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マンション販売数の曲がり角とスマートホーム/ホームIot

マンション販売数がバブル崩壊直後以来の低水準

2019年の上半期(1~6月)において、首都圏、近畿圏ともにマンション販売数がバブル崩壊直後以来の低水準だったようです。
消費税増税前の駆け込みもみられず、”マンション市況が変調した可能性も指摘されている”とのこと。


上半期マンション、バブル崩壊直後以来の低水準 首都圏、近畿圏
不動産経済研究所(東京)が18日発表した今年上半期(1~6月)のマンション市場動向によると、発売戸数は首都圏、近畿圏ともにバブル経済崩壊直後の平成4年上半期以来...
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190718/bsd1907181457013-n1.htm
不動産経済研究所(東京)が18日発表した今年上半期(1~6月)のマンション市場動向によると、発売戸数は首都圏、近畿圏ともにバブル経済崩壊直後の平成4年上半期以来の低水準だった。東京23区内や大阪市内での地価上昇や、資材、人件費の高止まりによるマンション価格の高騰が低迷の大きな要因だ。昨年まで好調に推移してきたマンション市況が変調した可能性も指摘されている。

もしかすると下半期でこの数値が改善することもあるのかもしれませんが、いずれにしても近い将来、マンションや戸建て住宅の販売数が減少することは避けられません。

日本総人口の圧倒的減少

それは、日本の人口がものすごいスピードで減っている為です。
これは、住宅業界のみならず、全てのマーケットで言えることですが、圧倒的に”母数が減る”という事実が目の前にあります。


統計局ホームページ/人口推計(平成31年(2019年)1月確定値,令和元年(2019年)6月概算値) (2019年6月20日公表)
各月1日現在の日本の人口について、最新の推計結果を掲載しています。
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
【令和元年6月1日現在(概算値)】
<総人口> 1億2623万人で,前年同月に比べ減少 ▲28万人 (▲0.22%)

人口減少時代における新築住宅

既に大量に空き家が発生している状態の中で、なぜ新築住宅は建て続けられるのか。
そんな率直な疑問が湧きますが、それは「新築住宅を作って売る」、それこそがビジネスモデルとなっている住宅・建設業者における収益構造の問題や、その他複合的な様々な要因によるところになります。


止まらない人口減、増え続ける家「住宅過剰社会」ニッポンの未来はどっちだ!?
なぜ、家が余っているのに新築住宅は増え続けているのでしょうか? そして、こうした「住宅過剰社会」に私たちはこれからどのように向き合っていけばよいのでしょうか?東洋大学理工学部建築学科教授・野澤千絵氏にお話を伺いました。
https://o-uccino.com/front/articles/48682
要するに住宅を供給する側のシステムが、家をつくり続けなければ収益が確保できないようになっているせいでどんどん家をつくらざるを得ず、それによって新築住宅が増え続けているのです。

ではその新築住宅は一体日本のどこに建てられているのか。
そのメインはやはり首都圏になります。

これは、当然そこに需要があるからということですが、日本の人口がただひたすらに東京一極集中しており、さらに日本の総人口が減っているにも関わらず、現在でもまだ東京の人口は年々増加している状況がある為です。


総人口8年連続減、15歳未満は過去最低12.2%...総務省推計 | リセマム
総務省は2019年4月12日、「人口推計(2018年10月1日現在)」を公表した。総人口は、前年比26万3,000人減の1億2,644万3,000人と、8年連続で減少。総人口に占める15歳未満人口の割合は12.2%と、過去最低を更新した。
https://resemom.jp/article/2019/04/15/50132.html
人口増減率を都道府県別にみると、増加は東京都(0.72%)

次に、新築住宅が建てられているより具体的な場所はというと、昨今の時短ブームとも相まって、駅近、駅直結となる場所に所狭しと乱立してドンドン建てられています。
そして結果として、その販売価格は上がり続けています。

それでもマンション市況は好調に推移していましたが、この上半期、遂にそのマンション販売数が低水準となったわけです。
販売価格が遂に手が届かないラインまで上がってしまったのかもしれません。


上半期マンション、バブル崩壊直後以来の低水準 首都圏、近畿圏
不動産経済研究所(東京)が18日発表した今年上半期(1~6月)のマンション市場動向によると、発売戸数は首都圏、近畿圏ともにバブル経済崩壊直後の平成4年上半期以来...
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190718/bsd1907181457013-n1.htm
上半期の発売戸数の大幅減は、平均価格が東京23区では7千万円を超えるなど、購入者の手が届きにくい水準にまで値上がりしたため。

女性の社会進出などにより、共働き世帯は年々増加していますが、それに伴って世帯収入も増加することで、住宅の販売価格の高騰の中でも需要と供給のバランスがとれていたのかもしれませんが、そのボーダーラインを遂に超えてしまったのかもしれません。

働き方改革と住宅に求めるもの

その女性の社会進出や社会復帰の後押しとなっている要因の1つとして「働き方改革」があるかと思います。「働き方改革」によって、共働き世帯はきっとこれからも増えていくでしょう。

しかし、一方でこの「働き方改革」は、同時にテレワークなどの場所にとらわれない働き方も推進しています。つまり、「仕事」という軸で考えた時、とりわけ駅近や駅直結に住宅を構える必要はなくなる、ということです。

また、政府としては、上記した東京一極集中からの脱却を目指し、さまざまな対策も講じています。
これから先、日本としてあらゆる面で豊かであり続ける為には、日本全体でバランスをとる必要が出てきます。東京の人口増加も当然、どこかで歯止めがかかります。そうすると、今のように単純に東京や人気エリアに闇雲に新築住宅を建てればよい、ということではなくなってきます。

こういった状況下で、改めて住宅業界が対応を行う必要性が出てくるのが、競合との差別化になります。
新築、中古、リノベーション、戸建て、集合住宅など様々なタイプがありますが、その物件ならではの魅力が必要になってきます。

これからの時代を担うスマートホーム/ホームIot

前置きが長くなりましたが、この状況下において一気に加速する可能性があるのが「スマートホーム/ホームIot」ではないかと考えています。
差別化にはもってこいですし、ユーザーさまにとっても非常にわかりやすいですよね。

スマートホーム ホームIotの普及の5ステップ」の記事の方でも述べていますが、他サービスとの連携も行えるフェーズに突入すれば、提供価値は格段に高まります。

また、日本の総人口が圧倒的に減少する中、日本としての豊かさを維持する為には、その分あらゆる面において効率化を行わねばなりません。
人、家、街、国、全てです。

人、仕事という単位でIT化やRPAツールなどの導入が進んでいきますが、同時に家、街、そしてそれらをまとめた国という単位でも対応が必要であり、
それが、家という単位ではスマートホーム、街という単位ではスマートシティであると考えます。

5G、ドローン、AIと少しずつ、各パーツが揃いつつあります。
ここから一気に「スマートホーム/ホームIot」が普及し、次の時代の「当たり前」となっていくのが楽しみです。