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マーケター×地方という働き方について

前の記事(私がフリーランスになったわけ)にて、私がフリーランスになった背景を説明しました。そこで、「地元にUターンしつつ、東京の仕事をリモートワークで受ける」という働き方について言及したわけですが、その件についてもう少し詳しく説明しようと思います。

前回の記事(マーケター×リモートワークという働き方について)では、マーケターがリモートワークで働くことについて説明しましたが、今回は、マーケターが地方で働くことについて説明します。

地方には"マーケター"名目の求人は少ない

仮に、皆さんが地方に移住して仕事を探すとします。その際、現地の市役所や観光協会などに「マーケターの求人ってありますか?」と聞いてみてください。非常に高い確率で、「マーケターって何ですか?」という返答が返ってくると思います。つまり、地方においては「マーケター」というのは正体不明の職種なのです。

これは都会・地方に関わらず、マーケター自体の認知度がまだ低いという問題があります。私は東京都内で活動しているので、関わる人も都内勤務の人が多いですが、都内の人でさえ「マーケターってどんなお仕事されているんですか?」と聞かれることがあります。都内でこれですから、よりWebリテラシーの低い地方であれば、マーケターという言葉すら知らないのも無理は無いでしょう。

※地方でマーケターを名乗っても理解してもらえないので、私は「ITの仕事」「Webの仕事」とか、ざっくりした説明で逃げることが多いです。

地方にもマーケティングの仕事はある

では、マーケターが地方で仕事を見つけるのは不可能なのでしょうか? そういうわけではありません。

地方でマーケティングの案件を受注したい場合、方法は大きく分けて2つあります。

(1)現地の人に紹介してもらう

都会風にかっこよくいえば「リファラル」ですが、要は「人づて」です。地方企業ではコネや口コミが未だに強いので、「○○さんから紹介してもらった」といったリファレンス付きで案件を受注するのが最も確実です。上手くいけば、「○○さんに紹介してもらった」と企業Aの案件を受注し、「企業Aで実績を残した」という口コミで企業Bからも案件を受注し……と正の循環が回ってゆくでしょう。

ただ、大きな問題が2つあります。

1つは、地方では、マーケティングどころか、そもそも自社のWebサイトすら持っていない企業がまだまだ存在するということです。Webやマーケティングに対する理解がまだ浅い企業も多いですから、マーケティングの案件を今すぐ受注するのは厳しいかもしれません(時間をかけて、マーケティングに対する理解を浸透させてゆくのも手ですが、数年単位でかかるかもしれません)。

もう1つの問題は、地方では都会に比べてマーケティングの分業化が進んでいないことです。

都会だと、広告は広告代理店、Webサイト制作は制作会社、システム開発はSIerなどと専門化・分業化が進んでいますが、それは各領域が専門化し、人材がたくさんいるからです。「餅は餅屋」の論理が成立するわけですね。

地方ではそもそもWeb人材が少ないですから、「餅は餅屋」というわけにはいきません。「困ったことは財前さんにすべて相談しよう」などと、すべての案件を振られてしまうリスクがあります(信頼を獲得できている証でもあるので、良いことでもありますが)。得意な領域を振ってもらえる分には問題ありませんが、苦手な分野を振られてしまうと厄介です。

(2)地方に特化した案件サイトを利用する

もう1つの方法として、JOINSGOING・GOING・LOCALなど、地方企業の案件に特化したサイトを利用する手があります。

私はまだこういったサイトで案件成約したことが無いのですが、案件概要を見ると、「BtoB企業のサイトリニューアル」「ECサイトのCVR改善」「Web広告による集客」など、意外とマーケティング案件が多いことが分かります。事前に案件のスコープが定められているので、前述のような苦手な領域を振られてしまうリスクも少ないでしょう。

こういった案件サイトのメリットとしては、リモートワーク案件が非常に多いことです。こういったサイトの場合、都市圏のプロ人材と地方の企業をマッチングするというコンセプトであるので、都市圏の人材がリモート稼働することを前提にしているためです。

いいかえると、自分の地元以外の案件も受けられることを意味します。例えば、私であれば大分県にUターンするわけですが、案件サイト経由であれば、大分県以外の企業から案件を受けることもできます(例えば、大分県に住みながら、北海道の案件をこなすということもできるかもしれません)。

※もちろん、中には「初回は対面で打ち合わせしたい」とか「1ヶ月に1回は来社してほしい」といった案件もありますので、100%すべてがフルリモートというわけではありません。が、今までは対面を重視していた地方企業も、コロナ禍により、フルリモートへの理解が進んでいると、案件サイトの人から聞きました。

最先端の仕事をしたいなら"東京の仕事をリモートで受ける"がベスト

説明した(1)(2)の方法であれば、地方に移住したマーケターが仕事をすることはできるでしょう。ただし、落とし穴が1つあります。

地方企業の場合、マーケティング上の課題が「集客」に偏っていることが多いので、身につくスキルも広告運用・サイト構築・LPOなどの「集客」周りに偏りがちです。例えばMA/CRMの導入支援、Salesforceのシステム開発、BI/ETL/DMPの導入といった「集客」以外のスキルについては、身につけることが難しいでしょう。

また、都会に比べれば、地方のマーケティングは遅れているといわざるをえません。極端な例をあげると、WebサイトはあってもGoogleアナリティクスが導入されていないので、Googleアナリティクスのタグ設置や目標設定から始めないといけない、なんてことがあったりします(そもそもタグが設置されていないので、今までのアクセス解析を元に改善提案をする……なんてことも無理です)。東京都内の企業でマーケティングをゴリゴリやっていた人からすると、「こんな初歩的なことからやるのか……」とガッカリする部分はあると思います。

そこで私がおすすめするのが、前の記事(私がフリーランスになったわけ)でもご紹介した"東京の仕事をリモートで受ける"スタイルです。このスタイルなら、地方に在住しながら、東京の最先端の仕事を受けることが可能です。

具体的には、東京の仕事は"単価の高い仕事や地方には無い仕事"、地方の仕事は"単価が低かったりクオリティが低いが、地方企業に貢献できる仕事"と棲み分けすると良いと思います。東京の仕事でマネタイズやスキルアップを図りつつ、地方の仕事はボランティアやプロボノのような感じでやるのもありだと思います。

今は東京在住者=東京の仕事だけ、地方在住者=地方の仕事だけと棲み分けがはっきりしていますが、今後は東京にいながら地方の仕事をしたり、地方に移住しながら東京の仕事をこなすなど、垣根が曖昧になってくるでしょう。