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【開発秘話】「もっと気軽に使える製品を」WHILLが提供する新たな価値と、熱い想い


まえがき

10月19日の新製品発表会でついにお披露目した「WHILL Model F」。

これまでのWHILL製品のデザイン性や操作性などはそのままに、軽量化を実現し、折りたたみができるので、日常も非日常もより気軽に使ってもらいやすくなっています。

本記事では「WHILL Model F」の開発に携わった4人のメンバーが、開発にかけた想いやウラ話を語ってくれました。


写真左から

中川:(パーソナルモビリティ開発2部)チーフエンジニアを担当
鳥山:(事業開発・戦略室)チーフデザイナーを担当
赤間:(事業開発・戦略室)プロジェクトマネージャーを担当
迫:(調達戦略部)
調達マネージャーを担当

―開発はどんなコンセプトで始まりましたか?

赤間:「はじめのコンセプト会議は、プロダクト開発チームがリードしていましたよね」

鳥山:「私は途中から本格的にプロジェクトに参加したのですが、はじめは事業企画チームとプロダクト開発チームで『これはいける!』と企画を勢いのまま進めていました(笑)」

赤間:「最初のコンセプトは旅行用モデル。デザイン性と持ち運びできるサイズ感や折りたたみ機能を備えて、車や飛行機に積んでいろんな所へ出かけられる製品を目指しました。」

中川:「例えばおばあちゃんがお孫さんに会いに飛行機に乗って到着した先でも、買い物や観光をModel Fに乗って楽しめるような。中長距離の移動にハードルを感じないようなイメージでしたね。」

赤間:「当時、折りたたみできる電動車椅子の市場は既に確立されていたのですが、市場に出ていた製品の折りたたみのしやすさや操作性、デザイン性において課題があると感じていたので、WHILLの技術でこの市場をリードできるという自信もありました。」

鳥山:「それだけではなくて、実は以前のModel A、Model Cが市場に出た段階で、『乗りたいけれど諦めてしまう』というお客様の声を聞いていました。例えば都市部に住んでいる方だと、部屋や玄関が狭くて車椅子を収納する場所がないと。そういった方にも折りたたみのモデルであれば利用してもらえる可能性は高いので、WHILLとしてはこれまでリーチできなかった方々に製品を届けるチャンスでした。」

―プロジェクトに選任された時の気持ちを教えてください!

赤間:「このプロジェクトに参画する前提で入社したので、とてもワクワクしていました。世の中に絶対必要なものだと思っていたので。」

鳥山:「折りたたみができるモデルは初めてで、いろんな方に届けられることにワクワクしていました。ただ、一方でスケジュールがとてもタイトで、コロナ禍で先が読めない中、新しいことにチャレンジすることにプレッシャーはありました。」

中川:「やってやるぜ!という感じでした!今までリーチできなかったユーザーさんにリーチできるのでこれはおもしろいなと。あと、私は今までずっとオムニホイールの開発をしていたので、機体全体に触れることがなかったんです。でもプロジェクトを通して機体全体を扱うことになって、自分のスキルアップにも繋がるなと!気持ちはばっちこいでしたね!」

迫:「正直、スタートしたころのモチベーションは低かったです。 Model C2の工場とのやり取りがピークになっており、とても忙しくて今新しいプロジェクトが始まって大丈夫なの?と思っていました。ただ、実際のユーザーさんになりうる方に会いに行ったのがきっかけで、気持ちが変わりました。」

赤間:「実際にModel Fのターゲットとなりそうな方のところへ試作機を持っていき、試乗していただく機会があって、迫さんと私で一緒に伺ったんですよね。」

迫:「その方は普段杖を使っていて、長距離歩くのは大変だけども、車椅子を常用していない方でした。その方が、『Model Fはカジュアルで、使いやすい。これがあれば旅行の時だけでなく、日常の買い物やおでかけにも気軽にいける」とおっしゃってくださって。私たちが想定していたとおりにModel Fを使いたいと思ってくださる方がいて、車椅子というより、杖と同じくらいカジュアルに使っていただけるんだと実感できました。そこからモチベーションがグンと上がりましたね。」

赤間:「実際に使ってくれそうな方々にお会いして、旅行の時だけでなく日常にもフィットする製品にしたいと、コンセプトもより固まっていきました。」


−開発で大変だったことは?

鳥山:「技術的なことでいうと、Model Fは折りたたみができることがストロングポイントなのですが、折りたたんだ後しっかり自立させるのがすごく難しかったです。」

赤間:「機能を重視するとデザイン性が損なわれたり、ユーザーさんの手間を増やしてしまったり、課題がたくさんありましたね。ギリギリまで迷って仕様がガラッと変更されたこともありました。」

鳥山:「コロナ禍であることも本当に大変でした。海外のサプライヤーさんにオンラインで色や部品の形のイメージを伝えるのですが、出来上がったものを見たら「これは違うな…」ということが何度もありました。直接コミュニケーションが取れない中でハードウェアを作るのはすごく難しいことでしたね。」

迫:「調達チームは普段直接サプライヤーさんに会って、円滑に仕事を進めるための窓口になるのですが、コロナ禍ではそうもいかず、ひたすらオンラインでのミーティングを重ねました。何度も連絡しすぎて嫌がられたことも…(笑)」

中川:「WHILL独自の試験を突破するためにトライアンドエラーを繰り返して安全性を追求したこともいい思い出ですね。あの時は苦しかったですがWHILLでの開発の醍醐味も感じていました。」

赤間:「WHILLは何よりも製品とサービスの安全性を大切にしているので、WHILL基準の耐久試験にクリアするのがすごく大変なんです。」

中川:「試験機の段階で独自の耐久試験を突破できなくて、何度も試験を繰り返しました。試験結果がNGだとその日のうちにもう1度強度検討を実施し、部品を修正して組みなおしてトライしたこともあります。正直、何度も何度も心を折られましたね。(笑)」

迫:「社内のコミュニケーションも大変でしたよね。最初は日程がタイトな中で色々なことをやらければいけないので、部署間で険悪なムードになることもありました。ただ、そこでみんながお互い頑張っているのは理解しているので、無駄にぶつかるのは意味ないよね!と切り替えてからは、みんなで頑張ろうという雰囲気になっていきました。WHILLの規模とメンバーだからこそできたことかなと思います。」

中川:「あの頃はお互いパズルのピースがカチッとハマったような感じでしたよね。それぞれの部署ができないことを補完しあっていました。全然手が回らない部品を鳥山さんと赤間さんが積極的にミーティングをセットしてリードしてくれて、迫さんもサプライヤーや設計チームを巻き込んで仕事を進めてくれていましたね。本来の業務の領域はみんな超えて、サポートしあってなんとか繋いだというか。」

迫:「鳥山さんはデザイナーなのに設計チームと調達チームの会議を主催して、議事録とって進捗管理をしてくれていました(笑)」

鳥山:「ありましたね、そんなこと(笑)」

赤間:「WHILLのValueに掲げられている『One Team』がこのプロジェクトでは本当によく体現されていましたよね。」


―開発を終えた今の気持ちを教えてください!

赤間:「Model Fは世界で一番簡単に折りたたみができる製品だと自負しています。折りたたむとコンパクトで、玄関などにも保管できるので、今まで保管場所がなくて電動車椅子が使えなかった人の新たな選択肢となってもらいたいです。また、折りたたんで車に積んで遊びに行く、電車や飛行機に乗せて旅行にも持っていくなど、もっと行きたいところに行く、もっとやりたいことが気軽にできる人が増えて、さまざまなライフスタイルのなかでModel Fが役立ってくれたら嬉しいです。」

鳥山:「正直まだまだやり切った!という感じではないです。Model Fがたくさんのお客様に届いて、どんな評価をいただけるのか楽しみです。私たちとしてはやれるだけのことはやったと思っていますが、ユーザー様からいただいた意見を真摯に受け止めて、より良い製品にしていこうと考えています。」

中川:「私も製品は世の中に出して初めてスタートだと思っているので、まだまだ終わったと思えていないのですが、よりよい製品を開発できるようにこれからも頑張っていきたいですね。あとはやっぱり、街中で当たり前にModel Fが走っている姿を見たいです!」

迫:「私も量産に向けてまだまだこれからだ!という気持ちなのですが、思いがけない人に使っていただけたら嬉しいなと。私は2-3年前にヒザの手術をしたのですが、その時にWHILLを使えたらよかったなと思っていました。そのような方だと、住んでいるところも車椅子を使う前提ではないと思うのですが、Model Fなら部屋が狭くてもコンパクトに収納できるので、レンタルで気軽に数週間使って、日常を不便に感じないでもらえたらいいですね。Model Fをきっかけに、誰でも気兼ねなくパーソナルモビリティ、電動車椅子を使える社会へより近づくと嬉しいです!」

赤間:「開発に関わったメンバーはみんな、自信を持ってModel Fを送り出しています。多くの方にModel Fを届けて、『すべての人の移動を楽しくスマートにする』というWHILLのミッションを体現していきたいです。」

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