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想像の覚書(1)ガラスロッカー

絵にするのか、短編小説にするのか、ジオラマ擬きにするのか。

完成形が未定ながら、自分の感性をこの記事を読んでくださっているであろう方々に伝えられたらいいと思い、これを書いています。

走り書きのメモの内容になるのでクオリティはお出しできないレベルかと思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです。

(1)ガラスロッカーの中は思い出

【形式】オムニバス or 1・2話完結の連続

【各話タイトル】Case No.○○

【導入】

 部室等の一角、倉庫が並ぶドアのうちの一つに「学内活動記録サークル パノラマ」がある。パソコンや本棚が収まっていそうな名前に違わず執筆・編集作業用スペースが室内に存在するが、実際そこに訪れた者の目を惹くのは真夏の清流を思わせる緑色のガラスで覆われたコインロッカーだった。

 ひいこら勉強して合格した環境に馴染んできた大学一年の秋、先輩の使い走りで俺はそこに壊れかけのパイプ椅子を取り替えに来ていた。当時は大学祭の準備日、どこもかしこも忙しくも楽しそうに走り回る学生が見られる日。どこか浮ついた、そんな空気感にやや辟易としていたからか、ちょっとした肉体労働に柄になくすっと(・・・)手を挙げたのだろう。屋台灯が目立つ目抜き通りからだいぶ離れ、蛍光灯の無機質な明かりと打ちっぱなしのコンクリートが寂しさを感じさせる部室棟。俺も例外なく浮かれていたうちのひとりだったのだろうか、誘うように少し開いていたすぐ隣の扉の先をつい覗いてしまったのだ。誰かに出くわしてもいいように、形だけの挨拶をして、よれてきたスニーカーを脱ぎ、友達の家に初めてお邪魔した小学生のようにそおっと歩みを進める。さして広くないはずなのに薄暗く、ウナギの寝床だからかやけに光源が遠く感じた。

 ――そして、パーテーションの裏に鎮座するガラスケース、その光景に魅入られたのだ。

【元ネタ】

職場の下駄箱が市営プールにあるようなコインロッカーだった。

【設定】

パノラマ:写真部にも新聞部にも似たサークル。依頼があれば引き受けるので間違いではない。大学祭ではこれまでの活動記録と大学祭当日の写真を随時印刷して貼りだす。

芝:パノラマの部長。部室に大体いる。

蓮田:「俺」。

ロッカー:忘れたい記憶に関する物品(元交際相手の忘れ物、履修しないと決めた講義で配布されたプリントなど)を置いていく人もいれば、置き勉感覚で教科書を預けていく人もいる。ルールは「預けたら、メモに内容と理由を書いて一緒にしまうこと」。


今のところは以上。

(2)以降もそのうちあるかもしれません。その際はお付き合いいただけると喜びます。

では。