1
/
5

Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

Company

日本のエネルギーの未来をつくる

電力自由化の未来をみながら、日本の電力自由化のスタンダードをつくる

ENECHANGE株式会社

2015/10/02

「『電気料金を比較して診断するんですよ』って聞くと、小さなことに感じるかもしれないけれど、日本全体の電気代が10パーセント削減できたら、どんなことが起きるんだろうっていう想像力をもってほしいんです。電力自由化後に、一家族が年間の10%、だいたい1万円の電気代を浮かせたら、それを別のものに使えますよね。そしたら、欲しかったものが買えたり、いろんな産業が発展したりしてハッピーじゃないですか。そういうところまで想像してくれる人と出会いたいな。」

2016年の春からはじまる、「電力小売全面自由化」。これまで、地域ごとに独占されていたり、大きなビルや工場でしか選ぶことができなかった電力会社が、一般の家庭でも自由に選べるようになります。日本においてエネルギーに対する意識が変わる、大きな転換点です。

東京・錦糸町。駅を降りて、スカイツリーのみえる方面に歩いていく。ビジネス街、下町の雰囲気が混ざり合っていて、途中にある大きな公園では、子供たちがかけまわっています。

5分ほど歩くと、様々な企業の入ったオフィスビルに到着。ここにエネチェンジのオフィスがあります。

広々としたスペースで、年齢もバックグラウンドもさまざまなスタッフが、同じフロアで一緒に仕事をしています。

簡単・公正・自由。そんな電力自由化を日本に根付かせたい

迎えてくれたのは、プロダクトの開発などをしているCTOの白木さん。

「電力自由化が、やっと半年前に近づいてきて、身が引き締ってきました。ようやく僕たちが、なにをどういう文脈で提示していくべきか、どういう戦い方をするかとか、どんどん形になってきているので、すごくエキサイティングですね。」

白木さんは、SONYで開発者として働いたのち、エネチェンジの前身となる会社に勤務し、エネチェンジの立ち上げから関わってきた方。

「『エネチェンジ電気料金比較』とは、月の電気代などの簡単な質問に答えるだけで、今の生活スタイルにあった電気料金プランを診断し、新しいプランへの変更の手続きまでを案内してくれるサービス。電力会社や電気料金のプランを選ぶことが常識になるように、自分にあったプランを、直感的に選べる仕組みをつくっています。」

エネチェンジの前身となったのが、イギリスにあるCambridge Energy Data Labという会社。電力自由化の先進国で、電力やデータ解析をもちいて、インパクトのあるプロダクトを開発してきました。

「イギリスでは、電力自由化後の世界がごく普通に広がってるんですよ。もちろん電気料金プランを比較するサービスもありました。自分のプロフィールをいれるとプランがランキング形式ででてきて、あとは名前と住所をパパッといれるだけ。そのあと新しい電力会社から電話が一本きて終わりなんです。実際使ってみるとすごい面白いな、こんな世界があるんだって、ものすごい感動して。」

今は完全にCambridge Energy Data Labから独立しているのだけど、情報交換や、システムの開発などのやりとりをしているそうだ。

白木さんはどうしてエネチェンジに参加したのでしょうか。

「前の会社がSONYで、ざっくりと大企業じゃないですか。開発者としてやってたんですけど、自分がなにをつくってるのかわからなくなってきて。もともと自分でものをつくるのが好きだったので、タイミングよく立ち上げの話を聞いて、面白そうって思ったっていうのがありますね。」

エネチェンジが立ち上がって1年4ヶ月。その中で大変だったことなどありますか。

「僕たちは、日本で電力自由化の認知があまりないころからはじめてるので、ユーザーがなにを求めているのか、わかりにくかったですね。そこは今でも苦労してます。」

例えばテレビを買う人は、画質やサイズなど、選ぶ基準がある。けれど、電力はどの会社を選んでも、電気そのものの質は同じ。どこで差別化し、ユーザーにどう価値を伝えたら響くのか、見えにくかったそう。

実際にエネチェンジの診断サービスをつかってみると、いくつかの簡単な質問の後、お得な料金プランが順番に表示されます。プランごとに『朝まとめて家事をする人におすすめ』、『オール電化の家におすすめ』など、わかりやすく価値付けもされている。どこかの電力会社をプッシュするということはなく、中立な立場からおすすめしてくれたのが印象的でした。

「基本的には中立な立場です。どこかをプッシュすることはまったくないですね。いろんな電力会社をフルのラインナップで、公正に、順番に。ユーザーさん一人ひとりにとって、一番お得なプランを提示していくっていう形です。」

「自由に選べることが一番だと思うんです。けど、ぼくらがいないと、自由に選べないんですよね。結局ダイレクトメールやハガキが届いてて、『なんかよくわからんけど、ここにするか』ってなっちゃうんです。ブロードバンドとかでも、どこがいいのかわかりますかっていわれても、わかんないんですよね。僕とかネットに詳しい人でもめちゃくちゃ調べないとわかんない。そうなると適当に選ぶだけになって、本当の意味での自由化にはならないと思うんです。僕らが公正に真ん中に入ることで、本当に自由化ができるかなって。」

比較ではなく診断、電力自由化そのものをデザインする

エネチェンジのリードデザイナーをしながらコラムなどの編集をしている草間さんにも話をうかがいます。草間さんは、これまで10年ほど受託のWebデザイナーをしてきた方。サイトや文章など、目に見えるものはほぼ草間さんがデザイン、編集しています。この日は足袋を履いていて、個性的な服装が印象的でした。

「電気って、形がないものを売るわけですよ。それも自分たちで新たな価値をゼロからっていうより、クライアント企業のつくるものを価値付けして、かつ、それをわかりやすくするっていう、デザインの中でもなかなか難しいところ。」

だからこそ、サイトに書かれている文章や見た目の印象はそのままエネチェンジの印象になるし、しいては、電力自由化のイメージにまで及んでいくのだと思う。

「電力自由化そのものをデザインする。そのくらいのインパクトがあるものをつくるって考えてます。値段だけで選ぶ結果として、結局安いものを提供できるところだけが生き残るのか、全然違う価値をもたらせる企業が出てきたら、そことユーザーが自然に出会う仕組みをどうつくるかとか。電力自由化がはじまった1年後でさえ僕もまだ想像ができてないんですけど、そのタイミングはそのタイミングできっと面白いんだろうな。チャレンジです。」

草間さんは、どうしてエネチェンジに?

「世にもまれなんですけど、電気オタクのデザイナーなんです。この仕事をやれるのは、僕以外でいるのかなって(笑)。」

まさにピンポイントで。現在メンバーは15名。これまでは、電力に想いをもっているかどうかを重視し、本当に会社のことを理解してくれる人と出会うことを大切にしてきたそう。そのため、資金調達などをしてもあえて露出をおさえてきたのだそう。

「エネチェンジって、1ヶ月の電気代を入れたら、1年間の電気代を正確に予想して出せるんですね。それは12ヶ月分をただ掛けてるだけじゃなくて、複雑なことをいろいろやってるんです。そもそも値段からキロワットへ正確に直すのがめちゃくちゃ難しくて。そのためにケンブリッジの開発者が1年間日本の電気事情を必死に勉強してつくってるんですよ。他ではつくれないような診断システムを、しれっと出してます。すごいところだなって思います。」

これからは共感していることももちろんだけれど、それぞれのポジションのプロフェッショナルと働きたいと考えているそうです。どんな人だと楽しんで働けるんだろう。

「このジャンル、仕事でやったことはないけど、自信はあってやれるかもみたいな、エネチェンジには行ったら、こういうことできる!っていうところを心に持ってこれるとすごくやりやすんだろうなって思っていてある程度自分がどう活躍するかをイメージできる人が動きやすいんじゃないかな。待ち仕事でやってくっていう人は難しいかもしれません。」

なにか可能性を感じたら、小さくつくってみて、リリースして、成長の可能性をみたら、徐々にリソースをつぎこんでいくという企業文化があるそう。

仕事の自由度が高く、フラットな職場環境で、自分のつくっているものが人にどう届くのか、人の生活がどう変わっていくのか。反応や数字をしっかりとみながらデザインしたり、文章を通して伝えている職場でした。

興味のある方は、ぜひ話を聞きに行ってみてください。

採用情報はこちら

Interviewee Profiles

白木 敦夫
エンジニア
名古屋大学工学部情報工学科卒、東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。在学中は自然言語処理・テキストマイニングを中心に機械学習技術を修める傍ら、日本初のクラウドファンディングReadyforの立ち上げに参画。 ソニー株式会社でクラウド技術開発に携わった後、ケンブリッジ・エナジー・データ・ラボ社、及びエネチェンジ株式会社でCTOとしてWebアプリケーションから機械学習まで技術領域全般を担当。
もっと見る
草間 翔太
クリエイティブ・ディレクター, ENECHANGE株式会社
「さわれるもの全部、デザインの視点で取り組む」を旗印に、日本のエネルギー業界の転換点をしっかり支えるプロダクトを生み出そうと日夜奮闘中。 工場・発電所などの見学が好物。竹製、リカンベント、ペダーセンなどのヘンテコ自転車コレクターとしての一面も。
もっと見る
  • Written by

    Wantedly編集部

NEXT