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Kazuhisa Shibayama
次世代の金融インフラを築きたいという想いから起業。TECH::CAMP で一からプログラミングを学び、プロトタイプを製作した後、2015 年 4 月にウェルスナビ株式会社を設立し、6 月には IVSLaunch Pad に参加。現在は、本格的なサービス開始を目指して、駆け回る日々。 起業前は、2000 年に東大法学部を卒業後、財務省に 9 年間勤務。ハーバード大学にて金融取引法を学び、日英の財務省で予算、税制、金融、国際交渉に参画。退職後、INSEAD で金融工学を学ぶ。その後、マッキンゼーで、ウォール街に本拠を置く機関投資家をサポートし、10 兆円規模のリスク管理・資産運用プロジェク...
Masaki Inoue
社会人になってからずっとエンジニアをしています。 最初の10年は業務システムの開発、次の10年はグリーでコンシューマ向けのサービス開発に関わっていました。ウェルスナビは業務系とコンシューマ系が混在する環境なので、いままでの経験が活かせると思って入社しました。いまはサービス開発のプロマネをしています。WealthNaviは世の中に存在しない新しいサービス、、まさにゼロイチの状況なので、とことん考え抜かないといけないことが多いですが、自分たちの限界を決めず、チャレンジを楽しみながら働いてます。
ロボアドバイザーによる自動の資産運用サービスを提供する、私たちウェルスナビ。テクノロジーの力によって、課題を解決することに注力しています。
ところで、テクノロジーの力を最大限に発揮するためには、テクノロジーをよく知るエンジニアの存在が欠かせません。実際、ウェルスナビは、エンジニアドリブンの組織であることを強く意識してきました。
代表の柴山は、プログラミング経験はないままに起業を決意。プログラミング学校で猛勉強をして、1ヶ月あまりでプロトタイプを制作してから起業した過去を持ちます。
スタートアップの成長において、意識するべきともされている「エンジニアドリブン」なカルチャーは、一体どのようにして作られたのでしょうか。
今回は、ウェルスナビCEOの柴山と、創業初期から組織を作ってきたCTOの井上、LITALICOからCPOとしてジョインしたばかりの岸田の3名による座談会を開催。ゆるくもあり、本気で語る彼らの会話を覗いてみましょう。
非エンジニアが、エンジニアドリブンな会社の創業を決心するまで
柴山 「こう改めて座談会となると、どんなことから話したらいいのかわからなくなりますね。ウェルスナビのエンジニアカルチャーっていうと、井上さんが作ってくれた感覚があります。その井上さんとの出会いを思い出すと、『面接に来なくて帰ってしまった人』ってエピソードが強く印象に残っています(笑)」
井上
「そんなこともありましたね(笑)」
柴山 「当時、まだまだ人数が少なかった頃、サービス・ローンチに向けて急ピッチで採用するフェーズだったので、大きなオフィスを借りました。それで、扉が少し重ためだったらしくて、面接に来てくれた井上さんが入室できなかったのです。オフィスの90%くらいがフリースペースだったので、誰も気づきませんでした(笑)」
井上 「そういうのって縁だから、自分の場所はここではないと思ってすぐに帰宅しました。担当者の電話番号も知らなかったので、まあいいかと思って(笑)」
── 序盤から面白いエピソードをありがとうございます(笑)。本題に戻るんですが、ウェルスナビのエンジニアドリブンな組織カルチャーって、意図して生み出したものなのでしょうか?
柴山 「最初から考えていたわけではありません。いろいろなめぐり合わせがあって、気づいたらエンジニアドリブンなカルチャーになっていて、そのカルチャーをとても大切にしています。私がウェルスナビを創業しようと考えている話を、尊敬しているWantedlyのCTOの川崎さんに相談したことがありました。そしたら、財務省出身でマッキンゼーのキャリアだと大変だから、まずはプログラミングを勉強したほうが良いとアドバイスをくださって。私も、WantedlyのCEOの仲さんが自らコードを自分で書いてサービスを作っていたという話をウェブで読んだことがありました。ほかのCTOの方からも同じようなアドバイスを受けて、それらを真に受けて渋谷のTECH::CAMPでプログラミングを学び始めました。まあ、私の書いたコードは、後からジョインしてくれたエンジニアによって跡形もなく消されていますけれどね(笑)」
岸田 「すごいエピソードですよね。川崎さんの言葉がなかったら、ウェルスナビは生まれてなかったかもしれないわけですもんね」
柴山 「そうですね。TECH::CAMPには2015年の3〜4月にかけて通ったのですが、背水の陣で立ち向かわなければ頑張りきれないだろうと思って、マッキンゼーを退職してプログラミング漬けの毎日を過ごしていました。そのような実体験がウェルスナビの原点だからこそ、エンジニアドリブンな組織を目指していくようになりました」
── 創業してからの組織づくりはどんな風に行なっていたんですか?
柴山 「採用面では、まず世の中での認知を広めることから始めました。当時は自動の資産運用サービスなんてできっこないと言われていたので、なんとか資金調達まで漕ぎ着けたら、日経新聞でニュースになったんです。とにかく、スタートアップで仲間を集めるには、「旗を立てる」ことが大切です」
井上
「私自身、当時はグリーで働いていたのですが、なんとなく事業に興味があると思って面接に来たことを覚えています。まあ最初の印象は縁がない、だったのですが、別日に面接の機会をもらって話を聞いたら、とにかく面白くて。
富裕層が使う資産運用のアルゴリズムって言葉にも興味が湧いたし、私がこれまで見てきた経営者ともどこか違うわけです。私にとっては、財務省からマッキンゼーのキャリアを持つ経営者は新鮮でした。
しかもそんな人が、プロダクトを作ろうとしていると。転職にあたって、さまざまな企業からお声がけはいただいていたのですが、ウェルスナビほど実現が難しい反面、実現後に世の中に与えるインパクトが大きそうなビジネスはないと確信したのでジョインを決めましたね。当時は、興味と不安が共存しているような感覚でした」
柴山 「当時はフィンテックって言葉すら知らなかったですからね。無我夢中で事業を立ち上げていたら、いつの間にかフィンテックと呼ばれるようになっていました」
井上 「周囲にすごく心配されましたよ。だから、当時たまたまウェルスナビが掲載されていた雑誌の『ダイヤモンド』を買って、ちゃんとした企業であることをアピールしていました(笑)。本当に日本の役に立つサービスだと言える自信があったから、今しかないと思って飛び込めたのだと思います」
優秀な人材の集まる環境が、CTOを生み出していく
柴山 「日本の資産運用は、欧米より30年遅れていると言われています。日本の金融サービスを欧米並みにしようと取り組んだのが1996年からの「金融ビッグバン」ですが、「失われた20年」によって、欧米との差はむしろ広がる一方でした。この遅れを一気に取り戻す方法はテクノロジーしかありません。国内外の金融の仕組みや規制のことをよく知る自分と、井上さんみたいにテクノロジーをよく知る人がいるならと、テクノロジーのことは全部おまかせしていました」
井上 「最初はたしか、プロダクト開発ディレクターってポジションだった気がします。ただ、人も少なかったので、PMの仕事もテストエンジニアの仕事も担当していました」
柴山 「実は、井上さんが入ってくれたとき、すでにCTOとして迎え入れることは決めていたのですが、社内の誰にも伝えていませんでした。組織がどうなるのか気になっていたのです。実際のところは、社内でも特に優秀なエンジニアたちが瞬く間に井上さんを信頼してCTOに押し上げていった。エンジニアの世界はフェアだなと感心しました」
井上 「経営とテクノロジーとのバランスを取れる人材が当時は少なかったですからね。スタートアップの創業期を知っている身としても、経営層とエンジニアとの間に立つことが多かったことが理由だと思います」
柴山 「エンジニアは、当時から企画から携わっていましたよね。プランナーを置いていなかったらエンジニアが企画して設計して、金融の知識のあるメンバーとディスカッションして詰めていく様子が印象的でした」
岸田
「BizDev的なメンバーも採用していなかったんですか?」
柴山 「意図的に避けていました。あまりにもカルチャーが違いすぎるから、馴染むのが難しいだろうと思ったのです。マッキンゼーのコンサルタントとして経験を積むと、プロジェクトの規模感を把握する感覚が研ぎ澄まされます。「これくらいのプロジェクトなら3ヶ月」みたいな。ところが、このビジネスの感覚が開発の世界だと全く当たらないんです。そのことを、自分でプログラミングを学んだ時に、嫌というほど痛感しました」
岸田 「なるほど。僕も、たぶんビジネス側と開発側が明確に分かれている組織だったら、今入社していないですね。スタートアップでの開発って、世の中に無いものを生み出す世界なので、理屈通りにいかないし、想像した通りにことが進むなんて、本当に少ないですから」
── 岸田さんはどのタイミングでウェルスナビにジョインしたんですか?
岸田 「僕は、LITALICOのCTOだった頃から、若手を育てて、後進に道を譲ろうと思っていたんです。そのほうが組織の成長にとっていいなと思っていて。具体的なタイミングは決めていなかったのですが、若手がすごい速さで成長してきていて、自分ももっと成長しないとヤバイなと思い始めていたところ、昨年の夏から秋にかけてお誘いをいただく機会がすごく増えていて。もしかしたら今がそのときなのかもしれないなと。LITALICOでゼロイチの組織作りをたくさん経験していたので、次は一流のメンバーとサービスが揃った場所で新しいチャレンジがしたいと思ったんです」
スタートアップ2周目の精鋭が集まる環境
柴山
「ウェルスナビを2016年7月に正式リリースして、翌月に積立サービスをリリースしました。そうしたら、また翌月には金融庁が長期・積立・分散の有効性を強調するレポートを出しました。
当時、その領域にフォーカスしている企業がほかにはなかったので、社会的なニーズもあってグロースできました。当時も今も、テクノロジーを最大限活用して社会的なニーズを満たすことが、サービスを成長させる上で大切だと思っています。
日本にはそもそも資産運用に関するノウハウが蓄積されていません。だから、アプリを開発する上では、海外の傾向を照らし合わせながらニーズを形にしていかなければならない。世界水準を志向しつつ、日本人に合わせて微調整する必要があり、難しいところです」
岸田 「技術はいろいろあれど、テクノロジーの強みは、優れた誰かのノウハウをより多くの人に届けることですからね。最近話題のAIなどもそういった文脈の物も多いですよね。ウェルスナビなら、柴山さんのノウハウをアプリに落とし込んでいる。そのノウハウがスマートフォンで、お客さまの手のひらに届けることができる。そのプロセスそのものがとても面白いし、チャレンジしがいがあります」
── これからの組織の作り方って、なにか展望はありますか?
井上 「エンジニアドリブンの風土は維持したいですね。企画を考えシステムに落とし込むまで、エンジニアが担える組織でありたいです。うちのエンジニアには、作れるだけではなく考えられる人になってもらいたいと思っています。本当に自分たちの仕事が役に立っているのか、常に考え続けながら開発に取り組んでほしいです」
岸田 「この領域は、個人が120%の実力を出さないと勝てないんですよね。だから、役割って形で定型化しにくい。あまりカチッと組織化せず、個々人の強みを活かせる範囲で一定の属人化を残すことも大事だなと思っていて。とにかく人がたくさんいれば良いサービスになるわけではなくて、各々の強みがサービスの強みになる。そんな考え方で進めていますね。偶発的なアイデアをお互いに出し合える組織だからこそ、革新が生まれていくのだと思います。いい意味で、今のプロダクトは今のチームでしか作れない。そんなチームを作っていきたいと思っています」
柴山
「ウェルスナビのような、ものづくりする金融機関というのは、世界中を見渡してみてもユニークな存在です。金融機関がシステムを自社で作るのは本当に大変です。ですが、日常で使うサービスであればあるほど、グロースの機会はあるし、ユーザーの期待値が高まってきます。
だから、あえて困難に挑戦してでもエンジニアドリブンの金融機関を作っていきたいし、そうでないと意味がないんです。時代がちょうど求めているサービスだから挑戦できて、応援してもらえる環境もありますから」
岸田
「ウェルスナビは、今まで在籍していた企業に比べて、長期的な目線で開発を進められる環境なのでお客様の本質的な課題に向き合いやすいサービスです。また、一度スタートアップで働いたことのあるメンバーが多いので、みんなが議論のスタートラインが高い印象です。
エンジニアが多いので、いろいろ話が早く、なんでもかんでもパワーで解決するのではなく、頭を使うところと手を動かすところのバランスを取れていると言いますか。力の入れどころをわかっているメンバーが多いんでしょうね。
メディアや金融など様々な領域でエンジニアとしてキャリアを積んだ後、社会課題を解決したいという思いの多くのエンジニアが在籍しています。そういった仲間とアプローチできるからこその面白味も十分にあると思っています」
ロボアドバイザーによる自動の資産運用サービスを提供する、私たちウェルスナビ。テクノロジーの力によって、課題を解決することに注力しています。
ところで、テクノロジーの力を最大限に発揮するためには、テクノロジーをよく知るエンジニアの存在が欠かせません。実際、ウェルスナビは、エンジニアドリブンの組織であることを強く意識してきました。
代表の柴山は、プログラミング経験はないままに起業を決意。プログラミング学校で猛勉強をして、1ヶ月あまりでプロトタイプを制作してから起業した過去を持ちます。
スタートアップの成長において、意識するべきともされている「エンジニアドリブン」なカルチャーは、一体どのようにして作られたのでしょうか。
今回は、ウェルスナビCEOの柴山と、創業初期から組織を作ってきたCTOの井上、LITALICOからCPOとしてジョインしたばかりの岸田の3名による座談会を開催。ゆるくもあり、本気で語る彼らの会話を覗いてみましょう。
非エンジニアが、エンジニアドリブンな会社の創業を決心するまで
柴山 「こう改めて座談会となると、どんなことから話したらいいのかわからなくなりますね。ウェルスナビのエンジニアカルチャーっていうと、井上さんが作ってくれた感覚があります。その井上さんとの出会いを思い出すと、『面接に来なくて帰ってしまった人』ってエピソードが強く印象に残っています(笑)」
井上
「そんなこともありましたね(笑)」
柴山 「当時、まだまだ人数が少なかった頃、サービス・ローンチに向けて急ピッチで採用するフェーズだったので、大きなオフィスを借りました。それで、扉が少し重ためだったらしくて、面接に来てくれた井上さんが入室できなかったのです。オフィスの90%くらいがフリースペースだったので、誰も気づきませんでした(笑)」
井上 「そういうのって縁だから、自分の場所はここではないと思ってすぐに帰宅しました。担当者の電話番号も知らなかったので、まあいいかと思って(笑)」
── 序盤から面白いエピソードをありがとうございます(笑)。本題に戻るんですが、ウェルスナビのエンジニアドリブンな組織カルチャーって、意図して生み出したものなのでしょうか?
柴山 「最初から考えていたわけではありません。いろいろなめぐり合わせがあって、気づいたらエンジニアドリブンなカルチャーになっていて、そのカルチャーをとても大切にしています。私がウェルスナビを創業しようと考えている話を、尊敬しているWantedlyのCTOの川崎さんに相談したことがありました。そしたら、財務省出身でマッキンゼーのキャリアだと大変だから、まずはプログラミングを勉強したほうが良いとアドバイスをくださって。私も、WantedlyのCEOの仲さんが自らコードを自分で書いてサービスを作っていたという話をウェブで読んだことがありました。ほかのCTOの方からも同じようなアドバイスを受けて、それらを真に受けて渋谷のTECH::CAMPでプログラミングを学び始めました。まあ、私の書いたコードは、後からジョインしてくれたエンジニアによって跡形もなく消されていますけれどね(笑)」
岸田 「すごいエピソードですよね。川崎さんの言葉がなかったら、ウェルスナビは生まれてなかったかもしれないわけですもんね」
柴山 「そうですね。TECH::CAMPには2015年の3〜4月にかけて通ったのですが、背水の陣で立ち向かわなければ頑張りきれないだろうと思って、マッキンゼーを退職してプログラミング漬けの毎日を過ごしていました。そのような実体験がウェルスナビの原点だからこそ、エンジニアドリブンな組織を目指していくようになりました」
── 創業してからの組織づくりはどんな風に行なっていたんですか?
柴山 「採用面では、まず世の中での認知を広めることから始めました。当時は自動の資産運用サービスなんてできっこないと言われていたので、なんとか資金調達まで漕ぎ着けたら、日経新聞でニュースになったんです。とにかく、スタートアップで仲間を集めるには、「旗を立てる」ことが大切です」
井上
「私自身、当時はグリーで働いていたのですが、なんとなく事業に興味があると思って面接に来たことを覚えています。まあ最初の印象は縁がない、だったのですが、別日に面接の機会をもらって話を聞いたら、とにかく面白くて。
富裕層が使う資産運用のアルゴリズムって言葉にも興味が湧いたし、私がこれまで見てきた経営者ともどこか違うわけです。私にとっては、財務省からマッキンゼーのキャリアを持つ経営者は新鮮でした。
しかもそんな人が、プロダクトを作ろうとしていると。転職にあたって、さまざまな企業からお声がけはいただいていたのですが、ウェルスナビほど実現が難しい反面、実現後に世の中に与えるインパクトが大きそうなビジネスはないと確信したのでジョインを決めましたね。当時は、興味と不安が共存しているような感覚でした」
柴山 「当時はフィンテックって言葉すら知らなかったですからね。無我夢中で事業を立ち上げていたら、いつの間にかフィンテックと呼ばれるようになっていました」
井上 「周囲にすごく心配されましたよ。だから、当時たまたまウェルスナビが掲載されていた雑誌の『ダイヤモンド』を買って、ちゃんとした企業であることをアピールしていました(笑)。本当に日本の役に立つサービスだと言える自信があったから、今しかないと思って飛び込めたのだと思います」
優秀な人材の集まる環境が、CTOを生み出していく
柴山 「日本の資産運用は、欧米より30年遅れていると言われています。日本の金融サービスを欧米並みにしようと取り組んだのが1996年からの「金融ビッグバン」ですが、「失われた20年」によって、欧米との差はむしろ広がる一方でした。この遅れを一気に取り戻す方法はテクノロジーしかありません。国内外の金融の仕組みや規制のことをよく知る自分と、井上さんみたいにテクノロジーをよく知る人がいるならと、テクノロジーのことは全部おまかせしていました」
井上 「最初はたしか、プロダクト開発ディレクターってポジションだった気がします。ただ、人も少なかったので、PMの仕事もテストエンジニアの仕事も担当していました」
柴山 「実は、井上さんが入ってくれたとき、すでにCTOとして迎え入れることは決めていたのですが、社内の誰にも伝えていませんでした。組織がどうなるのか気になっていたのです。実際のところは、社内でも特に優秀なエンジニアたちが瞬く間に井上さんを信頼してCTOに押し上げていった。エンジニアの世界はフェアだなと感心しました」
井上 「経営とテクノロジーとのバランスを取れる人材が当時は少なかったですからね。スタートアップの創業期を知っている身としても、経営層とエンジニアとの間に立つことが多かったことが理由だと思います」
柴山 「エンジニアは、当時から企画から携わっていましたよね。プランナーを置いていなかったらエンジニアが企画して設計して、金融の知識のあるメンバーとディスカッションして詰めていく様子が印象的でした」
岸田
「BizDev的なメンバーも採用していなかったんですか?」
柴山 「意図的に避けていました。あまりにもカルチャーが違いすぎるから、馴染むのが難しいだろうと思ったのです。マッキンゼーのコンサルタントとして経験を積むと、プロジェクトの規模感を把握する感覚が研ぎ澄まされます。「これくらいのプロジェクトなら3ヶ月」みたいな。ところが、このビジネスの感覚が開発の世界だと全く当たらないんです。そのことを、自分でプログラミングを学んだ時に、嫌というほど痛感しました」
岸田 「なるほど。僕も、たぶんビジネス側と開発側が明確に分かれている組織だったら、今入社していないですね。スタートアップでの開発って、世の中に無いものを生み出す世界なので、理屈通りにいかないし、想像した通りにことが進むなんて、本当に少ないですから」
── 岸田さんはどのタイミングでウェルスナビにジョインしたんですか?
岸田 「僕は、LITALICOのCTOだった頃から、若手を育てて、後進に道を譲ろうと思っていたんです。そのほうが組織の成長にとっていいなと思っていて。具体的なタイミングは決めていなかったのですが、若手がすごい速さで成長してきていて、自分ももっと成長しないとヤバイなと思い始めていたところ、昨年の夏から秋にかけてお誘いをいただく機会がすごく増えていて。もしかしたら今がそのときなのかもしれないなと。LITALICOでゼロイチの組織作りをたくさん経験していたので、次は一流のメンバーとサービスが揃った場所で新しいチャレンジがしたいと思ったんです」
スタートアップ2周目の精鋭が集まる環境
柴山
「ウェルスナビを2016年7月に正式リリースして、翌月に積立サービスをリリースしました。そうしたら、また翌月には金融庁が長期・積立・分散の有効性を強調するレポートを出しました。
当時、その領域にフォーカスしている企業がほかにはなかったので、社会的なニーズもあってグロースできました。当時も今も、テクノロジーを最大限活用して社会的なニーズを満たすことが、サービスを成長させる上で大切だと思っています。
日本にはそもそも資産運用に関するノウハウが蓄積されていません。だから、アプリを開発する上では、海外の傾向を照らし合わせながらニーズを形にしていかなければならない。世界水準を志向しつつ、日本人に合わせて微調整する必要があり、難しいところです」
岸田 「技術はいろいろあれど、テクノロジーの強みは、優れた誰かのノウハウをより多くの人に届けることですからね。最近話題のAIなどもそういった文脈の物も多いですよね。ウェルスナビなら、柴山さんのノウハウをアプリに落とし込んでいる。そのノウハウがスマートフォンで、お客さまの手のひらに届けることができる。そのプロセスそのものがとても面白いし、チャレンジしがいがあります」
── これからの組織の作り方って、なにか展望はありますか?
井上 「エンジニアドリブンの風土は維持したいですね。企画を考えシステムに落とし込むまで、エンジニアが担える組織でありたいです。うちのエンジニアには、作れるだけではなく考えられる人になってもらいたいと思っています。本当に自分たちの仕事が役に立っているのか、常に考え続けながら開発に取り組んでほしいです」
岸田 「この領域は、個人が120%の実力を出さないと勝てないんですよね。だから、役割って形で定型化しにくい。あまりカチッと組織化せず、個々人の強みを活かせる範囲で一定の属人化を残すことも大事だなと思っていて。とにかく人がたくさんいれば良いサービスになるわけではなくて、各々の強みがサービスの強みになる。そんな考え方で進めていますね。偶発的なアイデアをお互いに出し合える組織だからこそ、革新が生まれていくのだと思います。いい意味で、今のプロダクトは今のチームでしか作れない。そんなチームを作っていきたいと思っています」
柴山
「ウェルスナビのような、ものづくりする金融機関というのは、世界中を見渡してみてもユニークな存在です。金融機関がシステムを自社で作るのは本当に大変です。ですが、日常で使うサービスであればあるほど、グロースの機会はあるし、ユーザーの期待値が高まってきます。
だから、あえて困難に挑戦してでもエンジニアドリブンの金融機関を作っていきたいし、そうでないと意味がないんです。時代がちょうど求めているサービスだから挑戦できて、応援してもらえる環境もありますから」
岸田
「ウェルスナビは、今まで在籍していた企業に比べて、長期的な目線で開発を進められる環境なのでお客様の本質的な課題に向き合いやすいサービスです。また、一度スタートアップで働いたことのあるメンバーが多いので、みんなが議論のスタートラインが高い印象です。
エンジニアが多いので、いろいろ話が早く、なんでもかんでもパワーで解決するのではなく、頭を使うところと手を動かすところのバランスを取れていると言いますか。力の入れどころをわかっているメンバーが多いんでしょうね。
メディアや金融など様々な領域でエンジニアとしてキャリアを積んだ後、社会課題を解決したいという思いの多くのエンジニアが在籍しています。そういった仲間とアプローチできるからこその面白味も十分にあると思っています」
iOS
Android
言語:Swift
CI:Bitrise
その他:Firebase,Sketch
言語:Kotlin, Java
CI:Bitrise
その他:Firebase,Sketch
バックエンド
インフラ
サーバサイド:Java, Kotlin(SpringBoot, etc.)
CI:Jenkins, Bitbucket Pipelines
AWSをフル活用(EC2, ECS, Aurora, Lambda, API Gateway.etc)
言語:Go, Python, PowerShell
モニタリング:DataDog, PagerDuty, Fluentd
BI:Google BigQuery,Tableau
その他
チャットツール:Slack
バージョン管理:Bitbucket
プロジェクト管理:Jira,Trello
会社情報
2015/04に設立
160人のメンバー
東京都渋谷区渋谷2-17-5 シオノギ渋谷ビル12F