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自動化やAI化が進んでいるけど、はたしてプラント業界の職人にも支障がでるのか?

「AI」や「自動化」というキーワードが浸透し、どんどん機械化がはじまっています。コンビニや大手スーパーでは、すでにセルフレジも設置されてきました。

ときどき話がでるのは、「プラント業界も機械による自動化がはじまるのか?」ということです。

もちろん、その懸念点はあります。ただプラント業界の場合、実は「自動化しにくいのではないか?」と考えています。

・機械化ができる「機械部品を作る工程」
・機械化ができない「メンテナンス業務」

主に上記に焦点を置いています。今回は私なりの見解を、図解を交えてお伝えしていきますね。

「機械部品を作る工程」が機械化ができる理由

まずお伝えしたいのは、プラントには機械化が「できる作業」と「できない作業」がきれいに分かれているということです。

まずは、機械化ができる「機械部品を作る工程」を紹介していきます。


1.金属の塊を削る
2.機器周辺の調整作業を行う(組立)

1の金属の塊を削る作業は、工作機械(マシン)が行っているので、すでに機械化は進んでいます。

そして、2の調整作業では3DCADのデータを機械に流すと部品が作れるので、こちらも機械化が進んでいます。

一方で機械化ができない「メンテナンス業務」の仕事内容

では次に、機械化ができない「メンテナンス業務」の工程をまとめてみました。大きく5つのステップになるかと思います。


1.機械を分解する
2.分解部品を計測する
3.分解部品を補修・研磨する
4.機械を組立る
5.アライメント※1

各メンテナンス業務を、仮に自動化した場合の懸念点を想定してみました。

※1 アライメント:駆動させる機械(モーター)の軸と従動する機械(ポンプ)の軸を一直線にする作業で。

●1.機械を分解する

希少価値の高い素材を使っている機械は、ロボットにすることで「壊されるリスク」が考えられます。緻密さや繊細さは職人だからこそできる技術です。

●2.分解部品を計測する

ロボットやAIでもできますが、職人の方がコストがかからず何より早いです。また、重たいロボットをいちいち現場に持っていくのは手間ですよね…。

●3.分解部品を補修・研磨する

もちろん、ロボットでも可能だと思います。ただ、最終的な微調整は、誤差がでる可能性があるので手仕上げで現場が施工します。パズルのピースをはまるかどうかを削っていく繊細な作業や微調整は、ロボットではむずかしいです。

●4.機械を組立る

全国共通の部品ではないため、企業ごとで使っている機械が異なり、それぞれ特徴やクセがあります。このクセを把握し対応するのは、職人だからこそできること。そして最終的な微調整はミクロ単位で調整するため、熟練工でないとむずかしいんですよね。

●5.アライメント

アライメント調整もレーザーアライメントがデジタルで存在しますが、職人に頼むと安くて早いです。何よりメンテナンスする機械は、なんと3トン以上。重機や吊具を使うので、ロボットでは到底任せられないのです。

職人による緻密さや繊細さは、必ずしもAI化で再現できるとは限りません。それほど、職人の技術は高いんです。

以前「機械エンジニアの仕事内容とかっこいいところを語ろう」でもお伝えしましたが、私はもっともっと職人さんが胸をはって仕事をしてほしいなと思います。

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