HERP マネーフォワード

マネーフォワードが語る採用広報の本質と体制の作り方【Event Report】

採用を進める上で「ダイレクトリクルーティング」を行っている方、または今後行いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。前提として、採用を成功させるには行動量を担保することが重要です。ただ、なぜダイレクトリクルーティングが必要なのか、そして採用成功とは何かという点に納得して行動することで、結果は大きく変わると考えています。

そこで、HERP株式会社との共催イベントとして、採用の体系論から具体的な手法までをお伝えする、全4回のオンラインイベントを実施します。第2回は、株式会社マネーフォワードの富田様をお呼びし、採用広報の位置付けや媒体選定、そして企業が発信することの本質を考えていきたいと思います。

(本記事はウォンテッドリーが主催したセミナーの内容を要約した上で構成しています。)

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株式会社マネーフォワード
People Forward本部 人材採用部 副部長
富田 政孝 氏

関西学院大学を卒業後、ジェイエイシーリクルートメントに入社。人材紹介に4年半携わり、2018年マネーフォワードへ人事として入社。採用担当として、マネーフォワードグループが約300人→約850人(2020年11月現在)に拡大するフェーズを経験。MVVC・事業・ヒト・組織が好きです。
https://www.wantedly.com/id/masataka_tomita_d

はじめに: ダイレクトリクルーティング成功の方程式

 

今回、全4回イベントを通じて、採用のプロになることを目指してイベントを企画しました。ダイレクトリクルーティングを主軸において、「コンテンツの磨き込み」、「スカウトリソースの確保と効率化」、最後に「歩留まりの高速改善」が採用の成功につながることをお伝えしていければと思います。

本日はダイレクトリクルーティングの中でも「コンテンツ」にフォーカス、「採用広報」をテーマに語り尽くしていきたいと思います。

登壇いただけるのは、この数年で100人から1000人規模まで組織拡大しているマネーフォワードで採用業務全般(PR含む)を担当されている富田様です。マネーフォワード様は創業期から「採用広報」を注力されているのが特徴です。「どのような採用広報体制なのか」「どのようなコンテンツを発信されているのか」など、取り組みを掘り下げて聞いていきます。

マネーフォワードが考える、採用広報の位置づけ

 

ーー本日はよろしくお願いします。まず、マネーフォワード様が「採用広報」をどのように位置付けているのか教えてください。

富田氏:よろしくお願いします。前提として、候補者の志望度を問う前に、自社の情報をできるだけ開示しておくことが必要ですよね。面接に来ていただいて志望度を問うのであれば、それ相応の情報を提供するべきだと思い、候補者に対して可能な限り情報を届けることを意識して採用広報を行っています。実際に採用広報が上手くいっている企業は、「自社を良く見せたい」といった想いよりも、「どれだけ候補者がフラットに判断できるよう情報を開示できるか」と考えている企業が多いと感じます。

また、マネーフォワードの人材採用部におけるミッションのひとつとして、「ファンづくり」を掲げています。採用は会社の顔ですし、対外の方々と関わる機会が多い。人事である私たちが採用活動を通じてマネーフォワードのファンを増やしていきたい想いが根幹にあるんです。

とくに、採用広報はこの「ファンづくり」の思想が根幹にあるからこそ、比較的社内を巻き込んで実施できているのかもしれません。社内の情報を外部に発信していると、自社のメンバーたちも協力して記事を作ってくれるんです。実際の結果として、記事の発信数はもちろん、ご応募いただく候補者の多くが記事をご覧になられており、記事を通してマネーフォワードが好きになったと言っていただける方もいらっしゃいます。

採用広報のおかげもあり、これまでエージェント中心だった採用から、ダイレクトリクルーティング、リファラルでの採用数も増えてきました。2020年の中途採用ではエンジニア含めて100名ほど採用しましたが、リファラル30%、ダイレクトリクルーティング25%となっており、採用単価も100万円を下回っている状態です。

採用広報初期: コーポレートと連携し、FinTech業界の認知を高める

 

ーーここからは、マネーフォワード様の「採用広報の取り組みにおける変遷」を聞いていきます。フェーズが3段階に分かれると聞いていますが、それぞれ詳しくお話を伺わせてください。

まずフェーズ1について。マネーフォワードが2012年に設立して3〜4年目の頃です。当時採用を担っていた小川が1人で回していた時期ですね。会社としても規模が100人を超えて、さらに拡大していくタイミング。ミッション・ビジョンを実現するために、先行投資として採用にドライブをかけていく時期でした。

はじめの頃は、コーポレートで広報を担当していたメンバーが、採用広報も兼務してくれていました。当時小川が組織を作る中で、自身以外にも採用のリソースを確保する必要があると感じ、社内の巻き込みに力を入れていたと聞いています。

この頃は「FinTech」というワードが今ほど有名ではなく、マネーフォワードという会社はもちろん、FinTech業界自体の認知や意義を確立していく必要があったんです。事業としてFinTechの認知を広げるアプローチは、当時広報担当が率先して行っていました。FinTechという業界自体の認知を広げることで、候補者にマネーフォワードへ興味を持っていただくという流れを作りたかった。広報と採用の結びつきを強化して、候補者向けにFinTech自体の認知を広げる・深めるアプローチをしていったんです。

また、当時の採用広報の指標(KPI)は、とにかく定期的に発信すること。常に毎週、毎月発信することを指標としていました。

採用広報中期: 専任メンバーの採用。Wantedlyフォロワー数を指標(KPI)に

 

富田氏:続いてフェーズ2です。2018年〜2020年、私が入社した時期です。この時期は、人事組織の規模をフェーズ1の倍以上に拡大していったタイミング。会社がものすごいスピードで変化していくため、常に発信をし続けないとマネーフォワードの最新情報が伝わらない状態でした。最新の情報をスピーディに、適切に発信する体制を模索していたと思います。

このタイミングで、採用広報専任のメンバーを採用しました。私と同時期に入社したメンバーです。採用広報専任でポジションを置いている企業は多くないため、業務のイメージがしづらいかもしれません。基本は記事の企画〜発信、PDCAを回すことを専門としていました。採用広報専任で年間30本以上発信してくれていました。

当時Wantedlyでの発信をメインとしていたため、「Wantedlyのフォロワー数」をひとつの指標(KPI)としてウォッチしていました。「フォロワー=マネーフォワードに興味を持っている」と捉えることができます。マネーフォワードに興味を持っている、応募を検討している候補者をいかに増やすかを常に意識して発信していました。

また、フェーズ1と変わらず記事の発信数も意識していましたね。定期的に情報発信できている状態がマネーフォワードの文化を醸成すると考えていたので、「月に◯本以上」といった目標を置いていました。また、運用方法としては、週1で広報担当、リクルーター、採用広報担当とMTGを実施し、そこで採用広報として扱いたいテーマ、タイトル案、キャスティングを決めていました。

採用広報は短期的に効果が見えづらいもの。実際に試行錯誤を繰り返しましたが、2019年に、もっともWantedlyを活用した企業に送られる「WANTEDLY VISIT AWARDS」でGold賞を頂くことができ、人事が採用活動のために広報をする意味が一層芽生えてきましたね。

 

実際に、マネーフォワードでは、創業期からWantedlyを活用しており、ビジネス、エンジニア、デザイナー、新卒・インターンまで幅広い層の採用に成功しています。

Wantedlyでは、カジュアルにさまざまなキャリアを持つ候補者と出会えます。カジュアル面談などで実際に候補者とお会いした際、「この記事を読んで興味をもちました」といった定性的な効果も実感しています。フェーズ2の時期からこういった声がかなり増え、それがモチベーションにつながっていましたね。

また、Wantedlyのストーリーは、ダイレクトリクルーティングと非常に相性が良いことも実感しました。スカウトを送った候補者は高確率で記事も見ていただけるので、採用広報をゼロからはじめる企業にとってはオススメです。

現在はWantedlyの他にもnoteを活用しています。WantedlyでGold賞をいただいたことで、「次のフェーズだ」と考えるようになり、新しいチャレンジとして活用しています。

採用広報下期: People Forwardの設立。リクルーター全員で発信する体制に

 

ーー2020年からフェーズ3がはじまります。あらためてどういった体制なのか、教えてください。

富田:人事は現在約25人の体制です。うち中途採用に従事しているのは4人。もともと人事本部という名称でしたが、昨年12月にPeople Forward本部に名称を変更しています。また、元々採用部、企画部、労務部の3つの部から、人材開発部とカルチャー部が新設されました。

 

これまで採用広報専任が記事の作成〜発信を行っていましたが、現在は専任を解除し、リクルーター全員で作成、発信しています。1人に採用広報をすべて任せれば、情報統一はできますが、リソースは1人に限定され、リアルタイムでの情報発信が遅れてしまうこともしばしばありました。また、リクルーターがスカウトを行う際に、提案するポジションの情報は求人票だけで、他に魅力を伝えるものが少ないといった課題もありました。採用部全体として、広報面の課題を持っていたため、「そうであれば、全員で取り組もう」という話になったんです。

発信する内容については、最初に決めた方針がズレないよう、「編集部(note編集部)」を設けて管理・運用を行っています。マネーフォワードでは公式のnoteを運用しており、広報、カルチャー担当、採用部メンバーの3人で記事の企画方針、原稿のチェック、公式のnoteとの紐付け判断を行うようにしています。

さいごに: 採用広報を維持する秘訣とは

 

ーーさいごに、採用広報を持続する秘訣を教えてください。

マネーフォワードの採用グループには「Let’s make fan!」というミッションがあります。マネーフォワードを応援したいと思ってくれる人たち「Fan」を沢山つくっていくことで、素晴らしい仲間を集めていきたい。そういった会社を創るため、常に楽しんで仕事することを心がけています。

採用活動一つひとつの施策に対しても楽しまなければしんどいだけ。いかに楽しくやれるかが大事だと思っています。指標(KPI)に縛られてしまうと、達成するためだけの行動になってしまう。本当に実現したいことは何かをしっかりと捉え、そのために何をするべきか納得して行動できていることが重要です。

また、採用広報は数字での結果が見えづらい分、施策一つひとつが意味のあるものだったのかどうか、分かりづらいと思います。

意味づけや振り返りにおいては、面接にお越しいただいた候補者や入社してくれたメンバーにアンケートを取ることを大切にしてます。読んでくれていたか、どの記事がよかったかなど、それを元にPDCAを回していくことができると思っています。

このように、定量的な情報を取りに行く努力をしながら、ぜひ定性的な情報も参考にしてみてください。「あの記事を読みました」と言ってもらえただけでも発信した価値がある。それだけで「次も頑張ろう」と思えます。

ーー短期の成果を求めがちですが、採用広報では中長期での運用が必須。定性的な情報も参考にしつつ、元々の目的を意識しながら楽しんで取り組むことが大事ですね。貴重なお話をありがとうございました。

著者プロフィール

北山浩士

ウォンテッドリー株式会社 マーケティング

三重県出身。滋賀の大学から新卒で大手人材紹介会社に入社。大阪にて関西の製造業を中心にRAを担当。その後、東京に移住しウォンテッドリー株式会社でセールスとして働いた後、現在はマーケティングチームでマーケティングコンテンツの企画、制作、ディレクションと、オンラインイベントの企画、運営、を担当しています。

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