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開発効率を最大化させるために鈴木商店では時差出勤を本格的に導入します。

1.自律的に時間を有効活用するための時差出勤

 鈴木商店では、エンジニアが自律的に時間を有効活用して開発効率を最大化させることを目的として、2019年7月から2019年12月までの期間に、リモートワークと並行して時差出勤をトライアルで実施した結果、デメリットよりもメリットが大きいという肯定的意見が多数を占め、時差出勤を本格的に制度として導入することが決まりました。

2.時差出勤とは

(1)時差出勤は所定労働時間を変えずに始業・終業時刻を自由に選べる制度

 時差出勤制度とは、1日の所定労働時間を変えずに従業員が個人の都合で始業時刻及び終業時刻を自由に繰上げ・繰下げできる制度です。例えば、通常の始業時刻が9時00分、終業時刻が18時00分の会社において90分間繰り下げる場合、始業時刻は10時30分、終業時刻は19時30分に変更できます。この場合、総労働時間は「8時間」のままで変わりません。

 繰上げ時間と同じ分、時間を繰り上げて早めに退社した場合、通常の時間勤務と同様の賃金を支給し、原則として割増手当は発生しませんが、1日8時間を超過した又は深夜勤務を行った場合など、法定労働時間を超える場合は、時間外割増手当や深夜割増手当を支払う必要があります。また、繰上げ・繰下げ可能な始業時刻及び終業時刻のパターンや時間の範囲を就業規則に記載しなければなりません。

 鈴木商店においては、定時が10時00分~19時00分(休憩60分)、1日の所定労働時間は8時間ですが、毎朝午前11時00分に朝会が行われるため「午前11時00分までに出社し、午後15時00以降に退社可」という形でリモートワークと併せて(試用期間を除く)全社員を対象に、2019年7月1日よりトライアルを開始しました。

(2)時差出勤とフレックスタイムの違い    

 フレックスタイム制とは「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が 日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度」です。(厚生労働省HPより)

 働き方改革関連法による労働基準法の改正により、2019年4月から、清算期間の上限が1ヶ月から3ヶ月へ延長されました。フレックスタイム制度を導入する場合は、就業規則等への規定及び労使協定を締結することが必要であり、また、労使協定においては次の内容を事前に決定し、清算期間が1ヶ月を超える場合は、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

 ①対象となる労働者の範囲
 ②清算期間
 ③清算期間における総動労時間(清算期間における所定労働時間)
 ④標準となる1日の労働時間
 ⑤コアタイム(※任意)
 ⑥フレキシブルタイム(※任意)

 清算期間が1ヶ月を超える場合において、時間外労働の計算については「労使間で定めた清算期間の終了時に週平均40時間」または「各月の終了時に週平均50時間」のいずれかを超過している労働時間が時間外労働とカウントされ割増賃金を支払う必要があります。

◎参考:厚生労働省『フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き』
https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf

 従業員の主体的な選択のもと自由に勤務時間が選べるとはいえ、始業・就業時刻をスライドするだけの時差出勤とは異なり、フレックスタイム制は勤怠管理や給与計算の観点においてやや難易度が高く、また、会社側と従業員の認識が異なるとトラブルが生じる恐れがあるため注意が必要です。

3.時差出勤の効果について

 時差出勤のトライアル(2019年7月から2019年12月にかけて実施)に関する弊社エンジニアの意見を訊いてみました。(時差出勤の利用率は約75%)

(1)時差出勤を利用している又は利用していない理由について

   ①利用する理由
    ・生活リズムの関係で午前10時以前に業務を開始するから。
    ・通勤ラッシュの混雑緩和。バス・電車に座って通勤できる。
    ・勉強会に参加しやすくなる。スキルアップの時間が取りやすくなる。
   
   ②利用しない理由
    ・特に利用する理由がないため。
    ・試用期間中だっため利用していない。

(2)時差出勤のメリット及びデメリットについて

   ①時差出勤のメリット
    ・生活リズムに合わせられる。仕事とプライベートの時間を効率化できる。
    ・通勤ラッシュ緩和。満員電車に乗る必要がない。
    ・満員電車の混雑を避けられ無駄に体力を消耗しないので仕事に集中できる。
    ・病院が閉院するまるまでに通院できる。
    ・家族そろって夕食をとれるようになった。
    ・配偶者と生活リズムをあわせられるようになった。
    ・19時より早く帰れるからハッピーアワーへ行ける。お得感がある。   

   ②時差出勤のデメリット
    ・メンバーの出勤状況の把握が難しい。共有カレンダーを見る必要がある。
    ・会議の設定が難しい。 
    ・顧客対応(電話対応等)で支障が生じる。

(3)時差出勤トライアル期間に得られた具体的効果について

  ●会議の時間設定を早めにするということでスケジュール調整を円滑にできる。
  ●Slack勤怠連絡での遅刻連絡が減った。
  ●仕事の段取りが効率的になった。

(4)時差出勤制度導入にあたり改善又は注意すべき事項について

  ●朝会と夕会の時間を意識して出勤時間を調整する必要がある。
  ●時差出勤を利用しやすい風土をつくる。
  ●時差出勤に対する顧客理解を得るための施策が必要である。

(5)その他、時差出勤や働き方に関する自由意見

  ●リモートワークと時差出勤を併用すると、ワークライフバランスや業務効率が飛躍的に向上する。通勤時間を業務の時間に当てられ、早く終業できることのメリットは大きい。
  ●神戸市内等、地域に事業所をつくってほしい。
  ●Coworking利用手当を支給してほしい。
  ●フルフレックス、フルリモートを自由に活用して個人のベストパフォーマンスを発揮できたら理想的である。

4.時差出勤についてまとめ

 時差出勤制度の本格導入にあたり、チーム内における出退勤時刻の共有方法や顧客対応に関する課題が残りつつも、「家事育児の時間を確保でき家族との時間が増えた」「通勤ラッシュを回避でき開発に集中できた」「勉強会に参加しやすくなりスキルアップできた」等々、肯定的意見が多数を占め、デメリットよりもメリットが上回る結果となりました。

 労務の観点においても、勤怠管理や給与計算がフレックスタイム制度よりも複雑ではないため、システムや共有スケジュールをうまく活用すれば効率化が進み、比較的導入への障壁が低いといえるでしょう。

 鈴木商店では時差出勤を始め、エンジニアが自主的に時間を有効活用して業務効率化を加速させ、お客様へより質の高いシステムを提供するための取り組みを、ITベンチャーならではの強みを活かして今後も全社で追求して参ります。

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