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秋田の名湯と稲庭うどん~長井廉

温泉どころ秋田は、湯量豊かな名湯が多くあります。

秋田県湯沢市の小安峡温泉は、傷付いた鶴が湯あみをして完治したという伝説があります。

戦国時代後期には、鶴の湯と呼ばれて地元の人々に親しまれていたとされています。

峡谷沿いに立つ鶴泉荘は、絶景を望む露天風呂が自慢です。

小野小町生誕の地、雄勝町の山あいにある秋の宮温泉郷。

開湯1200年とされる鷹の湯温泉は、役内川の渓流沿いに立つ一軒宿です。

建屋の中に露天風呂があり、歩いて2分ほどの河原には野天風呂があります。

すぐわきを川が流れる野天風呂は野趣にあふれています。野鳥のさえずり、渓流のせせらぎを聞きながら、自然に溶け込むような一体感が味わえます。

さらに、食も旅の欠かせない楽しみの一つです。

秋田県湯沢市の隣町、稲川町は稲庭うどんのふるさとです。

稲庭うどんの弾力ある歯触りと、のどの奥を滑るような食感を楽しむだけでなく、約340年と言われる歴史も学ぶことができます。

本社工場では、小麦粉と澄んだ水、塩だけで練り上げる、完全手作業のうどん作りを見学できます。

その日の天候によって塩水の量を変えるという、長年にわたって培われてきた巧みの技に触れることができます。

隣の増田町には漆蔵資料館があります。

建材の選定から完工まで約24年の歳月を費やした蔵だそうです。天井の梁(はり)や床、階段まで、木肌の部分すべてに漆を施した芸術品です。

食欲だけでなく、大人の知的欲求も十分に満たしてくれます。

長井廉