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ドクターの人生に向き合うー新規事業立ち上げ秘話【前編】

 JBAの事業や、働く人々の魅力を知ってもらおうと始まったこのインタビュー企画。
今回お話を伺うのは2010年入社のマネージャー、園田さんです。

園田さんの入社後初めての仕事はクリニック事業立ち上げでした。大手企業相手のプロジェクトが中心のJBAで、クリニックとのビジネスのみに専念してきたという経歴はイレギュラーです。その背景にあった出来事や、事業に取り組む中で得た価値観について詳しくお話しいただきました。


入社直後に新規事業に挑戦することになったきっかけはなんですか?

 もともと私はJBAの「3年で10年分の成長を」という理念に惹かれて入社を決めました。若いうちからどんどん実践していける社風に魅力を感じたんです。昔からあまのじゃくなところがあって、誰かが作ったものを自分がやるというよりゼロから何か作り上げたい、と思うタイプでした。

JBAの高下社長は元税理士ですが、税務よりもお客さまの人生を支えることに興味をもって仕事にしてしまったという異色の起業家です。その高下社長の税理士時代のお客さまには、クリニックの院長も多かったようなのですが、そういう待ちのお医者さんたちをサポートする企業がないことに課題に感じていたそうです。そんな話を聞くうちに、思考の天井が吹き飛ばされた感覚があって。医師の人生に密着し、全力でサポートするというビジョン。「これはぜひ自分がやりたい!」直感でそう思いましたね。

新規事業というと、苦労も多かったのではないでしょうか。

 そうですね。お客さまも、商品も、実績も、なにもない。でもその「ゼロから」な状態こそ、最高じゃねえかって思いましたね。これいうと「冗談でしょ」って言われるんですけど、医者ってどういう人なのかを理解するために私はまず、漫画「ブラック・ジャックによろしく」と小説「白い巨塔」を読みました。それから、待ちのクリニックに実際に患者さんとしていってみて、ニンニク注射を打ってもらいながら先生と世間話してみたり。とにかく手探りでした。院長、医師という人たちの思考や世界観を少しでも理解したいと思ったんです。


その結果見えてきたものとは?

 それまで医師として働いてきた方たちが自分で開業するとなると、急に経営者になる必要が出てくるんです。一昔前は「開業医=お金持ち」というイメージもありましたが、今はクリニックの数も多く、ネット検索で選ばれる時代です。開業の手続きもややこしい、集客・マーケティング、マネジメント…わからないことだらけです。

それで、僕は思いました。JBAで立ち上げるクリニック事業は医院経営の全てを見るものにしたいなって。もっと踏み込んで言うならば「医師の人生に寄り添う」仕事をしたいと思ったんです。

開業支援や経営面のサポートだけではなく、もっと長期的な視点でそのドクターの人生の夢を伺います。子供が何人いてどんな学校に入れたいのか。何歳くらいで引退を考えているのか。そのうえで、それを実現するために逆算して1日に何人の患者さんを見なければならないかということを考えると、ほとんどの場合全然足りていないんですよ。そこから、そのドクターのライフプランを本当に実現させるため何をするかという話につなげていきます。



壮大なビジョンを掲げたんですね。

 とはいえ・・・現実的な最初の一歩は、「看板」からでした。まずは、クリニックが集客をするためのいい看板を提案するところからはじめようということになったんです。


JBAは本来デザイン力に強みのある会社です。当時既に、デザインに関する実績は豊富にあって、最新のトレンドを知るために海外視察に行ったりもしていました。それまで、会社としてクリニックのための看板を手掛けたことはありませんでしたが、世の中の「いいデザイン」について徹底的に情報収集するのと同じ発想で、「いい看板をたくさん見よう!」というところに行きつきました。

いい看板はどこにある?最先端は東京だよね。ということで、立上げメンバー3人で、2週間、朝から晩まで東京の街中をひたすら歩きまわって看板の写真を撮りまくりました。夜になったら集まってデータを出力、何がいいと思ったのかのブレスト。この繰り返しでしたね。そうすると、「この色は信頼・安心を連想させるね」「このライト夜めちゃくちゃ目立つぞ」「文字の大きさはこれくらいで」とか色々見えてくる。当時はまだ広告業界に占めるインターネットのシェアは小さい時代でしたが、そうして集積した知見を詰め込んで、その年の秋には「クリニック看板ドットコム」を開設しました。このサイトを見た町のお医者さんに、看板についての相談を問い合わせてもらおうという狙いで。



そのサイトが唯一の窓口でしたが、最初はなかなか問い合わせが来ませんでした。でも、試行錯誤でリニューアルを重ねている内に、山口県でこれから開業するというクリニックの院長から、1番最初の問い合わせがきました。最初はこんな看板作ってほしいというお話から始まるんですが、僕たちは一生懸命、ロゴ、HP、パンフレットなんかも提案します。そこで向こうも、ただの看板屋さんじゃないぞと気づいてくれます。その実績を持ってまた次のクリニックに提案させていただいて、満足いただけたら別のクリニックに紹介されて、というふうに、と最初の内は手探りで、仕事の幅を広げていきました。名刺で信頼していただくために、「医療経営士」の資格まで取りました。もう、できることはなんでもやりました。

実際にクリニックの院長と仕事を始めてみてどうでしたか?

 町のお医者さんにとって経営と人生は表裏一体です。利益が出れば、それをまた経営に投資もできるし、家族の豊かな暮らしのために使うこともできます。何件ものクリニックの相談に乗り、何人もの院長の悩みを聞く中で、彼らの価値観がだんだんわかってきました。「いい医療をしていたら患者さんは来てくれる」と思っている方が結構多いんです。私たちの仕事は、その腕と思いのある医師を、マーケティングの力で成功させることです。期待されてることも幅広く、開業支援なのか、経営改善なのか、世帯交代のお手伝いなのかでやるべきことは全く違ってきます。内科、外科、眼科、皮膚科などの分野によっても考えることは大きく異なります。でもそのぶん、やりがいも大きいですね。

ありがとうございます。後編では、実際に事業を拡大する中でどんな困難があったのか?その中で園田さんが得た価値観とは?などについて伺います。
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