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「変革」を体感してもらうー大手製薬会社の周年イベント

数々の大企業に対して「コンサルティングxクリエイティブ」で領域不問の課題解決を行うJBA。でも「JBAって何屋さん?」と聞かれると、一言では答えにくいんです。そこで、実際のお客さまとの具体的なプロジェクトを通して、担当した社員は、何を考え、どんなことをしたのか。やりがいや苦悩や仕事観に至るまでをリアルにお伝えする「事例紹介」シリーズです。

こんにちは。2018年入社の中村です。
今回は、大手製薬会社Y社さまの周年イベントについてお話します。

「10年先が見えない業界」の周年イベント

プロジェクトの始まりは、「創立50周年を記念するイベントを企画してくれないか」というY社さまからのお言葉でした。このイベントには、ただ創立50周年という節目を祝うという目的ではなく、会社の現状を打開するという重要なミッションが込められていました。その背景には、現在の製薬業界全体に共通する課題が存在していたのです。

昨今、製薬業界は変革期を迎えています。科学の発達により、それまでの主な収益源となっていた新薬の開発が滞るようになっているからです。別名「10年先が見えない業界」とも呼ばれ、当時のY社さまも同様に「変革」が迫られていました。今回の周年イベントのテーマについて、Y社さまは「周年を祝うのも、過去の振り返りも、まったく必要ない。」と断言されました。「製薬会社からデジタルヘルス企業へと転換し、社員にイノベーションを起こししてもらう事を目標に掲げているのにも関わらず、その目標の必要性が社員に全く伝わっていない」という課題が存在していたのです。

求められていたのは、とにかく「変革が迫られていること」を社内全体の人々に実感してもらうことでした。



徹底的にお客さまの立場になって考える。

この「変革」を周知させるという目標のほか、「社風を大きく変えたい」というご要望も強く持たれていました。社員同士のコミュニケーションを強化することで、イノベーションが生まれやすい環境作りをしようとしていたのです。これらの話を受け、1回限りの周年イベントだけで目標を達成するのは難しいだろうと考えた私たちは、社員さまに対して長期的な意識の働きかけをするために、複数のイベントの実施を提案しました。

担当者さまがこの提案を受け入れて下さり、1年間で15回の周年イベントを実施。私たちは外側と内側の双方からアプローチをとりました。まず、外側のアプローチとして、ロゴマークやキャッチコピーをリニューアル。改めて会社の向く方向性を社会に示しました。内側のアプローチとしては、社員同士のコミュニケーションを強化するため、社員参加型のサイトの立ち上げや社員3人以上の飲み会では会社が飲み代を負担してくれるシステムの開設、1ヶ月間他の部署で仕事をする「社内インターンシップ」の実施などを行いました。これらの企画1つひとつが、20人の社員さんたちとの何回にもわたるミーティングを経て決定されたものです。「周年」という機会を通じ、Y社さまの社員の方々に変化の風を吹かせたい!という一心で編み出しました。

五感で伝える「変革」

こういった15個の企画に加え、メインイベントとして1000人が参加するシンポジウムを開催しました。このシンンポジウムでは、社長が一方的に話すのではなく、「我々は製薬会社ではなく、これからデジタルヘルスケア企業になるんだ」と社員一人ひとりに「五感で体感してもらう」ことを目的にしました。

シンポジウムでは、これからの方向性が伝わるよう、実際のIT技術を体験できるブースを設置。「薬の話はどこに行ったんだ?」となるほど、ITの雰囲気に染め上げたんです。さらに、ビジネスコンテストも開催しました。ここで優勝したチームは、現在事業化に取り組んでいます。私たちが携わったイベントを通じて、実際にイノベーションを生み出す部署が作られたのです。

自分の仕事が、「誰かの命を救う」ことにも繋がる。

私はこういった周年イベントに取り組む際、ヒアリングを最も大切にしています。 企業が何の課題を抱えていて、10年、20年先は何を目指しているのかをしっかり把握していなければ、「周年」の企画がその効果を発揮できず、ときにはマイナスに働いてしまう危険性があるからです。今回の件で言えば、20人の社員さんとの打ち合わせを1年間繰り返し、社員さんの気持ちに常に寄り添いながら取り組むことができたと思っています。

周年イベントは終了しましたが、Y社さまは「変革」のスタートラインに立ったばかりです。今後も、これからの「変革」の進め方について継続的に情報をご提供し、ワークショップや研修、Webコンテンツの作成などを通じたサポートを続けてまいります。

私は、病気を治すことや薬の開発はできませんが、製薬業界で働く社員さまに元気をご提供することは出来ると考えています。社員さんが新しいヘルスケアサービスを生み出し、患者さんのために更なる力を尽くせるようになれば、最終的には、誰かの命を救うことにも繋がるかもしれません。


困難は多いが、学びも多い周年イベント

周年イベントを担当する難易度は相当なものです。しかし同時に、学びの多さも凄まじいものとなります。コンサルティングから企画立案までの幅広い業務を若いうちから経験できるうえ、様々な媒体・企画を用いてお客さまの課題解決をサポートするからです。

「社内報からWeb媒体、イベントまで、多くの手段を用いてお客さまに寄り添いたい。そうやって企業の未来づくりに本気で取り組みたい。」と考えている方とともに、仕事ができることを願っています。

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