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沖縄在住、オーストラリアの国籍も持つ、南アフリカ出身のエンジニアから見た「日本の良いところ」

「地獄でした」と振り返るのは、英会話スクールの教師として過ごした埼玉での日々。

来日して初めて就職した会社で、「埼玉以外」と書いた勤務地希望を提出した結果、配属されたのは埼玉県。

生活エリアとしての埼玉に満足だったのは良い意味での予想外でしたが、悪い意味での予想外で「英会話教師」という職業が合いませんでした。


そしていま、約2年半のオーストラリアでの滞在を経た2度目の日本は、沖縄で過ごしています。

豪州ではweb開発の専門学校に通う傍ら、日本で出会った友人の経営する、回転寿司屋で働きました。

そんな「住む場所」も「すること」も紆余曲折を経た藤波ルシーアさんが、昨年2019年の6月から働くのは、渋谷に本社を構える株式会社wevnal(ウェブナル)の沖縄支社。


バックエンドエンジニアとして、wevnalが運営するwebメディアやwebサービスの運営に携わっています。

インタビューでは、いまの具体的な業務内容や、wevnalへの入社に至るまでの経緯、そしてルシーアさんの感じる「南アフリカと日本の文化の違い」まで、話題は多岐にわたりました。

(インタビューは、2020年の2月に実施されました)


こんなに楽しんじゃっていいのかな

━━ルシーアさんはいま、具体的にはどういうお仕事をされているんですか?

ルシーア:wevnalが運営する、AIメディアの「AI-SCHOLAR」と女性向けメディアの「fasme(ファスミー)」の、バックエンドを担当しています。あとは今年の1月にローンチされた、AI人材のスカウトサービス「vistAI(ビスタイ)」の開発にも関わりましたね。

━━ものすごくたくさんの事業に関わってるんですね...!

ルシーア:正直、けっこう忙しくて大変です...(笑)。ただ、それ以上に毎日新しい経験をさせてもらっていて、楽しいという感覚の方が大きいですね。むしろ、こんなに楽しんじゃっていいのかな?と思うこともあります。

━━大変さを感じつつも、それ以上に楽しさを感じているんですね。ちなみに大変さは、例えばどういうときに感じますか?

ルシーア:バグの原因が、分からないときですね。一つひとつの仮説を地道に全部試していたら、ひとつのバグを修正するのに、何時間もかかることがあります。そういうときは、やっぱり大変です。

━━では逆に、それ以上に楽しさを感じるときっていうのは、どんなときですか?

ルシーア:フロントエンドとバックエンドのエンジニアが、うまく協力できているときですね。お互いが連携して、なかなか見つけられなかったバグを修正したり、新サービスを作ったりしているときは、ものすごくやりがいを感じます。

━━それぞれの役割を超えた一体感が生まれることが、ルシーアさんのやりがいや楽しさにつながっているんですね。


1学年300人中、女性は5人

━━ではここからは、ルシーアさんの学生時代からwevnal入社に至るまでの経緯について聴いていきたいんですけど、生まれてから大学を卒業するまでは、ずっと南アフリカで過ごされていたんですよね?

ルシーア:そうですね。小さい頃からプログラミングには興味があったので、大学ではコンピュータサイエンスを専攻していました。

━━当時、南アフリカで大学へ進学することって、珍しかったですか?というのも、南アフリカは、まだそれほど教育環境が整備されてないイメージがあって...。

ルシーア:珍しかったと思います。家庭によっては、小学校や中学校を卒業して、すぐに働く人もたくさんいました。私の場合は、「大学を卒業して良いキャリアを歩んでほしい」という親の思いもあって、大学に行かせてもらいました。

(※参考:南アフリカの2017年の大学進学率22.4%は、世界155ヵ国中104位


ルシーアさんの高校時代


━━あと、例えば日本では「男性は外で働いて、女性は家で子育てをする」って価値観が、まだ一部で根強く残っていたり、コンピュータサイエンスのような、いわゆる「理系」の分野は、男性が圧倒的に多かったりするんですけど、そのあたりは南アフリカではどういう状況でしたか?

ルシーア:「仕事と家庭」の価値観については、私が学生だった頃はちょうど反動があって、むしろ「専業主婦は恥ずかしい」という雰囲気だったんです。だから私も、友達から「お母さんはどういう仕事をしてるの?」と聞かれたときは、本当は専業主婦なのに「幼稚園の先生をやってる」と、うそをついていました。昔に少しだけやってことがあるので、完全なうそっていうわけではないんですけど。

━━ちょっとだけ、見栄をはっちゃったんですね。

ルシーア:理系の男女比に関して言うと、コンピュータサイエンスの学部は、1学年300人くらいいたんですけど、そのなかで女性は私を入れて5人だけでしたね。圧倒的に女性が少なかったことは、少しだけ大変でした。

━━ここまでのお話を聴くだけでも、当時のルシーアさんの境遇って、かなり珍しいですよね。ただ、それに加えて日本に興味を持った人ってなると、さらに珍しくなりそう。。。


最初の日本文化は、2020年の東京五輪を予言したSFアニメ

━━最初に日本語に触れたのは、どういうことがきっかけだったんですか?

ルシーア:「AKIRA(アキラ )」というアニメを観たことです。1988年に公開された、2019年の東京を舞台にしたSF作品なんですけど、2020年の東京五輪の開催とか中止とかが描かれていて、面白いんですよね。高校生のときに「AKIRA」に出会って、そこから日本のファッションや音楽にもハマっていきました。


画像:AKIRA 商品サイト


━━アニメや漫画がきっかけで日本に興味を持つ人って、やっぱり多いんですね...!

ルシーア:ただ、周りにはアニメや漫画を好きな人がいなかったので、学生時代に友達と語り合うみたいなことは、あんまりなかったですね...。それで、実際に日本へ行ってみたいなと思って、大学を卒業してから1年間、南アフリカの日本語学校で勉強したあとに、日本へ行くことにしました。それが2007年ですね。


大学の卒業式


━━地理的にも文化的にもすごく離れた日本へ行くことに対して、親御さんからは心配されましたか?

ルシーア:南アフリカほど危険な国はないので、どこに行っても大抵は安全になりますね(笑)。南アフリカだと治安の問題と、あとアパルトヘイト(人種隔離政策)の影響で、いまも白人に恨みを持っている人が一定数いるので。ただやっぱり、地震は心配されましたね。南アフリカって、全然地震が起きないんです。

━━たしかに経験がなくて分からないからこそ、余計に不安になるかもしれないですね...。それから実際に日本へ来て最初にされたお仕事は、英会話スクールの教師だったんですよね。

ルシーア:はい。1回目の日本での生活は、埼玉で過ごしました。ただ、日本で働く会社から事前に希望勤務地を聞かれたときに、「埼玉以外ならどこでも大丈夫です」と書いて提出したんです。いろいろと調べるなかで「埼玉が一番ダメな県です」って、いろんなサイトに書かれてあったので。配属を聞いたときは、いやがらせかと思いました(笑)

━━会社側にも、希望に沿えない事情がなにかあったんですかね。。。

ルシーア:ただ、実際に暮らしてみたら埼玉はすごく良いところでしたね。もしかしたら、観光地としては名物が少なくて魅力があんまりないのかもしれないですけど、住む街としてはとても居心地が良かったです。ただ、「英会話スクールの講師」としての生活が、私にとっては地獄でした。


一番イヤだったのは「シーンとなった教室」

━━どうしてそこまで、英会話講師のお仕事が合わなかったんですか?

ルシーア:大勢の人前で話すことの緊張に、耐えられなかったですね。私は人前で話すときは、一言一句すベて事前にセリフを考えて、メモしておかないと不安になるタイプで。ただ、その教室は一番小さくて2歳の子どももいたんですけど、小さい子どもってすぐに暴れ出すじゃないですか。

━━たしかに、長時間落ち着いて授業に取り組んでもらうのは、難しそう...。

ルシーア:ただでさえ、私は暗記してきたレッスンプランを実行するので精一杯なのに、それに加えて、目の前の子どもたちに臨機応変な対応もしなきゃいけないのは、すごく大変でした。一番イヤだったのは、それで頭が混乱して次に何を言えばいいのか分からず、教室がシーンとなってしまうことでしたね。みんなが静かなまま私をじーっと見てると、余計にパニックになります。その場では私が先生なので、みんなからの視線が集まるのは、自然なことなんですけど。

━━もしかしたら「人前で話す」ってことが、ルシーアさんの得意なことではなかったのかもしれないですね。

ルシーア:結局、英語教師は2年くらいで辞めました。ただ、英語教師を辞めた時期とリーマンショックがちょうど重なってしまって、しばらくは職を転々とする時期が続いていたんですね。それで、2011年にオーストラリアへ行くことにしました。東日本大地震が来たあとくらいのタイミングですね。私、実はオーストラリアの国籍も持っていて。


オーストラリアの雄大な自然を背景に


━━あ、そうだったんですね!オーストラリアには、どれくらいの期間住んでいたんですか?

ルシーア:2年半くらいですね。web開発の専門学校に通いつつ、日本時代に出会った友達が移住して経営している回転司屋で、働いていました。

回転寿司屋さんで働いていた、オーストラリア在住時代


ルシーア:ちなみに、埼玉で働いているときに出逢った、いまの日本人の旦那と一緒に来ていたので、結果的に職場でも家でも日本語を使うことになったんですね。だから日本を離れてからの方が、日本語がうまくなりました(笑)



大学時代の肥やしが、幾ばくかの時と海を経て実る日々

━━そこから2回目の日本として、2014年に沖縄へ来ることになったのは、どういうきっかけだったんですか?

ルシーア:沖縄の最北端にある、伊平屋島(いへやじま)という島に住んでいる友達から、「海洋保護を目的としたNPO法人を立ち上げるので、手伝ってほしい」とお願いされたことですね。旦那とは、沖縄へ来るタイミングで結婚しました。ただ、いろいろと事情が変わり、結局NPO法人の話はなくなってしまって。

━━そうだったんですね...。それでルシーアさんは、どうされたんですか?

ルシーア:オーストラリアで学んでいたweb開発の分野で、働くことにしました。ただ、wevnalの前に働いていた会社では、フロント寄りの仕事が多かったんです。もう少しバックエンドの業務に関わりたいなと思って、転職を考え始めました。そこでPHPエンジニアを募集していたwevnalを見つけて「私にピッタリだ!」と思い、応募していまに至るという経緯ですね。

━━そんな紆余曲折を経た経緯だったんですね。ルシーアさんはwevnalも含めて、これまで何年にもわたって日本で働かれてきたと思うんですけど、そのなかで日本と南アフリカとの、文化や価値観の違いを感じることはありましたか?

ルシーア:日本の「目立たなくてもいい」と言う価値観が、私に合っているなと思いますね。逆に南アフリカでは「目立たなければならない」という価値観が、とても強いんです。でも私は、小さい頃から静かで影の薄い人間なので...(笑)。日本だと、無理に個性を出して目立とうとしなくても、コツコツとやるべきことをやっている人も評価してもらえるので、その環境はフィットしていますね。

━━日本人が海外へ行くと、「もっと自己主張すべき!」って言われることが多いんです。ただ、逆に海外で育った人でも積極的な自己主張をしない人はいるはずで、それぞれに合った価値観があるってことだなと、今回ルシーアさんのお話を聴いて改めて感じました。では最後に、ルシーアさんがこれから目指すエンジニア像を教えてください!

ルシーア:みなさんから頼ってもらえるような、1人前の開発者になりたいですね。そのためには、いま私が苦手としている「インフラ」とか「ネットワーク」とか、プログラミングとは少し離れた領域の知識を身につけたいです。言語もPHPだけじゃなくて、他の言語やフレームワークにもチャレンジしたいと思っています。あとは自社チャットボットサービスの「BOTCHAN(チャットボット)」にも、興味がありますね。

━━おお...!盛りだくさん...!いま以上に幅広い領域のスキルを身につけて、開発者としてパワーアップしていきたいということですね。ということで本日はインタビューさせていただき、ありがとうございました!




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