ウォンテッドリーのエンジニアに聞く、会社選びで見ているポイント

優秀なエンジニアを採用するコツを公開

自社にマッチした優秀なエンジニアにアプローチできていますか?

開発に馴染みのない採用担当者や経営者にとって、エンジニア採用の要件を正しく設定することは容易ではありません。

そこで、優秀なエンジニアを採用するために押さえておきたいポイントを、1つの資料にまとめました。

専門知識を持たない採用担当者の方にも簡単に理解できる内容になっていますので、ぜひご覧ください。

まずは無料ダウンロード

はじめに

こんにちは、Wantedlyカスタマーサクセスチームです。 おかげさまで前回作成したウォンテッドリー開発責任者が語る「エンジニア募集の作り方」初級編(開発環境テンプレート付き)は多くの反響をいただき、シリーズ化が決定しました。
 
前回は、「エンジニア募集を書くこと」に対してわからないことが多く、手が止まっている人事の方々を対象に「募集を書く上で抑えたいこと」を共有しました。
 
今回は、エンジニア向けの募集記事を作成する上で、必須となるエンジニアの知識が得られるコンテンツとなっています。具体的には、
 
①エンジニアにどういった職種があるのか
②どういった背景で職種を選んだか
③各職種のエンジニアが何を考えているのか
 
といった内容をウォンテッドリー株式会社の現役エンジニア達のインタビュー形式でまとめました。 エンジニア採用担当として、採用ターゲットの具体的な業務内容や志向性の違いなどを把握し、「自分のための募集だ」と思ってもらえる募集を書けるようになりましょう!
 

この記事のゴール

エンジニアに「自分のための募集だ」と思ってもらえる募集を作るために、エンジニアの志向性を理解できる。
 
Article content
 

エンジニアの職種分類

一口に「エンジニア」といっても多くの職種分類があります。どの職種のエンジニアを募集するのかによって、書くべき内容も変わります。
 
下記にエンジニアの職種を大きく分類しました。厳密な分類ではありませんが、募集要項をこれから作成しはじめる採用担当の方々は、大枠で下記をまずは把握しましょう。
 

フロントエンドエンジニア

WebサービスやアプリのUI(User Interface, ユーザーが利用する際、実際に目にする部分)の実装、時にはデザインも担当します。
 
代表的な利用言語、ツール 例)HTML, CSS, JavaScript, TypeScript,React, Angular, Vue, jQuery
 

バックエンドエンジニア

Webサービスやアプリの裏側を開発します。Webサービスを運営する企業でのエンジニアを採用したいときにはバックエンドエンジニアを指すことが最も多いです。
 
代表的な利用言語、ツール 例)C, Java, PHP, Ruby, Go, Python,Ruby on Rails, Laravel, CodeIgniter, Symfony
 

インフラエンジニア

サービス運用・運営や開発の土台となる基盤の設計、開発、管理をする。Webサービス運営企業ではない場合に、配線等のネットワーク環境の構築まで含むケースもあります。
 
代表的な利用言語、ツール 例)AWS, GCP, Microsoft Azure, Docker, Kubernetes
 

モバイルエンジニア

バックエンドエンジニアの中でも、モバイル向けアプリに特化しています。Android向け、iOS向けが大半です。
 
代表的な利用言語、ツール 例)Kotlin, Java, Swift
 

データサイエンティスト

単語自体は広義ですが、Webサービスを運営している企業では、サービスを開発、改善のためにデータの管理や分析を担当するケースが多いです。
 
代表的な利用言語、ツール 例)SQL, Python,Looker
 

Wantedlyを作っているエンジニアに聞いてみた!エンジニアのリアル

実際にウォンテッドリーで働いているエンジニアをモデルに、「それぞれの職種がどのような仕事をしているのか」「どのような人なのか」を具体的に見ていきます。
 
それぞれフロントエンド、バックエンド、モバイル、インフラ、データサイエンティストの各職種から実際にWantedlyを開発している5人のエンジニアに話を伺いました。
 

フロントエンドエンジニア

原 剛士
中央大学大学院 理工学研究科(数学) →株式会社ボルテージ(フロントからバックエンドまで →ウォンテッドリー(フロントエンドエンジニア) Wantedlyでは主に契約企業様向けの画面開発を行う。 ”TypeScript, GraphQLが得意”
ーーエンジニアになろうと思った理由は?
 
原:自分は小さい頃からものづくりや絵を書くことが好きだったんですよね。
プログラミングと出会ったのは大学時代。プログラミングコンテストの過去問を解いていく中で「これは面白いな」と。
物理的な「もの」をつくるわけではないものの、アルゴリズムを考えること、エラーを潰して動作したときの喜びが昔感じたものづくりの楽しさに通じるところがあり、プログラミングをメインにした仕事がしたいと思うようになりました。
 
ーー仕事の中で楽しい瞬間、イライラする瞬間は?
 
原:楽しいというか嬉しい瞬間ですが、「使いやすくなった」「キレイになった」というフィードバックをもらえたときは嬉しいですね。
ウォンテッドリーでは今までリニューアルをメインに担当してきたので、UI/UX を刷新した結果、社内外から喜びの声を聞けたときは非常に嬉しかったです。
他にも、面倒な作業が発生した際、自身で作業が効率化できる仕組みをつくり、上手くいったときも楽しさを感じますね。
逆に、期待通りに動かないことを決めつけで「バグ」と言われたり、z-index: 10000 のような 不自然なコード を見つけたたりしたときはイラッとします。
 
ーー「エンジニア」とは?
 
原:「技術を使って課題解決に取り組む人」ですかね。
 
ーーエンジニアあるあるはありますか?
 
原:そうですね、新しいサービスが出るととりあえずアカウントを作っていますね。あとは、「全然技術と関係のない日常会話をしているのに突然技術用語を挟んでくる」などは、あるあるですね。
 
ーー会社を選ぶときに見るポイントはありますか?
 
原:一つ目にその会社で自分が成長できるか。
具体的には「これまで触ったことがないものに触ることができる」「技術的に挑戦できる風土がある」「特定の領域だけでなく幅広い技術領域を触ることができる」といった点を重点的に、募集要項や面接などで確認していました。
 
原:二つ目にエンジニアが下請的なポジションにいないか。
ディレクターやデザイナーの言われるがままにエンジニアが作るだけの状態になっていたり、エンジニアがプロダクト開発にコミットできない環境にあると、大きなマイナスです。
その点も実際の環境や組織の体制などを見ながら判断していましたね。
 
ーーどのような会社で働きたいですか?
 
原:自分と同じかまたはそれ以上のレベルの人がいる会社です。
ウォンテッドリーのカルチャーブックには次のような文があります。
“生きていて何よりもワクワクドキドキするのは、自分の走るスピードについてこれる、時には自分を追い抜く人たちと並走しているときだ。 そういう人たちと一緒に何かを作りあげるプロセスを私はシゴトと呼びたい。”
この本を読んだとき、この言葉に心奪われて「この会社の人たちと一緒に仕事がしてみたい」と思いました。
 

バックエンドエンジニア

鴛海 太一
静岡大学情報学部 →Aiming →ウォンテッドリー Wantedlyのバックエンドエンジニアとして採用管理画面を多く実装。 “最近の仕事での挑戦はRubyでのgRPCサーバの導入。”
ーーエンジニアになろうと思った理由は?
 
鴛海:ゲームが作りたかったからですね。
 
ーー仕事の中で楽しい瞬間、イライラする瞬間は?
 
鴛海:コードを書くにしろ、分析するにしろ、議論するにしろ没頭しているときが楽しいです。イライラはほぼしませんが、強いて言うなら自分がコントロールできない要因(外部APIの仕様など)で詰まったときでしょうか。
 
ーー「エンジニア」とは?
 
鴛海:「技術を使ってものを作る人」だと思います。自分にとって、「作る」というのは「課題解決」より定義が広いと考えています。たとえばゲームを作るのは課題解決とは言えないかもしれませんが、エンジニアの仕事になり得るじゃないですか。
 
ーーエンジニアあるあるはありますか?
 
鴛海:技術の話になると早口になることですね。
 
ーー会社を選ぶときに見るポイントはありますか?
 
鴛海:第一に、バリューやミッションが浸透しており、共感できるか エンジニアへの理解度があるかです。
ここは個人的に一番重要です。技術力などは後からどうにでもなりますが、「エンジニアへの理解度」や「バリューやミッション」は自分だけではどうにもならないことだと思うからです。
バリューやミッションは人事の方との初回接点で見極めていました。バリューやミッションを一番最初に話してくれる会社を選んでいましたね。
 
鴛海:二つ目に自分の能力が発揮できるかです。
どうせやるなら、自分が得意なことをやりたいと思うので、そういう環境やポジションなのかは確認します。
 
ーーどのような会社で働きたいですか?
 
「強い組織とそれを継続させる文化がある会社」で働きたいと思っています。
 

モバイルエンジニア

久保出 雅俊
石川高専 →SIer →チームラボ → ウォンテッドリー Wantedly Visitモバイルエンジニアのリーダー。 “最近のハイライトはKotlin Multiplatformをプロダクションへ導入したこと。”
ーーエンジニアになろうと思った理由は?
 
久保出:きっかけは中学生のときですね。友達と「RPGツクール」というゲーム制作用ソフトにはまり、PC上で動くものを作るのが好きになりました。
 
ーー仕事の中で楽しい瞬間、イライラする瞬間は?
 
久保出:楽しい瞬間は、試行錯誤を繰り返して、答えにたどりついたときですね。イライラするのはコントロールできないものごとです。あとは、一生懸命調べたらクローズドソースのバグだったときでしょうか。
 
ーー「エンジニア」とは?
 
久保出:「問題解決に取り組み続ける人」だと思います。
 
ーーエンジニアあるあるはありますか?
 
久保出:少し調べたらできると思ったら、本格的にドキュメントを読み込んで完全に理解するのを繰り返すことです。
 
ーー会社を選ぶときに見るポイントはありますか?
 
久保出:一つ目に組織体制やカルチャーが自分に合っているか。
自分の強みを最大限生かせるところで働きたいです。例えば、過去の経験からいわゆる大企業のレガシーシステム開発なんかは合ってないと感じるし、大規模でステークホルダが多く身動きが取りづらいと活躍しづらいと感じます。
 
久保出:二つ目にプロダクトがどういうフェーズか。
今は1→10のフェーズを楽しんでいてフィットするなと感じていますが、新しくものを作ることに挑戦したいなら0→1フェーズを選ぶと思います。
 
久保出:三つ目に一緒に働きたいと思える人がいるか。
まず、自分の場合はチームで働きたいです。そしてチームの中にエンジニア界隈で有名な人がいるとベストですね。有名な人までは行かなくても、「この人と一緒だったら成長できそう、挑戦できそう」と思える人がいるのは大事かと思います。
 
ーーどのような会社で働きたいですか?
 
久保出:プロダクトの課題解決のために技術導入したり、プロダクトの観点でトレードオフなどを考えられる会社ですね。技術は目的じゃなく手段だと思うので、ただただ新しいものが好きというだけでなく、信念や目的に合わせて技術を選んでいる会社で働きたいです。
 

インフラエンジニア

千葉 知也
東京大学情報理工学系研究科 →Increments(アプリケーションエンジニア) →ウォンテッドリー(インフラエンジニア) サービスを安定化させるために動いたり、開発者が使いやすいような基盤づくりや改善をしたり、Toilをなぎ倒したりするのが仕事。 “大好きなAtomが徐々に代わってしまっているのが最近の悩み。”
ーーエンジニアになろうと思った理由は?
 
千葉:大学で本格的にプログラミングを学んだとき、、「楽しいしこれは自分に向いている!」と感じて一生付き合っていくことを決めました。
 
ーー仕事の中で楽しい瞬間、イライラする瞬間は?
 
千葉:複雑で使いにくいものをシンプルに使いやすく出来たときが一番楽しいです。イライラするのは分かりにくいドキュメント、インターフェイス、エラーメッセージに出くわしてしまったとき。それから、「何のために、何を目指しているのか」がやっていることから見えにくいときですね。
 
ーー「エンジニア」とは?
 
千葉:技術を使って、課題を解決する人はみんな「エンジニア」だと思います。
 
ーーエンジニアあるあるはありますか?
 
千葉:「いろいろなものへの好奇心がある」「自分のアウトプットを客観的に見返そうとする癖がある」などはあるあるかなと思います。
 
ーー会社を選ぶときに見るポイントはありますか?
 
千葉:会社は何を目指しているか、働いている人は何を課題に思っているのか、何を考えているか分かりそうなものをよく見ます。あとは働いている様子がわかりそうなものを見ますね。自分が転職活動をするとしたら、Wantedlyにある情報は隅から隅まで見ると思います。例えば以下ですね。
  • プロダクトとそのビジョン
  • 同じチームになりそうな人のアウトプット (ブログ、発表資料、SNS etc)
  • いわゆるエンジニアチームではない人のアウトプット (同上)
ーーどのような会社で働きたいですか?
 
千葉:自分はやりたいことでしかパフォーマンスを出せないので、会社やチームの目指しているものが自分のいいと思うものと合致しているか、目指したいものと現実からやることを導出する過程が自分にとって合理的に思えるか、を重視しています。
また、改善することが大好きなので、働き方でも仕事の進め方でもチームでもイベントでも、良くないと思ったところを直そうとする意識が強いチームが好きです。 

データサイエンティスト

合田 周平
北海道大学大学院 理学院 →テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(データサイエンティスト) →ウォンテッドリー(データサイエンティスト) Wantedly Visitの推薦システムの開発が主な仕事。
ーーエンジニアになろうと思った理由は?
 
合田:一番行きたかった他業種の会社の新卒採用に落ちたことがエンジニアになるきっかけでした。研究で培った知識と経験を活かせるデータサイエンティスト職を募集している会社に入りました。
 
ーー仕事の中で楽しい瞬間、イライラする瞬間は?
 
合田:フワフワした課題感を分析によって定量的・定性的に理解し、具体的な問題として落とし込めたときが一番楽しいです。あとはモデリングが好きなので、機械学習のモデルを作っているときは常に笑顔です。嫌いなのはSQLを書くことです。
 
ーーエンジニアあるあるはありますか?
 
合田:「新しく世の中に出たものをすぐに体験してみる」でしょうか。
 
ーー会社を選ぶときに見るポイントはありますか?
 
合田:一つ目に、一緒に働く人が自分よりも強いかです。
楽しく働くのはもちろんですが、成長は重要です。成長するためには強い人たちに囲まれて働くのが一番だと考えているので、強い人たちが集まっている会社なのかどうかは見極めたいですね。
見極めるために、面接で「会社として取り組んでいること(ポジションを募集しはじめた経緯としてどういうことをやってきているのか)」を聞いたり、その会社のメンバーのイベントでの発表やブログ記事に目を通したりしていました。
ウォンテッドリーの場合だと1Dayインターンも素晴らしい機会でしたね。
 
合田:二つ目に会社のビジョンと事業の方向性が一致しているかです。
仕事でモチベーションを感じるためには、意味ややりがいが大事だと思っています。
ウォンテッドリーには明確なビジョンがあり、OKRという目標管理の仕組みでビジョンを実現させるための道筋も構造化されているので、やるべきこともわかっています。
その感覚は非常に大事だと思うので、会社を見る時には是非とも確認したいと思います。
 
合田:三つ目に偉い人の中にエンジニアリングスキルの高い人がいるかどうか。
会社のカルチャーや仕組みを作る上で偉い人の意見は非常に大事なので、そこにエンジニアリングスキルの高い人がいるかどうか(エンジニアの気持ちがわかる人がいるかどうか)は会社を見る上での重要なポイントです。
 
合田:四つ目に業務を通して新しい知識と経験が得られるかどうかです。
常に新しいことに挑戦して、成長したいと思っています。
会社を選ぶ際には、入社したら所属するチームの「これまでとこれから」を聞くことで「実際に働いたら新しい知識や経験は得られる環境なのか」を具体的に見極めています。
 
ーーどのような会社で働きたいですか?
 
合田:上記でお話した通りですが、会社のビジョンと事業の方向性が一致していて社員が楽しんで仕事ができている会社は魅力的ですね。また、成長も重要なので、一緒に働く人が全員自分よりも高いスキルを持っている会社も良いなと思います。 

終わりに

いかがでしたか。今回はウォンテッドリーで実際に働いている現場エンジニアの声を紹介しました。
 
募集を作る上で、具体的な業務内容を把握しておくことは必要ですが、Wantedlyでは条件が可視化されていないので、単に業務内容を記載しただけでは「自分のための募集だ」と思ってもらうことは難しいです。
 
今回、エンジニアが会社選びの際に特に見ているポイントとしては、「ビジョンやミッション」「成長できそうか」「エンジニアへの理解」「自分の得意が活きる環境」などがよく挙がっていました。これらの要素を募集に入れてみましょう!
 
候補者の方から良い反応をもらうためには、「これから採用しようとしているエンジニアがどのような人で、どのような志向を持っているのか」を想像・理解し、ターゲット像を具体的に想定することが重要です。
 
この記事が、そのターゲット理解の一助になれば幸いです。
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