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自分を理解し、転機をつかむ| オンライントークイベント「ぼくらの転機〜ココロオドル仕事との出会い方」#4 レポート

Wantedlyのプロフィールのフルリニューアルを記念して開催しているオンライントークイベントシリーズ『ぼくらの転機〜ココロオドル仕事との出会い方』。2021年1月26日(火)に行われた第4回では、MCにコラムニストの島田彩さん、ゲストにはビジネスパーソン向けWebメディア『新R25』編集長の渡辺将基さんをお招きしました。

以前から『新R25』をよくチェックしていたという島田さん。ヒットコンテンツを生み出し続ける渡辺さんの転機とは? 緊急事態宣言を受けて、フルリモートで開催された対談風景の一部をお届けします。

新しくなったWantedlyのプロフィール――渡辺さんとインターネットの出会い

島田:新しくなったWantedlyのプロフィール。今回、渡辺さんにもつくっていただきましたが、印象はいかがですか?

渡辺:文字だけの職務経歴書と比べると、ぱっと見の印象から全然違いますね。その人のキャッチコピーやこれからやってみたいことが書いてあると、興味を惹かれます。就職や転職活動でも、職歴書の代わりにWantedlyプロフィールを提出する文化ができたらいいのになと思いました

島田:それ、いいですね! 個人的に面白いなと感じたのは、プロフィールの「スキルと特徴」欄です。つながっている人のここがすごいと思ったことに投票※できるんですよ。実際に今、渡辺さんに投票してみますね。

※つながりリクエストを承認された相手にのみ、一項目に対し一票を投票することが可能です。

渡辺:お、編集のスキルがゼロからイチになりましたね。ありがとうございます! 投票してくれる人が増えたら信頼性の高いプロフィールになっていきますし、他のSNSにはない機能がいいですね。

島田:そうですね。ところで、実は会社員の方をゲストとしてお招きしたのは今回が初めてなんです。渡辺さんはメディア業界でキャリアを積んでこられたイメージがあったのですが、大学卒業後に入社されたのは人材系のベンチャー企業だったんですね。

渡辺:はい。なんとなく良さそうだなと思った会社に、なんとなく入りました(笑)。入社したての頃は、ブラウザが何かわからなくてググっていたほど、インターネット音痴でした。

島田:それなのにどうして、インターネットの会社に転職されたんですか?

渡辺:転職先のモンスター・ラボの社長がクライアントで、営業としてスカウトされたんです。「せっかく誘ってもらえたし、インターネットって縁が遠い世界だけど成長産業だから転職してみるか」と思ってノリで決めました(笑)。そこからはずっとインターネットの仕事しかしていないので、あのとき思い切って飛び込んでみてよかったと思います。社会人になってからの最初の転機ですね。

渡辺さんの転機:自分の志向性に気づいて舵を切る

島田:その後、営業からWebディレクションへキャリアの方向転換をされたのはどんな転機があったのでしょうか?

渡辺:仕事でついやってしまうことに違和感を覚えたのがきっかけですね。具体的には、提案資料の見た目のクオリティーにすごくこだわったり、自分が獲得した案件に対してプロデューサー的な立場で仕事を進めたくなったりしていたことです。

一方で、隣の席の“できる営業マン”は、つくる提案資料は汚いけれど数字にはコミットする人でした。営業としての成果だけを考えれば、それでいいはずなんです。なんですが……、自分はこだわりを捨てられなかった。悩んだ末に、ものづくりが好きな自分の体質に抗ってはいけないと感じ、転職を決めました。

島田:ついやってしまうこと、共感します! 私も会社員時代、会議の議事録を書くのがとても好きでした。見やすいように改行したり、見出しをつけたり、求められていないとわかっていてもやってしまうんですよね。あるときは、日報でいきなり小説が始まることもありました(笑)。

渡辺:島田さん、やってそうなイメージありますね(笑)。

島田:普段やっている仕事のなかで、無意識にこだわってしまうポイントを探してみると、自分の転機になるかもしれないですね。さて渡辺さんの話に戻りますが、Webディレクターとしてカカクコムに入社後、1年足らずで次の会社に移られたのはどうしてですか?

渡辺:会社の体質が合わなかったからです。当時のカカクコムは年功序列の組織で、長く勤めたら報われる、評価される会社でした。オフィスの雰囲気も物静かな感じで、目立ちたがり屋の僕は満足できなかったんです。提案すればアイデアをスピーディーに形にできるような、裁量を与えてくれる環境で働きたいと思いました。

島田:実際に働いてみないとわからないことってありますよね。それも、ひとつの転機ですね。サイバーエージェントはどんなきっかけで入社されたんですか?

渡辺:サイバーエージェントが主催していた社会人向けコンテストで優勝して、採用してもらいました。ラッキーなことに、コンテストのレベルが低かったんですよね(笑)。当時、趣味でUIに特化したブログをやっていたんですが、なぜか何の実績もないのにネット界隈でUIの専門家みたいな扱いを受けていたんです。「ヤバいな〜錯覚資産だよ〜」なんて思いながら、持ち前のハッタリ力を発揮して、UIのスペシャリストっぽい顔をして入社しました。

島田:いやいや、ブログで発信する内容を認めてくれる人がたくさんいる時点で、スペシャリストだと思いますけどね。サイバーエージェントに入社後、ここは転機だったなと思うタイミングはいつですか?

渡辺:『新R25』を立ち上げたときですね。最初の頃は、フリーペーパー時代の『R25』の看板コンテンツを引き継いで、時事問題をわかりやすく伝える記事をつくっていました。しかし、なかなかPVが伸びなかったんです。

原因を考えた結果、これだけ情報が溢れている時代に情報価値を発信しようとしていること自体間違っているかもしれないと気づきました。それだったら、読んだらやる気が出る、モチベーションが上がるといったコンテンツのほうが提供するバリューとして価値があると感じ、思い切ってそういう方向に舵を切ることにしたんです。

島田:今はその形で成功されていますが、当時はスムーズに事が運ばないこともあったんじゃないですか?

渡辺:そうですね。部下との関係性には、ずいぶん頭を悩ませました。僕の中では編集長って、部下が提案してきた企画に対して意見を出すのが仕事というか、ドンと構えているイメージがあったんです。だから、そんな感じでやってみたら見事にチームがまとまらなくて、途方に暮れていました。

島田:それは悩みますね。どうやってその状況を解決されたんですか?

渡辺:当時の上司が僕に言ってくれたひと言で、吹っ切れました。「一旦、渡辺の好きにやっていいよ。プレイヤーになっていいから」って。それで自分がある種、―プレーヤーとして突っ込んでいくスタイルをとってみたら、チームがうまく回り始めたんです。一歩引いて指示をするだけではなく、自分から率先して成功例をつくり、部下を導くようなリーダーもありなんじゃないかと思いました。

島田:なるほど。渡辺さんは転職するごとに、自分への理解を深めて成長されていて、本当にすごいです。最初は自分の志向性に気づき、次は自分に向いている環境を知り、自分に合った仕事のやり方を見つける。理想的な転機のつかみ方だなと思いました。

ココロオドル仕事との出会い方:自分を理解し、発信すること

島田:イベントのトークテーマでもありますが、どうすればココロオドル仕事と出会えると思いますか?

渡辺:自分のことを理解して、自分がどういう人間なのか、周囲に気づいてもらえるように発信することですね。例え今、目の前にある仕事が苦手でも、とにかく真剣に取り組んでみる。逃げずに向き合うことで、何かしら気づきが生まれるし、それを学びに昇華できるチャンスがくると思います。僕もそうでしたから。

島田:発信するというのは、ネット上だけじゃなくてリアルコミュニケーションでもいいんですよね?

渡辺:もちろんです。自分を発信することをあきらめて、嫌な仕事ばかり振られることに文句を言っている人は本当にもったいないと思います。会社だって、その人に合った仕事をお願いしたいと思っていますから。

イベント配信を終えて:失敗こそが資産になる

──トーク中に「ハッタリ力」というワードが出ましたが、転機を掴むためにハッタリ力は必要だと思いますか?

島田:時には必要だと思いますね。私は使ってよかった経験しかないかも。思い起こせば就活の時も、簡単なものしかできないのに「映像つくれます!」と、ハッタリをかましてました(笑)。内定が決まった後、入社前に焦ってめちゃくちゃ勉強しましたけどね。

渡辺:島田さんのように自分を客観視できている人であれば、ここぞというときにハッタリ力が活きてきますよね。「自分はこの程度の人間だ」と認知できていれば、つくりあげた虚像に今の自分を近づけようと頑張れますし。一方で、自分を客観的に判断できない人は実力以上に大きく見せることばかり考えて破滅してしまうので、ハッタリ力を使うのはおすすめできません。

──自分を客観視できているのか、いまいち自信がないという人もいると思います。

島田:物事を俯瞰的に見ることが得意な“客観視おばけ”と意見交換してみると良いかもしれないですね。はっきり意見を伝えてくれる友達や同僚からフィードバッグをもらってみるとか!

渡辺:いいですね。日頃から自分を発信していると、そういう時に意義のあるコミュニケーションがとれますよね。なかなか周囲に相談できる人がいない場合は、自己分析の本を読んでみるのも良いと思います。

島田:自分の評価を知ることに対してこわいと感じる人もいるかもしれないけれど、自分では認識できていない得意なことに気づけるチャンスにもなりますよね。まずは優しいところから、自分のことを好きな人に意見を聞いてみてはどうでしょうか。

──それなら、今すぐ行動できそうですね。最後に、どうすれば渡辺さんのように失敗を恐れずにチャレンジし続けられるようになるのか、アドバイスをお願いします。

渡辺:失敗は社会人として圧倒的な資産になります。失敗には原因があるので再現性が高い。新しいことにチャレンジした際に、「あの時こうして失敗した」という経験が判断基準として活きてきます。お金では買えない資産を築けると思えば、ちょっとは勇気が湧いてきませんか?

島田:それはわかっているけど、やっぱり失敗するのはこわいんですよね。私もそうなので、失敗するのがこわいときは共犯者をつくります。自分ひとりで失敗したときより、誰かと一緒に失敗したときのほうが凹まないんですよ。会社員の頃はよく、同僚に「一緒にコケて〜」と、お願いしていました(笑)。

渡辺:ひとりで成立する仕事なんて、ほとんどないですしね。そもそも、ビジネスでは誰かが成功していることに挑戦しても、二番煎じに終わってしまいます。今まで誰もやったことがないようなことにチャレンジしてこそ、成功を掴めるんです。

島田:確かに、そうですね。

渡辺:だけど、そういうことには大抵失敗の可能性が潜んでいます。失敗するかもしれないし、成功するかもしれない。両方の可能性があることこそ、ビジネスとしての成功に繋がっていると思います。だからこそ、勇気を持って選択していくことが、成功への近道です。

それに、サラリーマンはいくら失敗しても給料がなくなることはないですからね。失敗した者勝ちですよ。実は僕も今、これまでの『新R25』のコンテンツづくりの根底を覆すようなチャレンジに挑戦しているんです。

島田:根底を覆す……! どんなものなのか気になりますね。いつ頃形になるんですか?

渡辺:早くて、今年の夏頃までには披露できそうです。きっと見ていただいた人には「こういうことか!」と感じてもらえると思います。

島田:楽しみですね! 今後もますます『新R25』から目が離せなくなりそうです。

WantedlyのYouTube公式チャンネルでは、1月26日(火)に開催されたオンライントークイベントの様子をアーカイブ配信中です。

イベントレポートではお届けしきれなかった視聴者からの質問へのアドバイスや、渡辺さんがハッタリ力を養うのに役立ったことなど、ここだけの話が盛りだくさん。気になった方はぜひ、本編の動画をチェックしてみてくださいね。

そして、これまで全4回にわたりお送りしてきた「ぼくらの転機〜ココロオドル仕事との出会い方」でしたが、今回の配信で一旦終了となります。ご覧いただいた視聴者のみなさん、本当にありがとうございました! またいつの日かお目にかかるのを楽しみにしています。

第4回 イベントアーカイブはこちら

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