----------
★「スマホで繋がる水産市場“UUUOウーオ”」を展開
----------
水産業者間で日本各地の水産物の売買をインターネット上で行えるサービス「UUUO(ウーオ)」を運営しています。
水産業者とは、地方卸売、地方仲卸、中央卸売、中央仲卸の全てに該当するプレーヤーのことで、同サービスを利用することができます。
固い「商流」にとらわれずに、例えば中央仲卸業者がUUUOを利用しており、商流を経て購入する水産物と比較して安価に水産物を得ることができます。
具体的には、
・産地漁港で水揚げされた水産物をセリの45分前にUUUOに掲載
・他水産業社はほしい水産物をセリ開始までにUUUO上で申請を上げる
・その水産物をUUUO側がセリで確保する
という流れがあります。
UUUOは、
「水産業者限定B2Bのマーケットプレイス」
「スマホでつながる水産市場”UUUO”」
などと呼ばれています。
----------
★日本の水産業の流れと問題点
----------
日本の水産業は世界と比較して非常に「特殊」です。漁師が水産物を水揚げをしてから消費者の手に届くまで、なんと「5つ」の商流があり、且つ一方方向です。卸売市場は戦後にできた、と言われており、100年以上の歴史があるのですが古い体質を引きずっています。
地方卸売(漁港併設) ⇒ 地方仲買 ⇒ 中央卸売(例:築地市場) ⇒ 中央仲卸 ⇒ 小売店 ⇒ 消費者
という流れになっています。具体的な説明をすると、
(1)地方卸売
市町村あるいは民間企業が都道府県知事の許可を受けて開設する卸売市場です。漁港と併設されている場合が多く、セリも実施しています。
↓
(2)地方仲買
地方卸売で、卸売業者から生鮮食料品などを買い、中央市場内の店舗で販売するところ。
↓
(3)中央卸売
地方公共団体が開設している卸売市場。築地市場がこれに当たります。セリも実施しています。
※地方卸売との違いといては、地方公共団体しか開設できない中央卸売市場に対し、民間事業者でも開設できるのが、地方卸売市場。中央卸売市場は地方卸売市場より取引にかかる規制が多いのが特徴です。
↓
(4)中央仲卸
中央卸売で、卸売業者から生鮮食料品などを買い、小売商や飲食店などに市場内の店舗で販売する者
↓
(5)小売店
スーパーマーケットなどの小売店で消費者が購入することができます。
漁師が水産物を水揚げしてからこの商流を経て我々消費者の元に渡ります。
仲介業者が多いことによるデメリットの1つはやはり「仲介料金」です。上記のaの販売額とeの販売額はなんと「2.5倍」程度の価格差があると言われています。どの業界も仲介業者が多くなっている問題点は見受けられますが、水産業もその問題は発生しています。固定化された流通経路こそが、解決すべき根本的課題となっています。それが故にUUUOが注目を浴びています。
----------
★日本の水産業を5つの数字で見てみる
----------
(1)22.2万人→16.6万人
直近10年の「漁業従事者」の推移です。26%少なくなっています。
(2)445万トン→354万トン
直近10年の「漁獲量」の推移です。21%少なくなっています。
(3)1.6兆円→1.59兆円
直近10年の「漁獲消費額」の推移です。ほぼ変わっていません。
(4)56.4歳
漁業従事者の平均年齢。
(5)200〜300万円
漁業従事者の平均年収。
上記からわかるように、
・漁業従事者に比例して漁獲量は減少
・ただ消費額は変わらず
・平均年齢は高く、平均年収は低め。
という状況になります。
漁獲量単位の金額(消費額)は間違いなく高騰しており、消費者に影響が出ているのは間違いなく、且つ漁業従事者の周辺状況から、水産業界はITの力で変革する必要性があります。