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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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日本の魅力に気づき「星野リゾート」へ。入社1ヶ月の新人が語る「働きやすく、燃えやすい職場」の理由とは

「ドラマ」「シンガポール旅行」をきっかけに夢を追い続けた名取さんと「星のや東京」のこれから

株式会社星野リゾート・マネジメント

2016/07/19

7月20日に開業を控える宿泊施設「星のや東京」。その準備に打ち込む、株式会社星野リゾートの名取 菜穂(なとり なほ)さんにお話を伺っています。

前編▶寄り道した法律事務所での経験もすべて活かす ―「注目の日本旅館で働く」を掴んだ新人社員の奮闘記

取材時、入社1ヶ月目を迎えたばかりの名取さんでしたが「新施設の開業」という大仕事を、その一員としてしっかりとこなす姿がそこにはありました。「ひとつひとつ目に見えて形になっていくのが毎日うれしい」、そう語る名取さん。長年の夢を叶えるため、着実に努力と経験を積み重ねてきた彼女らしい「仕事の楽しみ方」です。

きっかけは海外ドラマとシンガポール旅行

中学生のころから興味を持ち始めたというホテル業務。人生を左右する「大きな目標」が生まれる最初のきっかけとなったのは、意外にもあの海外ドラマなんだとか。

「中学生のころ、海外ドラマの『アリー my love』にハマってしまって (笑) そこから海外ので働くということに興味を持ったんですよね。実際に英語の勉強もすごく楽しくて、別の国の人と話をすることができるということに面白さを感じていました。英語を使ってできる仕事ってどんなものがあるだろう、と考える中で『ホテル』という選択肢ができたんです」

ドラマへの憧れが、名取さんの世界を海外へと広げたのだと言います。ちなみに『アリー my love』は、ボストンの法律事務所で働く女性弁護士・アリーを取り巻く恋愛模様や、弁護士としての活躍を描いたコメディドラマ。前編で紹介した留学資金の稼ぎ先として名取さんが選んだ法律事務所も、実はこんなところとリンクしています。

ー そこから、具体的な夢となったのはもっと先ですか?

「いえ、それがちょうど同じころに、はじめて家族で海外旅行に行ったんです。シンガポールのホテルに1週間滞在したのですが、最後はホテルの方も顔を覚えてくれていたりして。短い期間ではありますけど、どんどん『自宅』みたいにくつろげる空間になっていくのが、すごく面白かったんですよ。それに、ちょうど日本人女性がフロントで働いていらして。私も海外で働くことに興味を持っていましたから、いろいろと仕事の話を聞いたんです。それがすごく楽しくて。海外のホテルで働くということに『ああ、こういう道っていいな』と思いましたね」

誰かの人生の「重要なシーン」に関わること

しかしそのころの自身の興味を、名取さんは「とても表面的だった」と振り返ります。

「中学生のころに憧れていたのは、ピシッとユニフォーム着こなして英語を喋る“ザ・ホテルマン”みたいな姿だったんです。またドラマの話になってしまいますが、『ホテル』という日本ドラマも流行っていましたから、その影響もありましたね (笑) 最初は表面的な憧れから入ったんだと思います。本当のホテルや旅館で働く喜びについては、仕事に就いてようやくわかったのかもしれないですね」

ー 実際の「喜び」とはどんなものですか?

「旅行って、それこそ私のように、その出会いで人生の方向が決まってしまうようなドラマティックなことが起きたりするんですよね。ハネムーンや記念日にいらっしゃることも多いですし、お誕生日のお祝いということもあります。普通に暮らしていれば、関わることのなかったであろう人の重要なシーンだったり、人生の『ドラマティック』で『貴重な出来事』に、ほんのちょっとでも関わることができるというのは、すごく面白いことだと思うんですよ」

「あとは、チームワークで成り立っているものなので、仲間とのフィーリングがバシッと合って上手く前に進んでいくときはすごく楽しいですね。仲間とそういう仕事をできることが」

夢を現実にする中で、生まれる発見。準備中の旅館同様、ひとつひとつ名取さんの中で見えてくるものがあるのでした。

東京に戻って知った「日本の良さ」

ー ドバイのホテルでのインターンを終え日本に戻られましたが、また海外のホテルで働きたいという思いはなかったのですか?

「そうですね。『一時帰国』ぐらいの気持ちではあったのですが、自分の中で変化があったんです。今年の1月末で日本でのコンサルのインターンを終了させたのですが、いちばん大きな変化は『日本でやっていきたい』と強く思うようになったことでした。『日本の観光』にとても可能性を感じましたし、改めて魅力に気づくことも多かったんですよ。留学などで海外経験も多かったですし、日本にいる間も高校・大学ともに語学系の学校でしたから、自分のルーツとして『日本人』『日本文化』というものを、あまり突き詰めずに来てしまっていたので、海外でもうまく日本について説明ができずにもどかしい思いをしてきました。今では「お茶」をはじめようかなと考えていたり、もっと『日本』を知りたいんです」

ー 名取さんは、日本の「おもてなし」って何だと思いますか?

「お客様の心の機微に寄り添う、というところではないでしょうか。西洋のホテルでは、お客様と従業員に明確な主従関係があります。『仕える』という感覚で、チップ制だったりしますよね。でも日本では、お客様と向き合って『どうおもてなししようか』と考えるんです。『星のや東京』では、どうしたらお客様を楽しませることができるか、喜ばせることができるか、というのを真剣に考えています。そこが面白いなと思っているんですよね」

海外をよく知る名取さんだからこそ、深く考えた「和のおもてなし」の答えでした。改めて魅力を感じた日本で主体的に動いてみたい 、お客様と関わってみたい、そんな思いから「運営会社」に的を絞り名取さんは就職活動をおこなったのだと言います。

星野リゾートの 「日本を活かした運営」

新たな活躍の場として、「星野リゾート」を選んだ理由を伺ってみました。

「様々な選択肢を考えましたが、説明会を通して、日本の観光についてとても一生懸命考えている会社だと感じたんですよね。地域性を打ち出している各地の施設をはじめ、そういった取り組みができていて『面白そうだな』と共感しました。面接で『星のや東京』のお話も伺いましたし、それが決め手でしたね」

日本に留まり、星野リゾートの、その「“日本” を活かした運営 」 に携わってみたくなったと言う名取さん。そこからは「星のや東京」に一直線です。

ー 「星のや東京」が開業されると聞いたとき、印象としてはどうでしたか?

「とにかく面白いと思いました。東京は海外からの観光客が多い都市ですが、外資も国内企業も『ホテル』が多くて、地方にあるような魅力的な『旅館』というのはあまりないなと思って。言われるまで気がつかなかったですが、そこに着眼して新しく生み出していくというのは今までにない試みだと感じましたね。国内の旅館にも、小さいころから連れて行ってもらうことがありましたが、担当の仲居さんが 2 度目に訪れたときに顔を覚えていてくれたのが、すごく印象に残っていて嬉しかったんです。そういった心配りも日本の旅館の大きな特徴だと思いますし、お客様に喜んでいただける『おもてなし』が東京でもできればと思います」

「星のや東京」の準備に取り掛かりはじめた名取さん。入社1ヶ月を経て、今改めて感じるのは、良いギャップだと言います。

「新人ですが、自分の経験が活かせる部分は完全に任せてもらっているんですよ。その柔軟さには驚きましたね。実は創業100年を超える歴史の長い企業ですし、こんなに信頼してもらえるとは思っていなかったので、最初はプレッシャーにも感じていたんですが、責任を持って働くほうが断然楽しいですしね。良い驚きです。社内は誰もが意見を言える雰囲気でとてもフラット。ただし、そこには説明力や説得力が必要なので『こう思います、なぜなら…』っていう話し方をする人が、すごく多いんですよ。頭の中で整理して発言して共感を得るんですね。だから打ち合わせもとてもスムーズです」

そして、同僚たちの特徴について、最後にこう付け足してくれました。

「あとは、とにかくみんな楽しそうなんですよ(笑)いつも笑顔なので、働いていて気持ちいいですし、こちらも楽しくなりますね」

7月20日の開業を控えて

今、お仕事が「楽しくて仕方ない」と語る名取さん。開業準備のタイミングで入社できたことも「とてもラッキー」だった言います。

「大変な時期ではあるので、どうしてもハードな作業が多くなるんですが、不思議と『仕事をしている』という感じよりも、作り上げていく楽しみの方が大きいですね。働いていてこんな感覚は初めだなと思っています。貴重な経験をしていますね」

ー 開業後は、どんなことに取り組みたいですか?

「今は、7 月20 日の開業のことで頭がいっぱいで、その後は『星のや東京』をしっかり軌道にのせていくことが目標ですね。東京に訪れるときは、『星のやに行きたい!』と国内外問わずお客様に思ってもらえる存在になりたいですし、お客様のニーズに貢献していきたいと思っています。この先のキャリアプランも柔軟に組めるような環境を整えてもらっているので、いずれは『星のや』の魅力をどう発信していくかというマーケティング的な側面も考えていければと思います。ただ今は目の前にある開業にむけてサービスチームでしっかりと楽しんでいきたいです」

海外ドラマの世界にあこがれを持っていた女子中学生は、多くの努力と経験を経て、いま東京の地で、最高の「和のおもてなし」を生み出す挑戦をしています。

「こんなに楽しく仕事ができるなんて不思議ですよね。仕事って楽しいこともあり、嫌な部分も必ずあると思うんですけど、まわりのメンバーや環境のおかげで本当に気持よく取り組めているんですよ。『おもてなし』で日本の観光を良くする、という理念のもと、しっかりとビジネスとしても成り立っているというバランス感が弊社の魅力でもあると思うんです。そういった土壌で働くことができるというのはすごく勉強になりますし、積んできた経験を元にもっとチャレンジしなきゃ!と思わせてくれる環境に感謝ですね。『追いつきたい!』と思える人がいっぱい居るので」

これからも名取さんの成長と挑戦は止まりません。

「和のおもてなし」を世界に発信する日本旅館「星のや東京」の開業はすぐそこ。お客様を迎え入れる日が待ち遠しいばかりです。

Interviewee Profiles

名取 菜穂
2005年4月:国際基督教大学 教養学部国際関係学科 入学  2009年3月:卒業  2009年4月:法律事務所 入所  2013年3月:退所  2013年7月:Glion Institute of Higher Education、Switzerland 入学  2015年7月:Glion Institute of Higher Education、Switzerland 卒業  (外資系ホテルでのインターシップに参加)  2015年8月:ホテルコンサルティング会社 インターシップに参加  2016年3月:星野リゾート 入社 

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