三谷船具店の主力製品はその養殖用のイケス網であり、お客様の大切な育成魚を管理する金庫としての役割を担っています。企画・設計・仕立て・その後のメンテナンスまで一貫して請け負っており、お客様の漁場環境に適した製品をすべて手作業で丁寧に仕立てています。また、その他にも定置網や漁業資材も扱っており、主な取引先は四国・九州と和歌山県になります。

今、世界人口は爆発的に増えています。1950年、25億人だった世界人口は現在76億人となり、今後も増加推移を辿り続け、今世紀中頃には100億人に達すると予測されています。人類が生きていくためには食糧が必要であり、水産物において人口増加に伴う食糧需給を支えてきたのは養殖産業です。2014年、世界における食用向け魚介類の養殖生産量が初めて天然漁獲量を上回ったことがそれを証明しています。また、人類にとって貴重なタンパク源である魚には人間の体内では生成されない必須アミノ酸が豊富にあり、血液中の中性脂肪やコレステロールの低下作用を持つ不飽和脂肪酸も含まれています。今後の人口増加に伴う健康的な食糧需給と天然漁獲による水産資源管理の観点から、養殖は人類の未来にとって最も有望な産業のひとつと言えます。

朝礼後、各持ち場に分かれて作業を分担しています。皆で作業に掛かるため、終業のタイミングも皆同じです。また、手作業だと集中出来る時間が限られているため、残業時間は長くありません。すべての工程をマスターするのには相応の年数が必要になりますが、今いる職人も元は未経験者であり、それは誰しも同じことです。

１．イケス網の仕立て 　（設計した図面を基に、網地やロープを手作業で結い合わせます。） ２．イケスのメンテナンス 　（お客様よりお預かりしたイケス網を点検し、傷んでいる箇所を修繕します。） ３．イケスの防汚加工作業 　（仕立て・メンテナンス完了後のイケス網を全国海水養魚協会認定の漁網防汚剤で染めます。）