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声だけの応対(宗松潤一郎)

電話では、顔や表情は分かりません。

明るい笑顔や丁寧な物腰は、相手には伝わりません。

すべては声だけで対応するのですから、発音と話しかたは十分に気をつけなければなりません。

(1)口先だけの要領は通用しない
相手から見られていないからといって、だらしない恰好で話をしていると、その雰囲気は相手に伝わっているものです。

小手先の声だけで丁重に先方に挨拶をしていても、頬杖をしたり、ふんぞり返った姿勢で行ったりしていますと、その態度や姿勢は、自然に声を通して先方に伝わってしまうものです。

注意を集中して真剣に電話で話をするためには、それなりの姿勢が大切であることを確認して下さい。

よく見かけるお年寄りの、電話口でのお辞儀をしながらの姿には、大きな教訓を私たちに示してくれているのです。

(2)発音は正確にすること
会社名、氏名、商品名、地名などの固有名詞や、日時、数量、金額などの数字は、聞き違いや言い違いのないように、正確に伝えるように発音に気を付けます。

(3)誤解しやすい言葉に注意する
同じ音調の同音語や、音の似かよっている類音語は、誤解を招くおそれがあるので注意します。

〈例〉
トウキ → 冬季・冬期・投機・党規・登記・騰貴
トウギ → 党議
ドウキ → 同期・動機・銅器
ドウギ → 動議・道義・胴着

また、同一語でまったく違う意味を持つものもあります。

〈例〉
結構 → 「すばらしい」という意味
→ 「もういらない」という意味
→ 「思ったよりは」という意味

以上のような言葉を使った場合には、同じ意味の別の言葉を重ねて話をして、誤解されぬよう努めることです。

宗松潤一郎(宗松組 役員)