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チェーンストアの「想い」が体現される世界をつくる。ハンクラ事業部の挑戦とは

大手医薬品販売会社で19年間のキャリアを積んだのち、「チェーンストア企業の仲間に恩返しがしたい」とスタディストに参画した金子隼人。チェーンストアへの深い理解を生かし、「チェーンストアの“想い”が現場に体現される世界」の実現を目指す新規事業「ハンクラ」を、責任者として率いています。

ハンクラが実現しようとする世界観や、成長フェーズの事業部で働くやりがいについてインタビューしました。

<プロフィール>

ハンクラ事業責任者 金子 隼人

新卒で株式会社富士薬品に入社。ビジネスサイドとして、ドラッグストア事業本部で店長(主任)、商品部マーチャンダイザー(主任)、業務改革PL(課長)、業務システム部(部長)を担当。コーポレートサイドで秘書室長、経営企画室長を歴任した後、2019年8月にスタディスト入社。

顧客としてTeachme Bizに出会い、「とにかくこのサービスをやめないで」と要望

ーーまずは、スタディストに入社する以前のご経歴から教えてください。

新卒で株式会社富士薬品に入社しました。以来19年間、ドラッグストアの店長や商品の買い付け、業務改革のプロジェクトリーダーや業務システム部長、秘書室長や経営企画室長をつとめました。

ーースタディストとの出会いは?

実は、私自身がスタディストのマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」のユーザーだったんですよね。

ドラッグストアの本部には、全国の店舗に業務フローを共有するためのマニュアルが数百種類あります。そのうち4割近くを毎年改訂したり、廃止したりしていました。リリースカレンダーを作って紙ベースで管理していたのですが、店舗によっては差し替えや印刷ができていないケースもあり、個別の確認が追いつかない状況でした。

チェーンストアの店舗では、パートやアルバイトのスタッフも多く働いています。「今日から働く人でも、マニュアルを見ればすぐに業務内容を理解できる」状況を作ることが欠かせません。頻繁に変化するマニュアルをどうやって現場に届け、定着させるのか、業務システムの責任者として日々頭を悩ませていたときに顧客として出会ったのが、「Teachme Biz」です。

画像や動画、テキストを活用して簡単にマニュアルを作成、共有できるTeachme Bizは、まさに我々が必要としているサービスでした。スタディスト代表取締役の鈴木に、「とにかくこのサービスをやめないでください」と強く要望したことを覚えています。

「チェーンストア企業の仲間に恩返しがしたい」とスタディストへ

ーー顧客だったところから、どのような経緯でスタディスト入社に至ったのでしょうか。

Teachme Bizを導入したことで、業務の手順をわかりやすく、タイムリーに配信することができるようになりました。紙のマニュアルを使っていたときには5割程度だった「実現率」が、Teachme Bizの導入後はおよそ9割まで向上したのです。

実装率は全店舗ではなく、いくつかの店舗を抽出して調べていました。「誰が」「何を」「どうやって」実行するかはTeachme Bizによってクリアになりましたが、配信したワークフローをどの店舗が実現し、どの店舗が実現していないのか、「実現」の状況はわからなかったのです。当時、今後のキャリアについても考えていたタイミングでまさにその課題を解決する新たなプロダクトを開発しようとしているのでやってみないかと鈴木から声をかけられ、「めっちゃ面白そう」と感じました。このプロダクトが現在の「ハンクラ」です。

就職して以来、ずっと一緒に働いてきたチェーンストア企業の方々を、私は仲間だと思っています。ハンクラが完成すれば、きっと彼らの助けになり、恩返しができると考えたことが決め手となり、2019年、スタディストに転職しました。

ハンクラを通じ「チェーンストアの“想い”が現場に体現される世界」を実現したい

ーーハンクラとは、どんなサービスなのでしょうか。

チェーンストア企業の、本部と店舗のやりとりを円滑にするクラウドサービスです。Teachme Bizを導入するお客様が増えるにつれ、私自身が前職で経験したように、本部からの依頼事項が現場で正しく実行されているかどうか、個別の状況が見えにくいという課題に悩む企業の実態が見えてきました。本部の担当者は時間と手間をかけて各店舗や拠点を回り、依頼事項が実行されているかどうかを逐一確認しています。これは、あまり効率的な方法とは言えません。

ハンクラでは、依頼事項が実行された状況を写真で提出してもらい、可視化することができる仕組みを整えています。「実現率」や「実現スピード」を数値で確認し、フィードバックもできるので、具体的な改善サイクルを回していくことにつながります。

本部からの依頼事項や連絡が、グループウェアやメールなどさまざまなチャネルから五月雨式に送られてくるので、どれが依頼事項で、何から手をつけるべきなのか、店舗側が混乱してしまうというのも、チェーンストア企業で起こりがちな課題です。この点についても、ハンクラを開けば依頼事項がわかるよう一元化しました。モバイル化し、プッシュ通知を送ることで早期検知ができる仕組みになっています。実行するまでアプリバッチが消えないので、店舗がやるべきことも明確になりました。

ハンクラを導入することにより、チェーンストア全体で施策の効果が最大化され、間接費は削減されて、生産性が向上すると考えられます。店舗を訪れるお客さんの購買体験が向上すれば、結果として売り上げも上がっていくはずです。Teachme Bizと併せて導入することで、組織内のハレーションを最小限に抑えつつ、相乗効果を発揮することが可能です。

ーーハンクラは、どんな世界観を実現しようとしているのでしょうか。

ハンクラを通じ、「チェーンストアの“想い”が現場に体現される世界」を実現することが、私たちのビジョンです。

多くの店舗を擁するチェーンストア企業では、どうしても、売り上げが店舗の評価基準になりがちです。ただ、売り上げを決めるのは必ずしも従業員の努力だけでなく、立地などもともとの条件によっても大きく左右されます。本部の方々が「お客さんにこんな購買体験を提供したい」と考え、想いの詰まった依頼事項がそれぞれの店舗で実行されているかどうかというプロセスを含めて評価されるようになれば、従業員にとっても、より働きがいのある環境を実現できると考えています。また、やり取りが円滑になることで本部からの一方的なコミュニケーションではなく、店舗の方々の提案や工夫も伝わりやすくなります。

ハンクラを活用することで、チェーンストアで働く方々が自分の仕事に誇りを持てる状況を生み出すことができれば、非常にうれしいですね。

Teachme Bizが築いた「基盤」のもと、ユーザーと共にプロダクトを作り上げる喜び

ーーハンクラ事業部のカルチャーについても教えてください。

メンバーのバックグラウンドは小売業、事業開発、ホテル、SaaS営業、飲食業など多種多様です。多様なメンバーがそれぞれの経験や視点を持ち寄ることが、強みになっていると思います。あえて共通点を挙げるとしたら「好奇心旺盛」ということでしょうか。誰かが発した何気ない一言に対して、ほかのメンバーが突っ込んだ質問をして会話が広がっていくこともよくあるんですよ。

チェーンストア企業の方々はシビアなコスト意識を持っており、新しいサービスについて、ゼロから話を聞いてもらうことはかなり難しいです。ハンクラの場合、Teachme Bizを通じて既にスタディストのことを知っている顧客が多いので、話を聞いてもらえる基盤があり、その点はかなり仕事がしやすいと思います。

ーーハンクラ事業部で働くやりがいはどんなことでしょうか。

プロダクトを通じて顧客の課題を解決できることは、大きな喜びです。早い段階でハンクラを導入したチェーンストア企業の中には、ハンクラで算出した「実現率」や「実現スピード」の数値をベースに実際の施策を評価し、改善に役立てている顧客もいます。実際に使ってもらい、結果が出ているという話を聞くと、めちゃくちゃ嬉しいですね。。

ハンクラは新規事業なので、まだ固まっている部分が少なく、柔軟に業務を進めることができるのも魅力です。ダイレクトにユーザーの声を聞き、その内容をプロダクトに反映することができるのは、このフェーズならではの面白さではないでしょうか。

ユーザーと一緒にプロダクトを作り上げていく中で信頼関係が芽生えると、一見事業と直接関係のない相談を受けることもあります。コスト削減やシフト管理など、具体的なアドバイスをさせてもらい、結果が出ましたと感謝してもらったときなどは、やはりうれしいですね。

無駄のないオペレーションを実現することで、インフラとしてのチェーンストア企業を支える

ーーハンクラを通じて今後実現したいこと、将来の展望についてもお聞かせください。

徹底して無駄を省く「リーンオペレーション」を実現したいと考えています。そのためには、ユーザーに「探させない、迷わせない、悩ませない」プロダクトを提供することが必要です。ハンクラでは、UIにおいてもこの観点を非常に重視し、ユーザーの使い勝手、操作性を追求した開発を行ってきました。これまでは業界特化型のバーティカルSaaSとして、かなり尖った価値提供をしてきましたが、今後はチェーンストアとサプライヤーのハイコミュニケーションな世界の実現に向け、価値提供できる範囲をさらに広げていきたいです。

本部と店舗のコミュニケーションにおける課題は日本国内だけでなく、海外のチェーンストア企業も同様の悩みを抱えているという話も聞いています。実現率を向上させるというハンクラのビジネスモデルは、国境を越える可能性も秘めていると考えています。

ーー最後に、スタディストやハンクラ事業部に興味を持っている方に向けて、メッセージをお願いします。

ドラッグストアにせよ、コンビニエンスストアにせよ、今やチェーンストア企業は、私たちの生活を支えるインフラです。チェーンストアの仕組みがうまく機能しなければ、ふだんの生活が脅かされます。本部の想いが店舗に届き、施策が実行される確率が上がれば、私たちの購買体験が豊かになるのです。ハンクラを通じてチェーンストア企業の方々が抱えている課題を解消し、気持ちよく働ける状況を作ることは、皆さんの生活を守ることにもつながります。私たちのビジョンに共感していただける方と出会えることを、楽しみにしています!

(取材・執筆/高橋三保子)


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