モノ消費からコト消費へ。流行りのソーシャルダイニングってどんなサービス？

色々なものをシェアする時代、今話題なのは「食卓のシェア」です！

初めて会う者同士が食卓を囲むソーシャルダイニングというサービスが米国を中心に人気を集め、日本にもその波が訪れています。

人気グルメサイト「favy」では、「その時だけの『一期一会の食体験』」と表現されているソーシャルダイニング。一体どういったものなのでしょうか？

参考：次は“食卓”をシェアする時代!? 海外でも話題の「ソーシャルダイニング」とは

1.ソーシャルダイニングとは

ソーシャルダイニングとは、食卓をシェアするシェアリングエコノミーを利用したサービスであり、「民食」とも呼ばれています。

料理を作りたい・食べて欲しいと考える人と、料理を食べたい人とをマッチングするサービスとして、現在日本でもいくつかサービスが展開されています。代表的なものには、re:Dine(リダイン)やEatWith(イートウィズ)、KitchHike(キッチハイク)といったサービスがあります。

耳慣れない方も多いかもしれませんが、ソーシャルダイニングには提供する側、食べる側両方にメリットがあるんです！

1-1.料理を出す側のメリット

(1)店を構えることなく、自慢の料理を食べもらうことができる

(2)収入源となる

(3)消費者とのコミュニケーションの場となる

(4)孤食を防げる

1-2.食べる側のメリット

(1)これまでに無い食体験ができる

(2)シェフとコミュニケーションが取れる

(3)安く外食ができる

(4)家庭料理やプロの味が食べられる

「料理を作るのは好きだけど一人暮らしだから食べてくれる人がいない…」
「料理人として独立したいけど、店を持ってない…」
といった悩みを解決できる、まさにシェアリングエコノミーの賜物と言えるサービス。

そして食べる側にはこれまでにない食体験を提供することができます。出てくる料理はその日その日で違ったもの。主婦がつくる温かさある家庭料理からプロがつくる本格的な味まで、その日に集まったメンバーとその日にしか味わえない食体験ができるのです。

普段はなかなか話す機会がない料理人と会話ができ、料理に込められた思いや素材のこだわりなどを聞くこともできます。そんなコミュニケーションの場としても重要で価値のある場となっているソーシャルダイニングサービスですが、もちろん課題もあります。

2.ソーシャルダイニングの課題

(1)参加希望者の不足
ホストである料理提供希望者は多くいるものの、それに見合った数の参加希望者、食べる人がいないということ。

これには日本人の国民性も関係しているように思えますが、やはり初対面の人の家にご飯を食べに行くというのは、少なからず抵抗があるようです。

世界には、食事中に勝手口のドアを開けておいて、見ず知らずの人を招き入れて、一緒に食事をするという文化のある国もあるようですが、日本にはそのような文化はなく、家はプライベート空間的認識が強い。そんな価値観がこのサービスの障害になっていることは想像に難くありません。

(2)一般人の提供者が少ない
ソーシャルダイニングのサービス一覧を眺めてみると、料理人主催の会がメインとなっています。料理人には肩書きがあり、それに付随する衛生面や味に対する保証がある。しかし一般人にはそれがありません。

近年では、サービスを運営する会社が、会場となるキッチンを貸し出すというサービスも主流となり、家に人を招くだけという気軽さも低減しました。それにより徐々に料理人専用のサービスになりつつあるようにも見えます。

まだまだ一般の方向けとしての面もブラッシュして欲しいと願います。なぜならソーシャルダイニングには食の世界を変える可能性があると感じているからです。

3.ソーシャルダイニングの可能性

独立志望のシェフの足がかり

飲食業界は流行りや旬など変動が激しく、そのサービス形態も日に日に進歩し変わりつつあります。その中でソーシャルダイニングは、自分のお店を持ちたい料理人の、独立への足がかりとなり得ます。

自分のお店を持つことなく、持つ前であっても、料理を提供できる場として、このサービスは定着するはずです。