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なぜ競輪選手は1着賞金が数万円でも、命と引き換えに走るのか?

競輪選手、石橋慎太郎選手の落車に関するFB投稿への私のコメント。

以下⬇⬇⬇

生死に関わる大事故や大変な障がいが残る可能性が高いレースを、

走ってる(走らされている)選手達、当の本人達が受け入れ、良しとしてるから変革がないわけですよね。

ここが根本にある問題でもあると思います。

かなり冷たい感じで書きますが、

運営する側からすれば、

選手からは文句は出るものの、

この問題がノックアウトファクター(事業継続に支障がでる事象)でない限り、

改善にかけるコストを償却年数などの費用対効果で考えて、

効果のある範囲のみ対応すると思います。

つまり、落車問題を撲滅してどれぐらい改善インパクトあるの?

費用対効果を考えると、そもそも撲滅する必要ないのでは?

損害を被るのは選手で、運営側としてはダメージ少ない。

それだったら放置・・・。

というドライな判断になると思います。


◆落車問題を早急に解決すべきか?について各団体の反応

JKA:どちらでもよい

施行者:どちらでもよい

選手会:改善すべき!会員の声は無視できない!

というように、各関係団体によって反応が異なるわけで、

全体最適となるよう打ち手を考えつつ、

反対者を意識した説明ロジックを考える必要があると思います。

しかも、選手会員の中でも意見が分かれるので、

選手会のあるべき姿を解く必要もあると思います。

いずれにせよ会員もたくさんの選手を巻き込みながらの総意が必要。

1着の賞金が数万円のために、

「明日は自分が同じ目に会う」かもしれないにも関わらず、

このような中で走ることを受け入れている選手本人達の責任もあると思います。

評論家として意見を言うばかりでなく、

具現者として、実際に行動を起こし、

周りを巻き込みながら、

形にしていただきたいと強く願います。



と、ここまでが私が書いたコメント⬆⬆⬆

上記のような落車の問題に関しても、

被害を被るのは、当の選手本人達であるにも関わらず、

「俺らが決めることじゃないから、

言われた中で走るしかないから」

と、思考停止で現状を受け入れてしまっている。

実際に走るのは、運営する人たちじゃなくで、

開催する施行者と業務委託契約を結んで走るあなた達ですよ!

そして、私が伝えたかった、

タイトルにも書いてあるとおり、

「なぜ彼らは1着賞金が数万円でも、命と引き換えに走るのか?」ですが、

競輪選手は概ね20歳過ぎで競輪選手養成所を卒業し、

プロの競輪選手としてデビューするわけですが、

デビューしたばかりの選手は皆、

自分の力がどこまで通用するのか、

最高峰のG1目指して必死に努力するぞ!と、

一攫千金を夢見て、太ももが焼け付くような激しいトレーンングを毎日行い、

全国各地の競輪場を巡りながら、激しいレースを繰り広げます。

しかしながら、そんな日々も、

5年、10年、15年、20年と続けば、

身体の衰えや、度重なる怪我によって、

若い頃は100%出ていた力が、

80%しか出ないようになり、

だんだん70%、60%と下がっていく中で、

若い選手と同じレースで戦うには、

そのギャップを埋めるために過度な精神状態で頑張り、

精神的にちょっとおかしくなる。

(そんな選手を私も何人も見てきたし、

選手の皆さんなら少なからず心あたりがあるはず)

もしくは

上位を目指す気力も萎え、

1着賞金が数万円のレースを生活のために走ることになる。

そして、気づけば40歳前後になり、

家族もできて、家のローンも残っている、

とにかく目の前の生活費を稼がなくてはいけないという、

ある種の視野狭窄ゾーンに入り、

大怪我で走れなくなればゲームオーバーという、

精神が安定しずらい環境ができあがる。

40代で引退したとしても、

キャリアチェンジどころか、

スキルや経験もないので、

ビジネスのスタート地点にすら立つことができないのが現実。

「なぜ1着賞金が数万円でも、命と引き換えに走るのか?」

というより、

「走らざるを得ない、走る以外選択肢がない」

という状況になる。

もちろん現役時代に上位数%の選手になることができれば、

スポットライトの当たる舞台で、

何千万、何百万という賞金をかけたレースを走ることができる。

しかし、そのレースを走ることができるのも

人生という長いスパンで考えればごく僅かな時間。

平均寿命がどんどん伸び続けている現代で

年金受給年齢、または残された寿命までの時間をどう過ごすかも非常に重要。

選手宿舎や食堂で他の選手の悪口大会をやってる場合ではなく、

排他的・閉鎖的な文化を変え、

人生の選択肢を増やせるような明るい競輪選手のモデルが増えていくといいなと

陰ながら遠いところからエールを送っている。