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私が正社員に戻らない理由

私はBtoBマーケティングのフリーランスとして働いていますが、たまに「正社員になりませんか」と勧誘されることがあります。最近は副業から正社員になる人が増えていますし、BtoBマーケティングができる人の母集団形成は難しいので、フリーランスを口説いて正社員にするのも手でしょう。

また、私は大分にUターンしながら東京の案件を受ける目的で2019年にフリーランスになりましたが(詳細は私がフリーランスになったわけ参照)、当時と違い、2021年現在はフルリモート勤務の企業が増えました。地方に住みながら東京の会社に勤務できる時代ですから、そこを狙って「正社員になりませんか」と勧誘するのは理解できる話です。

しかし、フリーランスを続けて2年、自分が正社員に戻りたくなったことが一度もないのです。今後も(少なくとも2〜3年は)無いでしょう。人事や採用担当の方にとって、正社員転職する見込が皆無の人間を口説くのは時間のむだでしょうし、私も勧誘をお断りするのが手間なので、その理由を説明します。

(1)孤独が好き

私はしょっちゅう一人旅しているせいか「スナフキンみたい」といわれることがありますが、スナフキンは私の尊敬するキャラクターです。


ムーミントロールと過ごす楽しい時間が大好きですが、独りで旅をする孤独な時間も、彼にはとても大切。秋がきて、ムーミン谷の住人たちが冬眠に入る頃、スナフキンは南へと旅立ちます。そして、春になると、またムーミン谷へ戻って来るのです。

出典: ムーミン公式サイト

スナフキンは決して世捨て人や人間(ムーミン)嫌いではないのですが、孤独も愛しています。アニメ版で、旅立とうとするスナフキンをムーミンが引き止めるのですが、スナフキンは「僕は孤独になりたいんだ」とムーミン谷を去るシーンがあります。

ムーミン一家とは仲がいいが、ムーミン屋敷に泊まることは決してせず川のほとりにテントを張って暮らしている。

出典: ムーミン公式サイト

社会との繋がりを持ちつつ、孤独を味わうために社会との一定の距離を取る。こういう「社会との繋がりと孤独の両立」を実現する上で、フリーランスというのは実にやりやすい生き方です。バリバリ働きたいときは案件を大量に取って稼働率を上げ、休みたいときはクライアントと調整して稼働率を下げれば良いからです。

今年6月に先方都合で契約終了が重なり、7月に時間ができたので、案件を探しながら小笠原諸島に3週間行っていました。こういう生き方が突発的できるのもフリーランスの便利なところです。

(2)会社のミッションに共感できない

私はフリーランスになるまでに3社経験しています。どの会社も、社風や社員は好きでしたが、ミッションには共感していませんでした(今思えば申し訳無い話ですが)。「自分が共感できるミッションの会社が見つかっていないだけかな?」と思った時代もありますが、社会人7年を経て理解したのは、私にはそもそも「社会をよくしたい」といったミッションが無いということです。これには前述の孤独主義が深く関係しますが、社会変革とかに関心が薄い人間なのです。

私は『ゴルゴ13』のゴルゴも尊敬していますが、自身でミッションを持たず、クライアントの依頼を受けて仕事をするスタイルが似ているからです。詳しくは『ゴルゴ13』のゴルゴに学ぶべき「クライアントの奴隷にならない」こと参照。

私の仕事についてで書いた通り、私の取引先はほとんどBtoB SaaSのスタートアップですし、私の強みが活きるのもそこなので、転職するとすればスタートアップになるでしょう。ところが、スタートアップの場合、会社のミッションとマッチする人を正社員に迎え入れますから、私のようにミッションが無い人間は、いくらスキルマッチしても厳しいでしょう。スキルマッチだけでOKな業務委託がちょうど良いと思います。

正確にいうと、業務委託にミッションマッチは必要無いが、カルチャーフィットはある程度必要と考えています。例えば、「クオリティよりスピード重視」の会社と「スピードよりクオリティ重視」の人が業務委託した場合、スムーズに仕事するのが難しいからです。

私の2社目はセプテーニの子会社でしたが、セプテーニのミッションは「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」、行動規範は「Passion」「Stretch」「Speed」など7つありました。在職中からミッションには共感していませんでしたが、行動規範には結構共感しており、それを意識して働いていました。それがあったから3年間も働けたのでしょう。

なので、業務委託先であっても、バリューや仕事のスタンスがあいそうかなどは重視します(後者は部署や担当者によって変わるので、契約前に正確に見抜くのは難しいですが)。