理のためになりました。」

「現状は難しい(目の前のことで手一杯である)が、学びの場が与えられることが大変ありがたく、今後活用していきたいと思えた。」

「ズームで皆さんの顔と名前が見られて安心した気持ちでした。このような機会を作っていただきありがとうございます!」

現在の声

「毎回、緊張気味に受け始めますが、最後は充実した気持ちでいっぱいになりました。

今年度はオンラインの研修で、移動時間等を考えると参加がしやすかったです」

「いつも準備等ありがとうございます。オンライン研修にも慣れ、一年前は数時間も耐えられない!と思ったが今では3時間があっという間。次年度もオンラインでの研修はまだ続くと思いますがよろしくお願いします。」

「今年度も主任研修により、スキルアップの機会をいただけたこと、コロナ禍にも関わらず尽力してくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。次年度また新たな視点で1年間学びの機会を頂けること、楽しみにしてます!」

受講環境のハードルを乗り越え、オンラインであってもこまめな理解度・進行ペースの確認や、お互いの言葉やリアクションでのやり取りを盛り込んだ結果、受講者のみなさんが主体的に反応や疑問も出してくれるようになり、協働関係が生まれました。懸念していた柔軟性や双方向性による学習効果は、もはや自然に乗り越えつつあったことに気づいたのです。

現在は集合で開催していた研修も、ひと通りのプログラムをオンライン化し、オンラインのメリットを活かせる内容に仕上がり「オンラインだから難しい」と感じる場面もグッと減りました。

コロナ禍でも、距離が離れていても「学びを後回しにはしない」決意で進んできた一年。フローレンスの現在の園長・主任研修のイメージが少し伝わったでしょうか。

現在もフローレンスでは日々、園長やリーダの育成に向けて施策を実施しております。
我々と共に採用&育成を担当してくれる仲間を募集中でございます。

またwantedlyにてミートアップイベントの参加申込み受付中ですので、ご都合が合えばご応募をお願いします!

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