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超探索型アプローチでブランドムービーを作った話@人事阿久澤

こんにちは。株式会社DROBEでHR/PRをやっている阿久澤です。DROBEは先日シリーズBでの資金調達を発表させていただきました(パチパチパチ)👏

パーソナルスタイリングサービスを展開するDROBEが、シリーズBで総額10.6億円の資金調達を完了株式会社DROBEのプレスリリース(2022年11月30日 11時00分)パーソナルスタイリングサービスを展開するDROBprtimes.jp

何度とあるわけではない会社のビッグニュース、このタイミングを生かして仲間集めもがんばりたい!そんな機運のなか、個人的にぜひみなさんに見ていただきたい動画があります。

採用目的で作ったものではないのですが、9月にサービス3周年を迎えた際に制作した、周年スペシャルムービー「DROBEの現在地」です。

26名のメンバーと、7名のお客さまのインタビューから構成したムービーで、会社としてのDROBEや、サービスとしてのDROBEの空気感が伝わる内容になっています。

(このnoteを読んで、もし興味を持ったら見てほしい…!)

「3周年って結構な節目だから、ムービーとか作っちゃってもいいんじゃない?」「普段のROI志向なら絶対作らないし」

そんなフワッとしたアイデアから、実際に6分半のムービーができあがるまで、担当者が何を考えて何に悩みどんな経験をしたか書き連ねていきます。

ちなみに私は動画の制作をするのは初めて(10年前ぐらいに友人の結婚式のお祝い動画に口を出したぐらい)の素人です。

きっと日本のどこかには同じようなオーダーが来て困っている人がいるはず(めっちゃニッチかもですがw)と信じて書いてみます。でも、フワッとしたオーダーを形にするプロジェクト、という観点ではたくさんの人にも読んでほしい気持ちです。

なぜわたしがオーダーされたか

わたしは本職はHRで、PRはいちメンバーとして関わらせてもらっています。実は今のPRチームが組成されるまでしばらく専任PR不在時があり、その際はわたしがプレスリリースや取材対応などしていました。DROBEの1周年、2周年の際の企画やプレスリリースも当時わたしが担当していたため、3周年もやらせてもらえることに(嬉しい)。

また、3周年はさまざまな企画を連続的におこなっていく方針でしたが、一番カロリーがかかりそうなのはやっぱりムービー制作。わたしは新卒で入社したベネッセという会社で、2年半赤ペンとゲラにまみれて紙媒体ですが制作三昧だったので、コンテンツ製作に多少の心得があったというのもあります。

なぜムービーか

例年9月末に周年リリースを出していたので、7月末ごろに「そろそろ今年も周年考えないと…」となり、ブレスト会を行いました。(わたしが出したアイデアで一番反応が良かったのは「DROBEソングを作る」だったんですがネタ枠として葬り去られました)。

ちなみにDROBEのPRチームは外部との混成チームで、外部のPRディレクター、PR代理店、DROBEメンバー(CEOの山敷他、専任と兼務の複数名)で構成しています。3周年はメディア向けの企画ではないため、PRディレクター+DROBEチームで初期案の検討を行いました。

そこでディレクターが出してきたアイデアの一つが「ブランドムービー」でした。当時の議事録には、特に経緯や議論の記述なく「動画主体でやる」と、h3の太字で記載されていました。

記載はなくても、ムービー作ろうとなった際にmtgが盛り上がったのは細胞で覚えています。ムービー製作はカロリーもコストもそれなりにかかるので、「なんのために作るの?」「ROI見合うの?」などと考え出すと「ムービーじゃなくてもいいか」「LP一枚作るか」となりがち(少なくとも弊社では)。
でも本当は、自分たちのめざす世界や想いを、情緒たっぷりに伝えたい!!せっかくならぶち上げよう!そんな感じだったと思います。

制作会社探し

動画制作をどこにどうお願いしてもいいのかわからなかったので、自分でググるのはもちろん、ベネッセ時代の先輩で現在広告代理店に勤めているN先輩にヒヤリングなどしました(また登場します)。

制作期間が1ヶ月しか取れなさそうだったため(これはのちにもう一ヶ月延ばしました)、やばいやばいと焦りながら社内外でヒヤリングをしていたら、COOの長井さんが「以前お問い合わせから営業がきて、一度話したことある会社があるからつなげますよ」と手を差し伸べてくれました。それが今回制作をお願いした温(おん)さんです。

温さんは社員数名の会社で、ZOZOさんのインナー向け・社外向けムービーを数多く作っていました。

制作会社選びが延びれば延びるほど制作期間が短くなると焦りに焦っていたわたしにとって「ファッション系のクライアント経験あり!」「担当さんのレスポンスが良い!」「納期と予算もあってる!」これだけでまじで救世主のように見えました。まさに寒空の中の温泉(温泉マークだけに)。なので複数社で見積もりとかはとっていません。

初回のmtgでわたしの疑問はだいぶクリアになり、すぐにスケジュールを組み、企画に入りました。

企画

温さんは映像制作プロダクションなので、コンセプトや企画についてはお任せするというより、DROBEからある程度提示した上で一緒に考えていく、という進め方でした。

なので、初回の温さんとの企画mtgの前に、(先述のN先輩にお薦めを聞くなどし)わたしなりにいろいろなブランドムービーを見て、3パターンはシナリオと絵コンテかけるぐらいのイメージまでは膨らませて企画mtgに臨みました。「結構いい企画ができた…もうこれで撮影入って良いのでは?」ぐらいのほのかな自信はあったのですが、できあがったものには見る影もありませんw

ちなみに周年ムービーのプロジェクトは、わたしとCMDOの佐熊さんで進めました。佐熊さんは百貨店畑で婦人服一筋だった人。DROBEでもスタイリングやMDといった、一番お客さまに近いチームを統括しています。社内でもサービスの最前線に立っている、かつファッションバッググラウンドにあるC職がプロジェクトにいることはとても心強かったです。

温さんでは石田さんというナイスガイがディレクターとして立ってくれました。石田さんは奥さまが妊娠中かつDROBEを以前から使ってくれていて、奥さまの目線も交えながら意見を出してくれました。

↑に貼った「誰が誰に何を伝えてどうなってほしいのか」をもとに、どんな表現ができるのかブレスト→石田さんがシナリオ案にまとめる→それをもとにディスカッション→再度シナリオに落とし込むということを繰り返しました。

大事にしていたのは以下です。

  • フィクションではなく、生っぽい映像や空気を届けたい
  • とはいえ生っぽすぎないで、おしゃれなテイストにはしたい…
  • 「DROBEのメンバーはこういう人」「お客さまはこういう人」とイメージを固定したくない

サービスのフローを伝える、というところにフォーカスを当てた、モノの動きを追っていくストーリー仕立てのシナリオ、別名「AmazonのCMっぽいやつ」案も最後まで残ったのですが、ストーリー仕立てにすることでやや脚色が入ることが否めず、それよりは、リアルな姿をお届けしようということでメンバーのインタビューをもとに構成していくシナリオに落ち着きました。

インタビューを通じてどんなメッセージを伝えるのか、何か一本軸があったほう散漫にならず良いのでは?とも思ったのですが、佐熊さんの「今はまだ何ものでもないんだから、ありのままの姿を伝えたらいい」という発言が、まずはメッセージを規定せず、自由な発言から構成していこう、という方針に決まりました。

それがイバラの道とも(少なくともその時のわたしは)知らずに…

撮影前準備

メンバーインタビューの材料として、事前にGoogleフォームでみんなにアンケートをとりました。

  • 心から嬉しかったこと
  • 心から悔しかったこと
  • 入社の決め手
  • DROBEを世界中の人が使っている世界はどんな世界
  • DROBEを通じて成し遂げたいこと
  • うまくいったスタイリング・悩ましかったスタイリング
  • お客さまからもらった感情が揺さぶられたコメント
  • 撮影可能日と自宅撮影可能か

アンケートの回答をもとに、メンバーに何を聞くかの質問案を決め、撮影に臨みました。

また、今回はお客さまの映像も使用したく、編集開始までの期間にDROBEのセレクトBOXがお手元に届く予定のお客さまに、動画出演依頼のアンケートもとりました。(ここで快諾してくれるお客さまがいるのが、DROBEの素晴らしいところだなと思います…!)

メンバー撮影

撮影はメンバー3日+倉庫1日の合計4日間でした。DROBEはリモートワーク中心なので、よりリアルな姿を伝えたいと、自宅撮影が可能な方には自宅で撮影を行いました。

ひとり、短くても30分、長いと1時間、じっくり話を聞きました。これは石田さんのこだわりで、予定調和にしたくないとのことでまじで全員質問を変えてました。
わたしもほとんどのインタビューは同席して、「みんなめっちゃいいこと言うじゃん…」と思って聞いていました。話を聞いたDROBEメンバーは総勢26人。のべ10数時間に及びます。これを数分のムービーにまとめる・・・?一体どこをどう使うんだろうと思って眺めていました。

お客さまインタビュー

リアルなお客さまの姿もお届けしたい、ということで、今回10名近くのお客さまにご協力をいただき、自宅でDROBEを楽しんでいただいている動画を送っていただいたり、オンラインでインタビュー録画をさせていただいたりしました。


お客さまへオンラインインタビューは自宅から行いました


みなさん本当にDROBEを楽しんでくださっていて、中にはDROBEが人生の転機になった方も。生のお客さまの声のパートは、社内に制作途中のものを公開した際、日々お客さまに向き合っているスタイリストの心を打ち抜きました(本当に本当に嬉しいんです)。

二転三転した編集フェーズ

試写のタイミングは3回を予定しており、3回あれば余裕だろうと思っていましたが、実際は大小合わせてその倍以上の回数は見せてもらいました。それだけ構成案が変わりました。

元々このムービーは、すでにDROBEを知っているお客さまに向けて作ろうというコンセプトでしたが、すけべ心が出てしまい、DROBEをあまり知らない人が見てもDROBEのことがわかってくれればいいなーという意図も微妙に混じり、初期構成案は、サービスのフローに合わせて、その役割を担う人のインタビューをつなげていく、というものでした。

その結果、最初のアウトプットが「ただ仕事の説明をいろんな人がしているだけ」の動画になってしまっていました。なにか違う・・・

そこから石田さんと佐熊さんと、何度もmtgを重ねては構成を変え、今の形に落ち着いています。(議事録を数えると、キックオフから10回はmtgしていました。)

石田さんはいい意味で頑固で、mtgで「XXXの方向性で行きましょう!」となっても「手元でやってみたんですけど微妙だったんで、やめて自分なりにこうしました」みたいに変えて持ってくるし、わたしもこだわりが強いほうだったので、映像のメンバーの発言を全てテキスト化して、「この流れはロジックが通ってないから順番を変えたい」みたいな指摘を逐次入れていました。

わたしはこの石田さんの感じがとてもやりやすくて、まじでよかったなと思っています。

映像に関しては素人で、映像作品のインプットの量も全然少ないわたしたちが出した意見を、そのまま鵜呑みにされてしまうと、確実にアウトプットの質は下がります。でも、サービスについてやDROBEについて一番知っているのはこちらなので、そこで感じた違和感は伝えるべきだし、こうしたいがあればそれも伝える努力をするべきだと思っています。

私たちがどんなタイミングでどんな意見を出しても、石田さんは決して邪険にせず、真摯に聞いてくれました。

そして何度か大幅な方針転換を経て、ようやくこれでいこう、あとは音楽とアニメーションの調整だ!となったとき・・・

最後のもうひと粘り

最初の方に登場した、ベネッセ時代の先輩Nさんと、同じくベネッセ時代の先輩で、2年ほどDROBEを使ってくれているMさんに、完成間近のムービーを見て、感想をもらうことにしました。

自分なりにはこれでいい!となっていましたが、何度も構成を変えたため、実際にDROBEを使っている人(想定の視聴者)に客観的なフィードバックをもらいたかったのが理由です。

正直もう後戻りはできないので、「えー!いいじゃん!めっちゃ素敵!」となることを期待していました。

が、、

「話1/3で聞いて」って、結構言いたいことあるじゃん、、、!

こ、このまま進んでしまってはまずい・・・・・!!!!

2人になぜそう思ったのか細かく聞いたり、構成の意図を伝えたら印象が変わったところなどもあり、まとめると以下が課題でした。

  • 構成がわかりにくく、なぜここでこの発言が入るんだろうがわからないままストーリーが進むので、中だるみ感を感じる
  • メンバーが一方的に語っている感じでちょっと引いた目で見てしまう

このやりとりが土日だったこともあり、今から上記をどう改善したらいいんだろうか、改善できる時間はあるのかと考えると心臓がバクバクして胃がキリキリしました。

月曜日に即石田さんとmtgを開き、上記をお伝えしました。
ここまで散々一緒に考えた上でこの形になったのに、今更こんなこというのって失礼では…と躊躇する気持ちもありましたが、石田さんは「中だるみと見た人が感じたのなら間違いなく直すべき」と言い切り、すぐに一緒に改善策を考えてくれました。

その結果、いくつか修正点が決まり、最後の編集作業に入っていただくことに。

最後はテロップの細かい「てにをは」まで、石田さんとオンラインで1時間一緒に調整し、ようやく絵が固まりました、、、!👏👏👏😭😭😭

最後のMA(音を調整する工程)は渋谷のスタジオで。

そして無事、完成となりました。

タイトル決めてなかった…!

あとはYouTubeにアップしてプレスリリースの発信を待つだけ、、と思っていたら、タイトルを決めていないことに気づきました。

佐熊さんとPRのAikoさんにに慌ててアイデアをもらうことに。

最終的には、ムービー内で山敷さんがバスの例えを出していることもあり、タイトルは「DROBEの現在地」に決定しました。

できたーーーーー!

と、いうわけで改めてこちらです!6分半と長いのですが、ぜひ見てほしいです。


プレスリリースも出してもらいました!

パーソナルスタイリングサービスのDROBE サービス開始3周年記念企画第2弾 スペシャルムービー「DROBEの現在地」を特設サイトにて公開株式会社DROBEのプレスリリース(2022年10月31日 11時00分)パーソナルスタイリングサービスのDROBE サーprtimes.jp

3周年特設サイトはムービー以外にもいろいろな企画があるのでぜひこちらも覗いていただきたいです!

3rd Anniversary | DROBE (ドローブ) | スタイリストがつくネットショッピング2022年秋。DROBEはサービス開始から3年を迎えました。この3周年という節目にさまざまな特別企画を用意しています。まだcampaign.drobe.jp

取り組み先さまなどで見ていただいた方から感想もいただき、皆さん「肩肘張らない感じがいいですね」「自然な感じで撮れていますね」とおっしゃってくれますが、そりゃーーーーだってーーーー30分もしゃべってもらってそこから本当にその人らしい一瞬の一言を抜き取っているから、そうなりますよね、、!

もしかしたら、もしかすると、最初に構成をパキッと決めて、構成要素の発言の目処を立てて、その素材を集めに最小工数で撮影した方が効率的だったかもしれません。できあがったものにそこまで差分はないのかもしれません。

でも、自然にポロッとでた発言をパッチワークしたからこそ見えてきた、より自然なDROBEの姿が動画の中に収められたのではないかと信じています。

最後に

DROBE絶賛採用強化中です!次のブランドムービーには、これを読んでいるあなたもぜひ出演をお願いします!

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元記事はこちら↓

超探索型アプローチでブランドムービーを作った話|阿久澤栄里子@スタートアップ人事|note
こんにちは。株式会社DROBEでHR/PRをやっている 阿久澤 です。DROBEは先日シリーズBでの資金調達を発表させていただきました(パチパチパチ)👏 何度とあるわけではない会社のビッグニュース、このタイミングを生かして仲間集めもがんばりたい!そんな機運のなか、個人的にぜひみなさんに見ていただきたい動画があります。 採用目的で作ったものではないのですが、 ...
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