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"繋ぐ"ということ

住田 涼

市民団体ぎふマーブルタウン実行委員会 - 代表

やったこと

TV番組「ほこ×たて」の人気企画"最強ドリルvs最強金属"で、株式会社イワタツールが中小企業連合を率いて生み出した最強ドリルが7戦中、唯一勝利。 各々が得意分野を持ち寄って一つのドリルを生み出す姿に、「人を繋ぐものづくり」の大きな可能性を感じました。

そんな折、インターン募集で 「モノづくりは人づくりから。」 「何を作ろうとも、結局モノを作るのは人。」 「人の成長無しにサービスの進化はありません。」 と書いている企業を見つけました。それが株式会社大和商会です。

大和商会は商社であり、「様々な現場を見てみたい」と僕自身も営業をやるつもりでエントリーしました。 しかし平岩社長とお話する中で「人を繋ぐものづくり、今やればいいじゃん」とおっしゃっていただき、製品の開発に挑むこととなりました。

開発するのは金属を削る工具"エンドミル"。 大和商会の主力商品です。

商社である同社にはもちろん開発設備なんてありません。 取引先のエンドユーザーさんからニーズを引き上げる。 社内の全体会議で営業マンさんから意見や質問を募りつつ製品案を考える。 製品案が固まったら、それを作れるメーカーを探す。 メーカーが見つかったらサンプル製作を依頼。 サンプルが出来たら実際に金属を加工するテストカットの実施。 テストカットが上手くいったら展示会へ参考出品。

このような流れを半年間の中で進めていきました。

課題だと思ったこと

①ヒアリング能力 「どんなエンドミルが欲しいですか?」「困っていることはありませんか?」とニーズ調査を試みるも、「無い」と即答されて5秒で撃沈。 工具ユーザーさんのニーズを引き出すことすら、このときは上手くいかなかった。

②ヒトよりモノにフォーカス インターン開始から1ヶ月ごろ、社長からこう言われました。

「住田くんはエンドミルのことが見えていても、使う人や売る人のことが見えていない。」 「住田くんが頑張って勉強しているのは知ってる。でも一人が半年で作れる程ものづくりは浅くない。」 「うちの営業マンが売りたいと思わなければ、どんなに良い商品でも売れるわけがない。」

そう言われて初めて、今まで営業マンさんやエンドユーザーさんにエンドミルのことばかり聞いていると気付きました。 「人を繋ぐものづくりがしたい」と言い出した自分自身が、人のことを見れていなかった。

実際、全体会議で商品案のことを話しても質問や意見はほとんど出ておらず、一人で走っているような状態でした。 「一人で半年で作れる程ものづくりは浅くない。」 まさにその通りだと感じました。

③ビビり問題 ヒアリングを続ける中で、金属の深いところを綺麗に削ろうとすると振動してしまう「ビビり問題」を解決しよう、と決まりました。

しかしエンドミルには母材、刃の形、工具の長さや太さ、ねじれの角度、胴部分の太さ、コーティングなどなど一つの製品にとても多くの要素が詰まっています。 製品の案はいくつかありましたが、試作だけでも1回で50万円かかります。

お世話になっている会社で、自分がやりたいと言い出して始めたプロジェクトで、できる限りお金はかけたくない。 もっと言えば試作にも時間はかかるので、試作を繰り返している時間も無いんです。 そしてこの試作に失敗すれば、半年間が無駄になるんじゃないか? ここまで応援してくださった方々、協力してくださった方々の期待を裏切ることになってしまうのではないか?

そう思うと、先へ進めなくなってしまいました。 これが後にコーディネーターさんから名付けられた、「住田のビビり問題」です。 (このインターンには企業と学生を仲介する機関が存在し、双方と共にプロジェクトを進めるコーディネーターが付いています)

収穫できたこと

①ヒアリング能力 「困っていること」を聞いても何も出ないので、「今どんな加工をしているのか?」「どんなエンドミルを使っているのか?」を聞いていきました。 すると、実際に加工しているときを思い出しているうちに「そういえばここで困ってるんだった!」という声が上がるようになりました。

そうしていろんなエンドユーザーさんの市場調査をしているうちに、商品案を30以上集めることができました。 この出来事は日報などでの振り返りをする際にも活きていて、最初から「今日の改善点は」と考えるよりも「今日はこういうことがあって、こんなことを感じたなぁ」と考える方が改善点を見つけやすい、という発見に繋がりました。

②ヒトよりモノにフォーカス コーディネーターさんから「頼ることも繋がる手段の一つだよ」と教えていただきました。 そのとき、認められるために自分を良く見せようとしていたこと、助けを求めることで「やはり学生には無理だった」と言われるんじゃないかと恐れていたことに気付きました。

そしてこれまではお客さんや営業マンさんへの質問はほぼエンドミルに関するものだったのですが、それからは「○○さんが営業で大切にしていることは何ですか?」「ここで困っているんですが、▽▽さんならどうしますか?」というように、人に焦点を当てた質問をするようにしていきました。

また、頼り慣れていないのを改善するために「1日1回は誰かに頼みごとをする」という自分ルールも設けました。

すると、「今度飲み会やるから一緒に行こう!」「お客さんによって営業の仕方を変えてるよ」「自分はものは作ってないけど、日本のものづくりを支えてる誇りはあるよ」など、仕事のことをいろいろ教えてくださったり飲み会へ誘ってもらえるようになりました。

そしてかっこいい営業マンさん達に少しでも近付きたいと新規営業もやってみました。 すると失敗するほど周りにいる方々が助けてくださるようになりました。 全体会議での商品安に対する質問や意見も増えていくようになりました。

だんだんと人の繋がりでプロジェクトが進むようになりとても嬉しかったです。

③ビビり問題 岐阜営業所の所長さんに相談してみたところ、「ここまで来たら後は住田が決めればいい。」「あとはもう、やるかどうかだけだよ。」と背中を押してくださいました。

そして自分なりに課題を解決できる商品を決め、作っていただけるメーカーさんを探し、最終的には海外メーカーさんへサンプルの依頼を出しました。 営業マンさん、エンドユーザーさんに協力をいただきテストカットしてみたところ、結果は大手企業よりも高性能で、加工のプロであるお客さんが驚くほど良好な精度を出すことができました。

所長さんの後押しがあったとはいえ、踏み出せなければこの結果も無かった。 そう思うと、行動することは何よりも大事なのだと感じました。

<その後>

・商品をアジア最大手の展示会へ参考出品させていただくことができました。 先述した「大手企業よりも高性能」というのは裏を返せば、大手企業がそこまで力を入れていない領域ということでもあります。

実際「うちでは使わないかな」という方も少なくなかったのですが、その反面、お客さんの一人に「こんな商品を待ってた!」と言っていただけたとき、心の底から嬉しかったです。

そのあと多くの問い合わせもあり、海外メーカーさんが3000万円の設備投資をするキッカケにもなりました。 それによって商品は実際に市場投入されました。 (その2年後、偶然インターン先の社員さんとお会いした際に「あの商品まだ売れ続けてるよ」と教えてくださり、とても嬉しかったです。)

僕の手から離れても、きっと僕が死んだとしても、お客さんの役に立つことができる。 それがものづくりの面白さであり、"繋ぐ"ということの嬉しさなのではないかと感じています。

インターン後、「新たなものを生み出すこと」にハマったのはこの経験があったからこそです。

・今回のインターンでお世話になった大和商会の社長さんから「ビジネス本にはあまり書いてないけど、事業の成否はどれだけの人を巻き込めたかに左右される。」と教わりました。

この半年間で僕は300〜400人の大人と関わってプロジェクトを進めました。 多くの方々の知識や知恵、経験などをお借りしながらやれたこと。それが上手く言った大きな要因なのではないかと思います。

事実、インターンを終えた後に自分で団体を立ち上げて開催したイベント「ぎふマーブルタウン」では様々な方からご協力をいただき、団体立ち上げから1年で541人の参加者が集まる規模へと成長させることができました。

今後も多くの方々と関わりながら事業を前進させていきます。

市民団体ぎふマーブルタウン実行委員会 - 代表
【幼少期・少年期】 カマキリやナナフシ、タマムシやヤモリといった様々な生き物と出会える田舎で育つ。 幼稚園時には水泳スクール、小1でサッカーのクラブチーム、小5~6で子ども会のソフトボールでピッチャー、小6でバスケ部と幼少期・少年期は走り回ってました。 虫取りしたり小説を読んだりテレビゲームしたり、絵を描いたり牛乳パックで工作したり、この頃から多趣味でした。 【愛知県 私立 滝高等学校】 中学の内申35で偏差値72の滝高校へ。留年しかける。 なにげなく入った演劇部は中部大会常連・全国7回出場という歴史を持つガチな部活でしたが、創意工夫しながら全力でやる楽しみを学ぶことができました。 ...
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