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日本のR&Dと世界の未来をつなぐ vol.3 事業化の背景

こんにちは、代表の大野です。

当社の事業理念を説明するシリーズの第3回目です。
前回までで、特許と特許料についての説明をしてきました。
今回は、事業化の背景についてのお話をしていきたいと思います。

<バックナンバー>
日本のR&Dと世界の未来をつなぐ vol.1 特許について
日本のR&Dと世界の未来をつなぐ vol.2 特許料について


▼事業化の背景
まずは、お決まりの事業化の背景からお話をしたいと思います。
なぜその事業をはじめたのか、というのはよく聞かれるお話ですが
もちろん「戦略的にこうこうこういう理由で…こういうわけなんです」
といった、かっこいい理由をバシッ!と説明できればいいのですが、
「とりあえずやってみなきゃわからないから、はじめちゃえ!」
という側面もなきにしもあらず。

考えるだけでは始まらない、という考え方が大事なので (← いいわけ)
ある程度の理由は持ってはじめてはいるものの、見切り発車の部分も当然あります。
しかしながら、はじめてから気づいたこと、時間が経ってから気づいたこともは多々あり
それによって、ますますこの事業に力を入れていこうという意思を固めた側面もあるので
今日のお話には、そういったものが含まれていると考えていただければ幸いです。
なので正確には

事業化の背景と、事業に本腰を入れようと思った背景

といったところでしょうか。
それでは、さっそくスタートです。

▼特許と経営戦略
さて、今日時点で、当社スワローインキュベートは、
虹彩認証技術の企業であったり、感情認識技術の企業であると思われがちですが、
半分合っていて半分合ってないというのがホントのところです。
当社は、特許の活用支援企業であり、技術のインキュベートを行なっている会社です。
そして、活動の一環として、虹彩認証技術や感情認識技術を提供している、といった立ち位置です。

これから事業の全体像、背景をお話することで、その辺りがおわかりいただければ嬉しいなと思います。

まずはじめに、現在日本の大手企業において、活用されていない・あるいは活用できない特許が数多くあり、かつそれを各企業が継続的に保有しつづけているという現状があるのはご存知でしょうか?

2002年に小泉首相が打ち出した『知財立国』という言葉にも後押しされ、
かつて日本の大手製造企業を中心に、こぞって特許をとりまくる、という時期がありました。
「とりあえず、数だ!特許をとりまくって、市場を独占支配しろ!」
という形で、
国内・国際出願問わず、バンバン特許を申請・権利化するようになります。
本来、特許の目的としては、大きく分けると、積極的側面と消極的側面に分かれます。

積極的側面としては、
アイディアを独占的に実施できることにより、
その分野における事業収益の最大化が図れます。

消極的側面としては、
他者による同様のアイディアを盗まれることを差し止めたり、
損害賠償を求めることができる防衛的な側面です。

なので、特許があればあるほど、市場で有利なポジションを築くことができる、
逆に特許の取得に遅れをとると、あっという間に他社にそのマーケットを取られてしまい、
ある市場に全く参入できない事態に陥ってしまうということです。
そうして、各社しのぎを削る中、
特許を出しまくって、とりまくっていたわけですが、
ある時、ふと振り返ると、
社内の管理コストがものすごいことになってしまっていることに気づくのです。

ここまでの本シリーズのブログで説明した通り、
特許というのは、特許庁に取得申請をして、審査を経て権利化されるわけですが、
その際の出願料、登録料のみならず、持っているだけで、毎年「維持年金」(特許料)がかかります。

また、その維持年金は、数年ごとに、跳ね上がっていくため、
保有している特許が多ければ多いほど、
毎年バカにならない特許料を特許庁に納めなければならなくなります。

膨大に膨れ上がった維持年金(特許料)を目の当たりにした大手企業は、
「さて困ったぞ」
と、保有特許の管理に困り始めることになります。

もちろん「金のなる木」となる特許もありますが、
数が増えれば増えるほど、あまり使われないような技術も割合として増えてきますし、
旬な技術として取得しても、社内の大きな方針変更のお告げにより、
一瞬で社内で使えなくなった特許技術もあります。
もちろん、それらの特許権を放棄してしまえば、特許料は以後かからなくなるのですが
その放棄した権利部分は、市場では当然自由化され、
どの企業・どの人にも平等に使用することができるようになり、
下手に権利を放棄してしまうと、長年かけて築き上げてきたマーケット占有率を
競合企業に、あっという間に塗り替えられてしまうリスクがあります。
とるべき選択は2つに一つ。

① 事業領域の防衛のため、特許料を払ってまで保守的に保持しつづける
② 特許権を放棄することで削減した固定費を、再投資に振り向けることで、コア事業の成長を狙う

もはや特許戦略は、企業成長に大きく関与する経営マターになっているのです。


▼オープンイノベーションの高まり
そこで近年、にわかに動き出したのが、オープンイノベーションの動きです。

これまで研究成果の機密化や、自社で独占するためのものであった特許を、他社をからめて活用できないかと模索する、これまでの常識では考えられない動きがはじまることになったのです。

これまで自社が長年かけて生み出した研究成果を独占するため、
研究内容を隠し、特許として権利保護することによって、
市場を形成するやり方であるクローズドイノベーションから、
自社リソースだけでは生み出せない、
他社との連携により新しくイノベーションを生み出そうとする
オープンイノベーションの動きが出はじめました。


これは、けっこう衝撃的なことです。

「せっかく自社で巨額のお金をかけて生み出した研究成果をなぜ外部に出さなければならないのだ!」
と、部長さんも顔真っ赤っかもので、根本的な企業戦略の考え方をひっくり返すものだったんですが、
昨今のIT・IoTといったテクノロジーの力により、急激にスピードアップした今の市場環境では、
企業規模が大きいと、リスクのとった事業チャレンジや、事業シフトがなかなか難しいことも、
要因となっているのかもしれません。

これまで、外部企業に「一緒に共同研究しませんか?」
と持ちかけるようなオープンイノベーションが多く見受けられてきましたが、
ある企業においては、既存の研究成果である、特許活用についても、
このオープンイノベーションの考え方を採択するようになりました。

さて、果たして、特許を他社に活用してもらうことで、
新事業を創出し、新しい事業としてイノベーションを起こすといった夢は、
うまくいくのでしょうか?

長くなったので、続きは次回。

つづく

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