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EVP(Employee Value Proposition)を考え、採用ページを更新した話

本記事は、スタディストAdvent Calendar13日目の投稿です。@katsuhisa__がお送りします。

先日、私が所属する開発部SREチームにて、人事 田部井の発案をきっかけとし、EVP(Employee Value Proposition)を考え、採用ページを更新したので、その過程をお伝えします。現在、採用業務に関わる方に何かしらの気づきを得ていただければ幸いです。

EVP(Employee Value Proposition)とは

EVPとは、企業が従業員に提供できる一連の価値提案のことです。詳細は以下記事に譲りますが、「いっしょに働く仲間が、その企業で働き続けるのはなぜか?」を様々な観点から整理し、磨き続けるものだと私は理解しています。

Employee Value Proposition (EVP)とは? - LAPRAS HR TECH LAB
この記事は、 TalentLyft社のブログ記事" What is Employee Value Proposition (EVP) ?"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載したものです。 LAPRAS published the Japanese translation of this original article on TalentLyft in English under the ...
https://hr-tech-lab.lapras.com/knowhow-organization/evp/

様々な観点には、金銭面や福利厚生制度にとどまらず、キャリアや職場承認、文化といったものまで含まれます。そのため、会社として概ね統一されている要素(e.g. 給与テーブルを基準とした報酬体系)もあれば、所属チームの独自性によって、より強化される要素もあります。

そこで今回は、会社組織や開発チームが提供できるEVPは継承されることを前提とし、SREチームが独自に持つEVPは何か?を整理しました。

EVPを考えるには

チームのEVPを考えるにあたり、次のような観点で、自チームを主観・客観の双方から見直すことを行いました。

  • 仕事のリズム:1週間、1日の仕事の流れ
  • プラクティス:どのような活動をどんな目的で行っているのか
  • 周囲に及ぼす影響:SREチームは、Productや他チームに対してどのような価値を提供しているか

チームを主観的にながめる

自分たち自身が、仕事をする上でおもしろいと思っていることは何か?の洗い出しを行いました。そうすることにより、自分たちが大切にしたいEVPを見つける重視しました。「採用面接時に、候補者の方にわくわくして話したくなるような内容であること」が大切だと感じます。

チームを客観的にながめる

主観も大切ですが「その魅力面であれば、同時に選考が進んでいる別企業のほうが魅力的だな」と思われるかもしれません。もしかすると、「そんな人はこっちからお断りだ!」と思う方もいるかもしれませんが、いやいやちょっと待って下さい。別の側面から見ると、会社やチームがすでに提供できている独自性の高い価値が見つかるかもしれません。つまり、客観的にながめることで、外部に発信する価値のあるEVPを正しく見出すことができます。

客観的に自分たちのことを見つめるには、日頃より外部の人たちとの交流が行われている方が望ましいです。スタディストの社名の由来は「Study」+「-ist」ですが、社員が業務時間を使って、外部の勉強会に積極参加する文化があり、それはSREチームも例外ではありません。私はSRE LoungeというSREの勉強会を主催していますが、そこでの交流経験を振り返りつつ、自チームをできるだけ客観的に見つめることを試みました。

EVPの前提となる魅力整理

前述のような観点より、自チームの魅力を整理しました。例えば、スタディストSREの場合は、次のような点が独自性の高い魅力であると考えました。

  • 入社後のOnboardingにて、チームでSRE Bookの輪読とディスカッションを行っており、SREの専門用語で自然に会話ができる
  • Infraのコード化完了比率が高く、コードレビューを通じてInfraを開発する文化
  • サイト信頼性に、コストを継続的に投下できるビジネスモデルであること
  • 他チームとの垣根が低く、Pull Requestをチーム間で送り合っている
  • チームで話したことをオーナーシップを持って実行にうつすことが推奨されており、仕事を通じた経験を積みやすい

SREチーム以外でも同じ魅力を持つチームも多く、詳細を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

SREオンボーディングを終えて
私たちが毎日参照していたカレンダーです。キュートなデザインで、次の研修はなにかななにかな〜?と、いつもウキウキした気分で過ごすことができました。 前半でサービスで使用しているツールやAWSの知識などをインプットし、後半でそれらを活用して本番環境と同等の構成でTeachme Bizを構築する流れになっています。 ...
https://medium.com/studist-dev/sre-onboarding-67faa61e473
入社2か月のPdM初心者が調子にのって「小規模案件のUXやらせてください!」って言ってみた
こんにちは。開発部プロダクトグループのひがしです。この11月でスタディストに入社して半年が経ちました。 今回は Product Manager(以下、PdM)がUXデザインを通して得た学びと、スタディストのPdMを取り巻く環境をご紹介します。 ...
https://medium.com/studist-dev/%E5%85%A5%E7%A4%BE2%E3%81%8B%E6%9C%88%E3%81%AEpdm%E5%88%9D%E5%BF%83%E8%80%85%E3%81%8C%E8%AA%BF%E5%AD%90%E3%81%AB%E3%81%AE%E3%81%A3%E3%81%A6-%E5%B0%8F%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E6%A1%88%E4%BB%B6%E3%81%AEux%E3%82%84%E3%82%89%E3%81%9B%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84-%E3%81%A3%E3%81%A6%E8%A8%80%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F-f4da5c0b0d9f

ここで紹介したブログの内容以外にも、他チームへの留学制度などが実際に運用されており、手を挙げれば自分の専門性にとらわれず、仕事として取り組むことができます。

できあがったEVP

…といった魅力の洗い出しを通じ、最終的に、SREチームの最も核となるEVPを一部紹介します。

  • 学んだことを業務で活かすサイクルが高速でまわせるため、技術者として成長しやすい環境
  • SRE の思想に対する理解がチームとして高く、SREを学び、実践する場として適している
  • サイト信頼性の制御に、コストを投下できる

単にこれらのEVPがありますよーと言うだけでなく、それぞれのEVPにもとづいた社内での具体的な実践や仕組みが存在するものを選ぶと、例えば採用面接等の場面でも候補者の方に具体的な話をすることができるので望ましいと感じます。

EVPの活用

最後に、EVPにもとづき、採用ページの見直しを行いました。これまでの採用ページでは、私たちの業務内容をうまく伝えきれていないと感じたためです。できあがった採用ページがこちら。

SRE
手順書を扱うB2B SaaSの信頼性を向上させたいSRE募集
「伝えることを、もっと簡単に。」をミッションに掲げ、SaaSをメインとしたホールプロダクトで企業の生産性向上を支援し、人々がよりクリエイティブな仕事に取り組める「知的活力みなぎる社会」の実現を目指しています。 ▼サービス一覧 ・マニュアル作成・共有システム『Teachme Biz』:https://biz.teachme.jp/ ・実行力向上支援システム『ハンクラ』:https://biz.hansoku-cloud.jp/ ・コンサルティング事業:https://cnsl.studist.jp/ 当社は2010年の設立以来、「伝えること」に関するロスをなくすことに注力してきており、1つ目のプロダクトである「Teachme Biz」は導入社数2000社を越え、ITRから発表された「マニュアル作成支援市場動向」では2年連続ベンダー別売上金額シェアNo.1を獲得しました。 ※出典:ITR『ITR Market View:カスタマーサクセス市場2022』マニュアル作成支援市場動向 https://www.itr.co.jp/company/press/221025pr.html そんなスタディストでは「3軸経営」の方針を掲げ、新規事業や海外展開など事業拡大のフェーズを迎えています。 さまざまな業種や国の生産性向上に貢献すべく、Teachme Bizの顧客基盤をHorizontalで維持・拡大させ、業界特化型の事業やプロダクトをVerticalで開発。海外展開可能なものはASEANに事業を展開予定です。 「伝えることを、もっと簡単に。」の実現に向け、事業を拡大していきます。 ▼事業拡大に関しての記事もよければご覧ください “紙のマニュアル”のデジタル化で2000社超を支援、スタディストが18.5億円調達で事業拡大へ https://signal.diamond.jp/articles/-/689
株式会社スタディスト

以前は、私たちが業務で使っているAWSをやりたい人の目に留まると、自分たちの募集に応募してくれるのではないか…と考え、「AWSを使った自社サービスのSRE Wanted!」としていました。しかし、私たちのEVPを顧みると、AWSを使った人を主軸とした訴求はミスマッチにつながると考えました。実際の業務では、もちろんAWSをフル活用しているのですが、それ以外にもサイトリライアビリティの制御に関わる様々な業務を行っています。なので、私たちのEVPの核ではないと感じました。

一方、サイトリライアビリティの制御に関する仕事をしたい人には、私たちも自信を持って提供できるEVPがあると考え、採用ページのタイトルを「2,000社以上が利用するB2B SaaSの信頼性を向上させたいSRE募集」に変更しました。タイトル以外に、内容の更新も複数箇所行いました。まだ変更して数日のため、どんな変化が現れるのかは未知数ですが、少なくとも自分たちの魅力に沿った採用ページになったのではないかと感じます。

おわりに

以上、EVPを考え、その内容をもとに採用ページを見直した話についてお伝えしました。EVPは、考えるだけでなく、今後も継続的に磨いていくものだと思っているので、引き続き、チームの仲間と自分たちの提供できる価値を磨いていきたいと思います。

また、EVPを考える過程において、自分たちを見つめ直す良い機会にもなりました。今後も定期的に向き合っていきたいと思います。

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