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自己PR(研究Ver. )

私は大学院生時代、主にヒトの免疫系について研究を行っていました。免疫反応が起こる仕組みについてはこれまでに多くの報告がありますが、細胞内で働く分子が細胞内でどのような動きをしているかについてはほとんど研究がなされていませんでした。そこで私たちは、分子に蛍光標識を導入することで動きを可視化することができないかと考えました。

分子への蛍光標識の導入については研究室の先輩や共同研究者が既に検討を行っていたので、私は動きを可視化することに注力し共焦点顕微鏡を用いた蛍光イメージング系を構築しました。系の構築にあたって最も気を付けたことは測定条件の検討です。分子に蛍光標識を導入し観察を行うため、何も考えずに条件を設定しても細胞が光るという結果は得られますが、それは生命現象を正しく捉えているとは言えません。私が所属した研究室では蛍光イメージングに関するノウハウの蓄積はほとんどなかったので、まず専門書や論文を調べるだけでなく自主的に学会や勉強会に参加して専門家の方にアドバイスを戴くなどといったことに多くの時間を費やしました。そして、観察に用いる細胞の培養条件、蛍光標識試薬の種類や量、顕微鏡の操作、画像の処理など様々な要素について一つ一つ検討を重ね最適化することで、最終的には分子が生体内で働くときと同程度の濃度においてもイメージングを行うことに成功しました。

また、分子動態の時間変化を解析するにあたって観察視野を選択するときに恣意性が入ってしまうという懸念があったため、観察視野のみを固定しつつ細胞は生きたままでの蛍光イメージングについても条件検討を重ね、最終的には実現することができました。

このような研究活動を通して、私は『「課題を設定し、いろいろな方法を検討・実践する」というサイクルを何度も繰り返し、最終的な解決に至る力」や「自分の考えを論理的かつ分かりやすく他者に伝える力」が培われたと考えています。