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【森の住人インタビュー】消防士からホテルマンに転身。人のために生きる小笠原航雅さんにインタビューしました!

宇和島市で生まれ育った小笠原くんは、消防士からホテルマンに転身。2020年の春にサン・クレアにジョインした彼は『人のために立ちたい』というブレない芯を持つ。彼の過去、今、そして未来についてインタビューをしました!

Q. 前職では4年間、地元宇和島市で消防士をしていたということですが、どんな経緯で消防士に?

小さい頃からずっと消防士を目指していました。
よく、なんでなったの?って聞かれるのですが、幼稚園の隣が消防署だったんですよ。
その頃からサイレン鳴らして走ってる消防車の様子を見ていて、自然と僕は消防士になるんだなと思っていました。『なりたい』っていうよりも、『なるだろう』って、もう小学中学高校もずっと思っていましたね。

Q. そうなんですか。でも、そんなに簡単になれる職業ではないですよね。

高校の受験シーズンのときは、専門学校や大学は一切受けずに、落ちたら浪人っていう覚悟で、宇和島の消防だけ受けました。
それくらい消防士しか見ていなかったんですね。

Q. 4年間、どんな消防士生活だったのですか?

救助に出て、ありがとうございます、と言われたときはすごくやりがいを感じていました。
あとは、小さい子にかっこいいって言ってもらえるとやっていてよかったなと思いましたね。

Q.消防士生活の中で、印象深いエピソードはありますか?

ある雨の日、朝用事があり、いつもと違うコースで出勤してたんですよ。狭い道を車で通運転していたら、傘をさした男の人が前を歩いていて、その人が急に倒れたんです。
すぐに路肩に車を止めて、大丈夫ですかって声をかけて顔を見たら、それが自分が所属していた部署の上司だったんです。
びっくりして結構パニックになりました。
でも咄嗟に自分がやらないといけないことを考え、道の端にその人を動かして、救急車を呼んで、心臓マッサージをしてというのを必死でやって。
結局その人は宇和島の市立病院に運ばれて、心筋梗塞で、3日後くらいに目が覚めて、一命を取り止めることができました。
もっと自分ができたことは今思うともちろんありましたが、自分ができることを精一杯やったことで人を助けられたという身をもって感じられた経験でした。
その後も上司の奥さんが、すごく感謝してくれて、今もたまに、お米や食材を譲ってもらったり、自分が消防士を辞めてからも連絡をとっています。

Q. すごいですね。消防士として自分がやってたからこそ、咄嗟の判断と行動で人を助けられたんですね。

そうですね、まさにそういった人助け、人のためになるっていうことが、ずっとやりたかったことなんですよね。

Q. 「人助けをしたい」という考えはもともとお持ちだったんですか?

やりたいことやなりたいものがあったとしても、結局人が行き着くところって生か死じゃないですか。
そこに自分が携われるのは、人のためになるなって思っていて。
中高生の頃から、どんな形でも、誰かのためにしたいと考えていて、とても小さいことですが、例えば学校で教室の窓を開けたり、黒板消し係とかを率先してやったり。
そういうのを誰に頼まれるでもなく、周りの人のためになるかな、と良かれと思ってやっていましたね。
実際役に立ったかどうかはわからないですけど、人の役にたちたいという想いはずっとありました。

Q. ご自身の性格を自分ではどんな人間だと思っていますか?

小さい頃は実はめちゃくちゃ騒がしい子供だったんですよ。声も大きくて、近所の人にもうるさいって注意されたりしていて。
で、ある時親に諭されたんですよね。もうちょっと静かになろうって。
それから、これじゃ駄目だって思って、変わりましたね。
中学になると逆にすごく生真面目で。校則が一番みたいな。先生に好かれるけど同級生には好かれない。笑笑

Q. 笑笑 中高ではどんなことに興味がありましたか?

その頃も、防災関係に興味があって、環境防災課のある高校が兵庫県にあったんですね。
東日本大震災をがきっかけに作られた学科で、生活の中での防災意識を高めるという目的で勉強できるところです。
まじでそこに行きたいなと思ってたんですけど、やっぱね、高校から圏外に行くっていうのはちょっとなかなか難しくて。

Q. 消防士という人命救助の仕事と、ホテルマンの仕事はフィールドが全く違うと思いますが、なぜホテル業界へ?

学生の時から、当時接客業に興味があったものの、所属していた陸上部ではアルバイト禁止だったんです。
だから接客の経験をやりたくてもできなかったという心残りがありました。
そして、消防って人命救助のプロって言われるんじゃないですか、じゃあ接客業のプロって何かなと考えた時に、自分の中でホテルマンかな、と思ったんですね。

Q. サン・クレアのどんなところに惹かれたんですか?

最初面接をしてくれた担当の方が、とても良い方だったんです。
第一印象からすごく柔らかくて、面接も最初は結構ガチガチに緊張してたんですけど、担当の方がすごいラフな感じで、なんだか落ち着いたんです。

Q. ホテルはここしか受けなかったんですか?

はい。自分は、決めた道を後悔したくないからこそ、自分の中で考えて一つに絞って、後戻りできないようにしちゃうんです。
高校のときの国語の先生がいて、その人も、教員の免許を取るときにもうそれだけ一本だったという話を授業中に聞いたことがあって、そういう考えがあるんだ、と思って真似していました。

Q. よく覚えていますね。笑 最初は宇和島オリエンタルホテルの採用でしたが、水際のロッジに来ることになった経緯はなんですか?

夏の間など、ヘルプでここのシフトにも入っていて、そのときにお声掛けいただいたんですね。
サン・クレアって、個人の意見を尊重してくれる会社なので、『私はきて欲しいけど、あなたがどうしたいかだから』と決断を委ねてくれて。
もともとの採用が宇和島オリエンタルホテルだったので、宇和島の設備についても色々教えてもらっている状況の中、基礎も中途半端な状態で異動してもよいのか、と正直かなり悩みました。
その時もオリエンタルの上司の人に相談したところ「誘っていただいてるっていう状況が、今後もあるかといったら、ないかもしれないから、行っておいで」と止めたりせずに、むしろ背中を押してくれて、ここに来ることに決めました。

Q. 素敵な上司に恵まれたのですね。人生の選択において悩んだ時に、大事にしている判断軸はありますか?

はい。学生の時陸上で長距離をしていて、ある小説を読んだんです。
その中で出てきたセリフがすごく印象的で、今でもその言葉を自分の座右の銘にしています。
『過去や評判が走るんじゃなくて、今君自身が走るんだ。惑わされるな。振り向くな。もっと強くなれ。』
もともと優柔不断な性格なので、悩んだ時は、この言葉を思い出しています。
結構、周りにどう思われるかを気にしがちなのですが、そのときの自分が間違いない、と思うことを考えて行動しようと意識しています。

Q. いまロッジではどんなことをされているのですか?

フロント業務です。僕の場合はだいたいお昼から出勤し、チェックイン対応から締め作業までを行います。
チェックイン時は、駐車場案内からお客様とコンタクトを取ります。その後お部屋まで案内をして、滑床渓谷の地図や、部屋の中の本やドリンク、夕食、イベントなどを紹介してるんです。だいたい10分くらいかかるのですが、部屋を出るときにはお客様と結構仲良くなっていることが多いですね。

Q. どんな時にここで働くやりがいを感じますか?

夜ナイトツアーを行なっているのですが、過去2回、終わってから、拍手をされたことがあったんですよね。終わってから「楽しかったです」とお客様に言ってもらえて、嬉しかったですね。あの時は「ああ、やってよかったな」と思いました。

Q. ロッジで働く上で、これからやりたいことや目標はありますか?

このロッジではバトラーという制度をやりたいと思っています。
バトラーとは、チェックインからチェックアウトまで、ホテルを利用してくださるお客様一人ひとりの専属サービス係として、身の回りのお世話をします。
自分の中でもホテルとしてもその制度をやるにあたって課題はありますが、最終的にはできたら、と思っています。

あと、ホテルだけでなく、自分がレストランでもできることがあれば、できることを広げたいと思います。もしかしたらレストランの人たちも、忙しいときに自分が入ることで、来てくれてよかったって思ってくれる人がいるかもしれないから。

Q. 治彦さん(水際のロッジ、アクティビティマネージャー、フロントスタッフ)を目指していると聞きましたが、治彦さんの尊敬する点はどんなところですか?

きっかけをあげると、ここに入ってすぐに、初めて治彦さんに一通り教えていただいた時、感銘を受けたんです。
業務の中に、アメニティが全部あるか、綺麗に整っているか、お客様が来る前に全部チェックするインスペクションという業務があるのですが、例えばお風呂をチェックする時に、ボタンを押すっていう文字が上下そろっているかどうか、温度が全て同じかどうか、蛇口の向きが一緒か、シャンプーのパッケージ、ヘッドも全て見ています、と言っていて、「すごいこの人」って思ったんです。
こういう風になりたい、って、直感で思って。
それからミーティングのときに「目標は治彦さんです」と公言はしましたが、実際はちょっと難しいですよね。笑
インスペも僕の中では完璧だと思っていても、治彦さんにとってはまだまだです。
目標は高くの方がいいんですけど高すぎるんです。
ただもうすごく近いところで働いてますから、これからもたくさん吸収していきたいです。


幼少期から、「人のためになりたい」という一貫した思いを持っている彼は、消防士としても、今水際のロッジでホテルマンとしても、誰かの役に立つために、まっすぐに仕事に向き合ってきたのであった。
自分の考えを周りにひけらかしたり、強く主張することはないが、彼自身の中に秘めている強い芯は環境が変わっても決してブレることはないだろう。

今日もきっと、もしかすると誰にも気づかれないところで、「人のために」動いているのかもしれない。

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