1
/
5

プラント業界の闇②:下請け企業の劣悪環境

以前、「プラント業界のからくり」と言う名の「プラント業界の闇」をお話しました。


どうしてプラント業界で働く人の収入が増えないのか?業界のからくりと闇。|けせし(柳井工業)プラントメンテナンス会社|note
「プラント業界で働いていても、儲からない」。そう言われることが、よくあります。 初回のnoteでも触れましたが、長年のイメージにより「キツイ・暗い・汚い」と言ったイメージが染み付いています。いわゆる、プラント業界の「3K」ですね。 今回は、プラント業界のからくりに重きを置き、働く人の収入が増えない理由をお伝えできればと思います。 ...
https://note.com/kesesi/n/n6ae96fba50cb

今回は内容を派生させ、プラント業界の裏事情をもう一つお話しします。結論からお伝えすると、「下請け企業の劣悪環境」です。

プラント業界では人手が足らないので、二次〜五次受け企業の社員や従業員を、一次受けの企業に派遣します。二次受けまでは健全な企業ですが、問題は三次受けの企業から闇が深いのです。

「三次受け企業」だとどうしても長くなるので、以下からは次にように呼びますね。

・A社:一次受け(ホワイト・健全)
・B社:二次受け(ホワイト・健全)
・C社:三次受け(闇)
・D社:四次受け(闇)
・E社:五次受け(闇)

前提として、プラント業界のからくりの話

今回の内容と大きくリンクするので、ここでもう一度、「プラント業界のからくり」を復習しましょう。基本的なプラント企業の仕組みを図にしてみました。


1. A社がお客さまから受注をした
2. 人手が足りないので、B社へ人員を募集する
3. B社(協力会社)でも人手が足りないので、C社へ人員を募集する
4. C社(協力会社)でも人手が足りないので、D社へ人員を募集する

A社やB社で人材を確保しきれないので、C社やD社から人員を集めています。プラント業界は、常に人手が足りていません。

簡単にそれぞれの企業の説明をしますね。

A社は上場企業が多く取引は健全でホワイト。B社も中小企業が多いですが、実績もあり健全です。

一方で、問題の発端になるのはC・D・E社。つまり、三次・四次・五次受け企業は、取引がグレーやブラックと言っても過言ではありません。

なぜ、グレーなのか。その理由を、次でお伝えいたします。

そもそも社長がプラント業界を知らない

根本的な原因は、「社長がプラント業界を知らない」からだと私は思っています。

まずは、C社以降の会社の状況をお伝えしますね。私たちと同じ業界で共にしているとは、思えないくらいの劣悪さです。

・人さえ集めれれば良しと考えている
・法人化していない会社も多数
・社会保険に加入していない企業も多数
・賃金はアルバイトに毛が生えた程度
・肝心の社長が仕事を把握していない

C社やD社はの多くは派遣会社。プラント業界が人手不足ということは、百も承知です。

そのため、言い方が悪くなりますが「人を送ってあげればいいんでしょ?」と、機械的に従業員を派遣しています。

「人手が足りない」ことは知っていますが、「誰を派遣してどんな仕事をしているのか」までは把握していないのです。

このままでは、業界全体の覇気が下がってしまいます。大きな懸念点です。

不幸中の幸いでしょうか。C社やD社の従業員の中でも、まじめに仕事をする「ダイアモンドの原石」のような方々もいらっしゃいます。

実は柳井工業では、彼らを育てたいと思い、オファーしたこともあったのですが、そうすると相手先の社長が牙を向いてきました。「引き抜くなんて、卑怯だ」と言われたり、時には賠償請求をしてくる始末。

今思えばこちら側の非もありましたが、このままでは業界が変わらず、どうしようもありません。

今後の具体的な解決策とは

柳井工業は、主に以下の解決策を考えており、実施しています。

1. A社とB社が強くなる(人材が十分に確保できる)
2. C社以降の社長にプラント業界に興味を持ってもらう

まず、ことの発端は「人材不足」。なので、プラント業界に興味を持ってくれる人材を増やすことが大切です。

提案の1つとして、フリーランスでのキャリアアップを過去記事にてお伝えしました。よかったら、合わせてご覧ください。


プラント業界のフリーランス「一人親方」衰退理由。新しい働き方を考えたい|けせし(柳井工業)プラントメンテナンス会社|note
IT化が進む今、組織には属さない「フリーランス」として働く人も増えてきました。「組織には縛られずに働く」や「好きなことを仕事に」というキャッチフレーズも今ではめずらしくありません。 IT業界に関わらず、実はプラント業界にもフリーランスのように働く「一人親方」という方々が、数年前までたくさんいらっしゃいました。 ...
https://note.com/kesesi/n/nca6eeed9653e

また、C社以降の社長さんにプラント業界を知ってもらうことが、何よりも大切です。仕事内容がどれだけ専門的で、むずかしいか。

内情を知ってもらえれば、従業員の待遇もよくなりますし、給与もぐっとあがるはずです。どうしても今は、メンバーへの思いやりを感じられません。

・・・

プラント業界の仕組みは、長年変わっておりません。年配の職人さんが引退していく中、若年層の人口もどんどん減っています。

私たちも、何とか現状を変えていきたいものです。まずは私なりに考えをまとめ、こうして発信をしていきます。

有限会社柳井工業では一緒に働く仲間を募集しています
同じタグの記事
今週のランキング