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あらゆる体験をデザインするために。私がSun*に新卒で入社した理由。

水上夏希 / デザイナー
千葉工業大学工学部デザイン科の情報デザインコースでUXやサービスデザインを専攻。さらなるUXデザインの可能性を知るために、共創型戦略デザインファームBIOTOPEで大学4年生から3年間インターンを経験。ビジョンデザインやワークショップなど未来を創造するためのデザインの役割や場づくりのデザインを学ぶ。所属研究室の山崎先生の大学移籍がきっかけで、武蔵野美術大学大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの修士課程に入学。2021年4月よりSun*にデザイナーとして入社し、デザインリサーチや体験設計などUXデザインを手がける。

目次
・「変なもの」を作るために大学へ
・大学院でデザインの更なる可能性を知った
・設計した体験を実装するところまで携われる仕事
・新卒1年目でやりたかったことができていると実感
・ワクワクするものを作るために自分もワクワクを忘れない
・Experienceを起点にデザインしていきたい

「変なもの」を作るために大学へ

「変なもの」を作りたいという思いから千葉工業大学工学部デザイン科でUXデザインを学んだ後、武蔵野美術大学大学院造形構想学科クリエイティブリーダーシップコースでビジョンデザインや社会・地域との共創デザインなど、もっと広い視野でデザインを学びました。

そもそも私にとって「変なもの」とは、中学生の時にテレビで見たI/O brushとiPhoneでした。I/O brushは、ブラシの先端についているカメラで読み取った身の回りのもののテクスチャーや色を、スクリーンに描くことができるというユニークなペイントブラシです。テレビで紹介されているのを見かけてすごくワクワクしたし、自分も使ってみたいと思いました。スティーブ・ジョブスがiPhoneを発表した時も、面白いことを考える人だなと。今思うと、これがデザインを好きになった原体験です。高校ではデザインのことは考えずに生活していましたが、大学受験にあたって、iPhoneやI/O brushのようなものを作りたいと進路指導の先生に相談したところ、工学部がいいのではと勧められて千葉工業大学に進学しました。

大学に入ってから「変なもの」を言語化することができずにいたところ、情報デザインの授業で紙で模型を作りつつその中に画面とボタンを入れるというテーマでプロトタイプを作る課題がでました。その時「これ、iPhoneと似ている!」と感じて。その授業では、プロダクトを含めた体験全体をUX、そのモノと人とをつなぐ接点をUIだと説明しており、私がやりたかった「変なもの」をつくることはこれらの領域にあたることを発見しました。この出来事がきっかけで学部3年次に情報デザインコースに進み、UXデザインを学ぶ山崎和彦研究室に所属しました。

研究室では複数の産学プロジェクトがあり、学生が各々好きなプロジェクトに参加しながらUXデザインを学んでいました。私もシステムキッチン専業メーカーと一緒に、食をもっと楽しくするための新しいキッチンのアプローチを考えたり、子供たちと一緒に考えて新しい学びを得るワークショップを実施したりと様々なジャンルのプロジェクトに参加しました。研究室には大学院生もいて、院生のアウトプットのレベルの高さに圧倒されながらもたくさんのことを吸収していきました。産学プロジェクトを通して、体験設計はユーザーだけでなくもっと広いところで使えると実感しました。

大学院でデザインの更なる可能性を知った

研究室に入って1年ほど経過し、Experienceデザインに関する知見が溜まってきたと同時に、デザイン領域ではないところでデザインはどう捉えられているのかに興味を持ち始めました。研究室の先生にそれを相談したところ、共創型戦略デザインファームを紹介してもらい、インターンを始めることにしました。

インターン先では、組織の理念をどのように組織全体に浸透させていくかのワークショップをしたり、経営者の考えている未来を絵や形にしたりといった業務のサポートをしていました。インターンをしながら、人の思いは社会を変えるし、デザイナーはそういった思いを形にするために必要とされていると感じました。また、未来のことを考える仕事にワクワクもしていて。デザインはあらゆるものにとって必要だということを学んだことで、Experienceデザインに限らずもっとデザインのことを知りたいと思うようになりました。

研究室に大学院の先輩がいて、院生は知識が豊富だしアウトプットの質も高い。そんな彼/彼女たちをかっこいいと感じたこと、そしてインターンを通してもっとデザインを学びたいと思ったことから大学院への進学を決意しました。山崎先生が武蔵野美術大学大学に行くということで、私もそれについていく形で武蔵野美術大学大学院造形構想学科クリエイティブリーダーシップコースに進みました。

大学院では主にビジョンデザインや社会・地域の共創デザインを学びました。学部時代から経験していた産学プロジェクトですが、院では地域の課題という文脈で千葉県館山市のいちじくを使った食のまちづくりプロジェクトに参加しました。実際に館山市に行き、市の職員の方と一緒にいちじく農家の方に話を聞いたり、実際にそれらの人といちじくの体験を考えるワークショップを実施したりしました。地域の人と顔を合わせて課題について考えると、外からだと気づけないことに気づけるし、課題との距離がグッと近くなるので、熱量高く課題解決に取り組めると実感しました。

また大学院では、デザインやアートを通して様々な取り組みをしている人たちからお話していただける授業も印象に残っています。そこではビションや組織の話、スペキュラティブデザインの話、地域や地元とデザインのコラボレーションの話、プロダクトデザインとアートの話やサービスデザインなど、事例を交えて日本だけにとどまらずデザインやアートを通して何ができるのかという話をたくさん聞くことができました。これまで授業などでたくさんの手法や考え方を学びましたが、ただサービスやプロダクトを作るという一方通行ではなく、それらをどう社会に生かすのか、どのように応用するのかなど、さらに未来に視点を向けることが大事だと知りました。学部時代はExperienceデザインに絞って研究をしていましたが、大学院ではより広い文脈でデザインを学んだことで、デザインの更なる可能性に気づけました。

設計した体験を実装するところまで携われる仕事

大学院で研究を進めつつ、修士1年の終わり頃から就職活動を開始しました。私はExperienceデザインに重きを置いたキャリアを歩みたいと思っていたため、ポートフォリオを作る上でデザイン制作のプロセスをしっかり入れることを意識していました。アウトプットのクオリティももちろん大事ですが、私の中で優先順位は高くなかったです。リサーチや分析で行ったことを細かく記述したり、ラフなスケッチもポートフォリオに組み込んだり。プロセスやコンセプトを詳しく描写することで、そもそも制作物を通して何の目的を達成したかったのかを明確にするよう心がけていました。

Sun*はWantedlyのスカウト経由で存在を知りました。実際に話を聞いてみると、体験を考えるところから、体験をプロダクトやサービスに落とし込んで社会に実装するところまでできる点に強く惹かれました。インターン先では体験を設計するところまでしかやっていなかったのですが、自分たちが手を加えて社会にサービスを提供するとこまでやってみたいと思っていました。だからこそ、実装まで一気通貫でできるSun*に魅力を感じました。

また、さまざまなフェーズやクライアントの課題に携わることができるのも魅力的でした。インターン先のクライアントにも小さな会社から大企業までいて、大小関わらず様々な課題に向き合ってきました。その経験を通して、私は様々な業界の様々な課題に関わるのが好きなのだとわかりました。

Sun*の選考では、私の話をちゃんと聞いてくれた印象があります。コロナの影響で全ての会社の選考がオンラインになったのですが、オンライン面接だと面接官が全く違う作業をしているかもしれないし、本当に面接に向き合っているのかを色々比較しながら面接を進めていました。インターン先で場づくりを大事にしていて、その場をどんな場にしたいのか、その場にいる人にどんな感情を抱いて欲しいのかを読み解きながら物事を進めることを学んできました。だからこそ面接官が面接の場をどんな場にしたいのか、求職者にどんな気持ちになって欲しいのかを客観的にみながら企業選びをしていました。その上でSun*はこちらをみて深く頷いて話を聞いてくださり、対等に会話をしてくれたので、面接という場でも居心地が良かったです。

新卒1年目でやりたかったことができていると実感

現在は2つのプロジェクトに携わらせていただいています。1つ目はリハビリをサポートするヘルスケアのサービスで、体験設計やアプリデザインをしています。現在はアプリUIをストアに出すためのブラッシュアップ段階で、ダミーで入れていたイラストをしっかり作り込んだり、ボタンのカラーを綺麗に整えたりなど、UIデザインの仕上げ部分を主にやっています。デザインチームは私含め3人いて、きちんと役割分担が明確になっているからすごく動きやすいです。同期の子がチームにいて、その子はイラストが得意だからイラスト系の業務やコンポーネントの整理を担当している。私は全体のフローを設計するのが得意だから、ワイヤフレームを引いてフローをつくる。先輩デザイナーが全体を俯瞰的にみてディレクションをしてくれる。チームワークがとても良いプロジェクトチームです。

2つ目のプロジェクトはビシネスチャットの次なる体験をデザインするプロジェクトです。もともとショートプロジェクトでした。リサーチやインタビューを通して得たユーザーの声をまとめたり、その上で次なる体験のコンセプトの方針出しをして、コンセプトの価値を魅力的に伝えるための3つのUIを制作したところ、クライアントの方がすごく気に入ってくださって。そのままSun*で実装をお願いしたいと言ってくださり、本開発までご支援することになりました。現段階ではまず既存のチャットの使いやすさを整理して、その後に次なる体験を実装する予定です。もともとやりたかった、設計したコンセプトをサービスや形に落とし込むところができているのでSun*で働く醍醐味を実感しています。

ワクワクするものを作るために自分もワクワクを忘れない

あらゆる体験をデザインするデザイナーになりたいから、Experienceデザインにまつわるスキルやマインドセットに重きを置いています。特にマインドセットに関して、あらゆる体験が対象だからユーザー体験だけに限らず場や空間の体験、それらを作るまでのプロセスなど全部の体験を作る心持ちで働いています。かつ新しいものを作るわけだから、自分がワクワクすることも重視しつつ、どんなものに対してもオープンな気持ちを持つことを意識しています。

また、研究室時代の教えを今でも大事にしています。山崎研究室では「つくり続ける・学び続ける・繋がり続ける」という3か条がありました。「作り続ける」は、思いついたものがあればすぐに手を動かして作って、それを実験してみてダメだったら作り直す姿勢のことです。「学び続ける」は、子供たちとのワークショップもそうですが、どんなこと・人からも学ぼうとすることです。むしろ子供の方が柔軟な発想を持っているので、私には気づけなかったところに気づくこともできますよね。外を歩いていたり人と話していたり、どんな場面でも何かを発見して学びを得るということを大事にしています。これから後輩が入ってきますが、その人たちからも色々学びたい。街中を歩いていても、なぜあそこにあれがあるのかとか、なぜこの人たちはここでこういうことをしているのかとか、身の回りで起きていることに好奇心を剥き出しにして反応しています。「繋がり続ける」は個人的な解釈を含みますが、自分が出会った人たちをつないで新たな価値を生み出そうとする姿勢のことです。学生時代から3つの「続ける」を意識しています。

Experienceを起点にデザインしていきたい

直近で身につけたいスキルは形にする力です。構想を作るまでは得意ですが、構想したものを形に落とし込んで社会に広げられる力が必要だと感じています。Sun*に入ったからにはまずデジタルプロダクトをクオリティ高く作れるようになりたいなと。そのために学習と実践を反復すべきだと考えています。作成とフィードバックを多く繰り返しつつ、正しい知識を身につけることで、形にする力を養っていきたいです。

将来的にはあらゆるExperienceをデザインでき、それらの体験に応じてふさわしいアプリや空間、プロダクト、ストーリー、コミュニケーションなどをデザインできる人になりたいです。アプリケーションだけでは体験や価値の創造に限界があると思うので、私としても会社としてもハードとソフト、リアルとバーチャルの境界線なくデザインできるようになれればなと思っています。そのために、アプリケーション上だけではなくそれを通した全体のストーリーとしての体験を考えるという視点でデザインしていきたいです。また、未来そのものや未来の社会について考えることも好きなので、未来と今を結ぶ体験をデザインする1人として貢献したいと思っています。

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