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【ものづくり座談会】最短で最適解を見つけるには?試行錯誤を繰り返した、ゼロイチのサービス開発奮闘記

こんにちは、WAmazing株式会社の採用広報担当です。

今回は、買い物プロダクト(訪日外国人旅行者向けの空港受取型オンライン免税ECサービス)チーム座談会の模様をお届けします!

プロダクトマネージャー(以下PM)の松本さん、フロントエンドエンジニアの王さん、サーバーサイドエンジニアの宮崎さん、そしてファシリテーターとしてCTO𠮷野さんに参加してもらいました!

総勢8名(エンジニア4名、PM1名、デザイナー1名、ディレクター1名、マーケター1名)でチーム一丸となって生み出された買い物プロダクト。しかし、2019年10月のサービス開始直後はなかなか厳しい状態で……軌道に乗るまでには、一体どんなストーリーがあったのでしょうか?

※本記事は2020年2月14日に収録されたものになります

旅行中の「おつかい」に時間を取られる人多数!? お土産購入の意外な実態

吉野:今日はよろしくお願いします。ではまず、みなさんの担当業務について教えてください。

松本:私はPMとして、この「訪日外国人旅行者向けの空港受取型オンライン免税ECサービス」に関する全責任を持ち、プロダクトの成長を担うのが役割です。

サービスコンセプトの検討から売上目標の設定はもちろん、開発・マーケティング・営業・CS等のチーム内外のメンバーと連携して、様々な角度から全体を見渡しています。

王:私はフロントエンドエンジニアとして、中国エリア向けWeChatミニプログラム「玩尽日本免税站」と台湾エリア香港エリア向けECサイトのUI設計・開発を担当しています。プロダクト全体の開発スケジュール管理や開発環境の選定にも携わっています。(王さんの個人インタビューはこちら

宮崎:私はサーバーサイドエンジニアなので、商品管理画面の作成や商品を仕入れる際の発注システムなど、サービスの裏側で動く部分を担当しています。(宮崎さんの個人インタビューはこちら

(プロダクトマネージャー 松本)

吉野:そもそも空港受取型免税ECサービスとはどんなサービスなのでしょうか?

松本:簡単にいうと、訪日前・訪日中の外国人旅行者を対象に「サイト上で商品を免税価格で販売し、 購入いただいた商品を帰国時に空港の専用カウンターでお渡しする」サービスです。

前提として、WAmazingは「訪日外国人旅行者が感じる不便さを解消するプロダクトをつくる」という社としての方針があります。

これまでもWAmazingでは、無料SIM配布の戦略と並行して、立ち上げ当初から観光関連サービス(宿泊、交通/アクティビティ等)がいくつも検討、開発されてきました。

その中に、もともと「買い物」に関するビジネスの構想があって。現在のサービスをやることが決まったのが、2019年春ですね。

吉野:そこから次の段階として、具体的にどんなサービスにしていくかの検討に入ったと思うんですが、最初に何をしていったのですか?

松本:現地調査から始めましたね。外国人旅行者が実際に日本でどのように買い物をしているのか知るため、社内の外国人スタッフと一緒に、銀座の百貨店を視察しました。

吉野:現地でどんなことに気づいたんですか?

松本:百貨店の1Fにある化粧品売り場には、特に外国人旅行者が多いのですが、中でも外国人の「男性」がとても多かったんです。

日本人男性の多くは、クリスマスかホワイトデーくらいしか足を踏み入れないフロアですよね。まずそこで「どういうことだろう?」と。

そこで彼らの買い物の様子を観察してみると、スマホで高級化粧品の写真を見せながら、店員さんに「これください!」と言っている方がほとんどで。どうやら男性がパートナーや家族と、リアルタイムにメッセージのやりとりをしているようでした。

吉野:つまり、「おつかい」に来ている男性が多かったんですね(笑)。

松本:そうなんです(笑)。ここから、せっかくの旅行中でも「手間のかかるおつかい」のため銀座に来る外国人も多いのではないかと仮説を立てました。

そして、単にお買いものを楽しむ人向けのサービスではなく「買いたいものが決まっている人」に向けた「商品を簡単に買えて、空港で簡単に受け取れるサービス」というコンセプトが決まっていったんです。

「リリース後2ヶ月、売上0円」の胃が痛くなる日々を乗り越えて

(フロントエンドエンジニア 王)

吉野:エンジニアの2人は開発の時に心がけていたことはありますか?

王:私は、サービスの概要がある程度固まった段階でプロジェクトに加わったのですが、コンセプトを聞いてすぐにアプリのUIイメージが思い浮かびました。それをどんどん形にしていった感じですね。

松本さんは、プロダクトのコンセプトやユーザー像、解決したい課題などのポイントをシンプルに伝えて、アウトプットはエンジニアに任せてくれるスタイル。

台湾・香港・中国それぞれのエリアに適合した形で作っていくので複雑な部分もありましたが、1つずつ解決策を考えながら、集中して開発を進めていきました。

吉野:宮崎さんはどうでしたか?

(サーバーサイドエンジニア 宮崎)

宮崎:私は2019年の9月に中途入社したので、リリースの最終段階でジョインした形です。

その段階では既にバックエンドのメイン部分はほぼ出来上がっていましたが、まだ完成していなかったのが商品管理システム。なので私は、商品の受け渡しをする空港内実店舗用システムの管理画面の開発からスタートしました。

短期間で形にする必要がある中、最初からすべてを完璧にはできません。そのため開発においては優先順位をつけて動くこと、「どこにどれだけ力を入れるか」「どうスピードとクオリティのバランスをとっていくのか」を強く意識しましたね。

吉野:そして2019年10月下旬、満を持してのサービスリリースとなりましたが、最初の反応はどうでしたか?

松本:それが、滑り出しは最悪でした(笑)。リリースしてから3ヶ月近く、商品が1個も売れない状況で。精神的にも正直、かなりきつい状況が続きました。

でも、落ち込んでいても仕方がない。「やみくもに急いでも成果は出ない」と割り切り、とにかく今取れるデータから「なぜ売れないのか?」と仮説を立てては、地道に試行錯誤を繰り返していきました。

問題は品揃えなのか、UIなのか、情報量なのか、知名度なのか。それをどうすれば変えられるのか。可能性を片っ端から試しましたね。

吉野:開発面では、どういった改善をしていったのですか?

宮崎:テストを繰り返すうちに、サイト上で欲しい商品をカートに入れ決済画面にいっても、商品が表示されない場合があると判明。

これはカートに入れる段階で在庫チェック機能が実装できていないことが原因だったので、まずそこの改善から着手しました。

王:購入情報だけではなく、受け取りについての情報も重要です。サイトで商品が購入されても、直後に空港で受け取れる訳ではありません。

当然、倉庫から空港に商品を配送する時間がかかるため、最短でいつ商品が届くかを明確にし、ユーザーに誤解を与えないようにサイト内でわかりやすく伝えるようにしました。

松本:そして、2019年の12月後半、色んな手を打っていった結果、一筋の光が見えてきました。ある日本ブランドの売れ筋の化粧品を販売したところ、ようやく初めてのコンバージョンが出たんです。

とにかくなりふりかまわず「何が売れるのか」「どう見せるのがよいか」を試し続けたことが良かったのかなと。

このサービスは、まだまだこれから。一段階上の機能充実を目指して

吉野:今は手応えを感じ始めてきていますか?

松本:そうですね。まだまだ発展途上ではあるのですが、今年の1月に入ってからは、少しづつ売上も上がってきていて様々な改善の成果が出てきていると言えます。

また、リリースして数ヶ月の中で新たに見えてきたこともありますね。それは「買いたいものが決まっている人が物を簡単に買えて、簡単に受け取れる」という立ち上げ時のコンセプトは、利用パターンの全てに当てはまるわけではないこと。

例えば、お土産用のお菓子です。化粧品などと異なり、お菓子は必ずしも特定の商品が欲しい訳ではないことも多いので、複数の商品をパッケージ化して販売するような売り方がいい場合もあります。そのあたりを踏まえて、商品ラインナップもさらに検討していく必要があるかなと。

宮崎:品揃えを増やしていくにあたっては、商品データ入力等の作業が増えることになるので、管理面の効率化も重要ですよね。エンジニアとしては、できるだけ入力ミスが防げるような正確性を担保しつつ、スピードも担保できるシステム作りをしていきたいと思います。

吉野:UIデザインの視点ではいかがですか?

王:全てのユーザーに、満足度の高い購買体験ができるようにしていきたいと思います。特に欲しいものの「探しやすさ」を意識しているので、検索機能は充実させたいですね。また、それに伴う検索結果画面の見せ方も改善を図っていきたいです。

最初からすべて完璧を目指すのではなく、現実的な最適解を見つけるために

吉野:最後に、このサービスの開発を通じてどんな学びがあったかを教えてください。

王:「折り合いをつける」ことの重要性ですね(笑)。

コストや人的リソースに制約がある中で重要なのは、いかに現実的なところに落とし込んで、いいサービスを作れるかです。できることとできないことを把握し、なんでもやるのではなく優先すべきことを判断する。これは今回のプロジェクトで学んだことであり、私の今後の課題でもあります。

宮崎:入社してたった2ヶ月で、ほぼ未経験からバックエンドエンジニアとして一人立ちできた経験は大きいですね。アジャイル開発の手法もこの現場で学ぶことができました。社内のハイスキルなエンジニアからフィードバックをもらいながら、ビジネスとしてのサービス開発・改善の経験ができたことは間違いなくこれからの財産になると思います。

松本:私はWAmazingに入社して3年半が経ちますが、まだどこかで「しっかり準備を整えて完璧に進めなきゃ」という、大企業にいた頃の「慎重」になってしまう癖が残っていて。

でもこのサービスはどんどん手を打っていかないと、死んでしまいます。商品が売れるためなら、できることはなんでもやる必要がある。商品が欠品していたら街の量販店に買いに行くなど、泥臭いことを考えて実行することもあります。

「完璧じゃなくていいから、とにかく動こう」という気持ちがここまで強まったのは初めてです。これこそがゼロからイチをつくっていくことだと実感していますし、これからもっともっと、泥水を被ることを恐れず、プロダクトを成長させていきたいと思います!

吉野:みなさん、今日はありがとうございました!

取材協力:CASTER BIZ recruiting

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