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【 メンバー対談 】 アーティストの意思を100年後まで残すためにできること

はじめまして、広報インターンの尹です!アートの話題が頻繁に飛び交うスタートバーンで、昨年3月からインターンを始めました。とても新鮮な経験ができており、初めてのnote担当も楽しんでいます!

今回の社員インタビューは、美大卒の堀口さん、会社員をしながらギャラリーを運営されていた小鍋さん。スタートバーンに長く関わってきたお二人にお話を聞きました。

スタートバーンを通してアートの世界をどのように見ているのでしょうか。



素敵な髪型のお二人(中央:小鍋さん、右:堀口さん)




美大で学び、ギャラリーで働いたからこそ、アーティストが活躍できる環境をつくりたい。


—— 早速ですが、自己紹介をお願いします!スタートバーン参画前は何をされていましたか?

堀口 はい!私は愛知県立芸術大学の油絵科を卒業したあと、雑貨店の立ち上げを手伝っていました。取り扱う商品を選んだり、パッケージデザインを担当したりしていましたね!



とても楽しかったのですが、せっかく美大を出たので、「もっとアートに関わる仕事がしたい!」「自分自身が作品制作を続けられていない分、今制作を続けている人の支えになるようなことがしたい」という気持ちがあり、東京のギャラリーで働き始めました。そのあとにスタートバーンに出会い、早いもので入社して3年が経ちます。

小鍋 そうだったんですね!

私もスタートバーンの前はギャラリーで働いていました。現代美術の画廊に長くいて、そこから自分でもギャラリーの運営をするようになったんです。今もこじんまりと、コンセプチュアルなアートを中心に取り扱っています。


並行して、収入源を得るためにOLをやっていました。二足の草鞋を履いていたんです。



スタートバーンの取り組みには元から興味がありました。ギャラリーをやっていたこともあり、「アーティストさんがもっと活躍できる環境をつくりたい」という思いがあったんです。アート業界のためのサービスをつくっているスタートバーンが求人中だと聞き、代表の泰平さんに連絡を取りました。


—— 3年前の雰囲気はいかがでしたか?

堀口 今と全然違います。フルタイムの社員は私ともう一人だけ—— 。みんなで本当に様々な業務をやりました。例えば海外の方を雇う時は、ビザ関係があたふたして大変だったり—— 。みんなで色々な人の話を聞いて、試行錯誤していました。

小鍋 そうですよね。会社の雰囲気は今とあまり変わらないのですが、とにかく人が少なく、就業規則などをググりながらつくったりしていました。堀口さんの具合が悪くなったら、「あれ、有給って何日もらえるんだっけ」みたいな—— 。

小さい会社が成長するとよく感じられることだと思いますが、今は本当に会社っぽくなって、管理部の方がいることすら本当にありがたいです。こんなに大きくなるなんて感慨深いですね。(笑)




目に見えない仕組みをリアルに体現し、アーティスト目線に立ち返る。


—— 当時から、毎年年始に「富士山展」という展覧会を企画していましたよね? これは、どのような企画だったのでしょうか。

堀口 そうなんですよね。当時はアートイベントや展覧会をたくさん開いていました!

小鍋 スタートバーンが提供するブロックチェーンの仕組みやサービスは、実物を手にとって良さがわかる、というわけにはいきません。普段アートと関わり、リアルを大切にしている人たちにむけて、私たちのサービスを富士山展でリアルに体現することで共感者や利用者を増やしていこうとしていました。スタートバーンの意思表明の場だったんです。



展覧会のメインのコンセプトは「アートの多様性」でした。


—— そうなんですね。この頃は様々な領域で「多様性」が重視されていますが、スタートバーンが富士山展で「多様性」を重視していたのはなぜでしょうか?

小鍋 現在「アート」と言われていないものでも、未来に高い価値を持つ可能性がありますよね。例えば、今でこそ希少性の高い浮世絵ですが、当時は週刊誌みたいなもので、万人にありがたがれる存在ではなかった。包装紙などに使われることで海外に伝わり、そこから価値を持つようになったという経緯があります。100年後、200年後のことは本当に分かりません。

現代に生きる私たちが良いと思って作ったものが将来どのような評価を受けるのか分からない。なので、「富士山がテーマだったらなんでも良い」としたんです。

堀口 スタートバーンは、今あるアートの指標だけでなく、これからの可能性も大事にしています。いわゆる「アーティスト」だけでなく、演劇人や芸人、企業家など多様な立場で価値を生み出している人たちを「アーティスト」と捉えていました。

それらの出展作品の情報がブロックチェーン上に記録されることで、将来作品やアーティストさんの評価があがった時に、本人に還元金が入るという仕組みは、当時から提供していました。


—— なるほど!評価が変わりうるからこそ、多様な創作物を記録しておくのが重要なんですね。でも、なぜ「富士山」がテーマだったのでしょうか。

堀口 「正月に富士山の絵を飾ると縁起が良い」という言い伝えがあります。その言い伝えから、富士山の絵を毎年買い換えて家に飾るという文化が生まれたようです。

富士山展には、その文化に倣って、作品の二次流通をポジティブに捉えてほしいという意図を込めました。作品を買うこと、買い換えることが気軽にできる展示にしたいと思っていました。


過去の富士山展のポスター



小鍋 絵でも、彫刻でも、富士山の形をしていなくてもいいんです。富士山から派生させて、自由に美術を展開して欲しいと思っていました。


—— そうなんですね。企画する側のやりがいはなんでしたか?

小鍋 企画準備はとても大変でしたが、アーティストさんの新作を見れたのがとても楽しかったです。最初のデータを確認する時はとてもワクワクしました。

堀口 そうですよね。アーティストさんの声を聞けるのもとてもよかったです。オープニングイベントで「どういう意図で作っているんですか?」って聞くと、新しい素敵な発見があります。作り手に関われるのはすごく楽しいです。

小鍋 あと、アーティストさんと接するたびに、スタートバーンとしてやるべきことが明確になっていく気がしますね。例えば、私たちが発行しているアート作品のブロックチェーン証明書に、こういう機能を追加したいな、映像作品だったらこういう項目が欲しいな、というのが分かってきます。富士山展はリアルな現場を知る場でもありましたね。



アートの現場のリアルな声からサービスのアップデートを重ねる。


—— そういう声を受けてサービスも変わっていくのでしょうか。

堀口 スタートバーンのサービスは変わってきています。根本の思想は変わらないのですが、初期は「startbahn」というウェブサービスをつくっていました。startbahnは、ブロックチェーン証明書を通してアーティストの権利を守りながら、活発なアートの二次流通売買を実現するためのサービスでした。

思考錯誤を重ね、より洗練させてできたのが「Startrail」と「Startbahn Cert.」です。

—— そうだったんですね!両者の違いはどこにありますか?



堀口 Startrailは、startbahnのような単一のウェブサービスではなく、複数のサービスの基盤となるインフラです。Startrailに接続している限り、別のサービスが事業者を挟んで二次販売された時も、アーティスト本人の意思を引き継いだ形で作品が流通する設計になっています。また、アーティスト本人に還元金を返すこともできます。

一方Startbahn Cert. は Startrail に繋がるサービスの一つで、証明書の発行と作品との紐付けに特化したものです。どちらも、アート作品の情報を記録することで、アートに関わる全ての人が安心できる流通環境を築いていくという点で共通しています。

小鍋 startbahnには作品の批評の投稿やオークションの機能がありましたが、新しい Startbahn Cert. に売買機能はつけずに、証明書発行にフォーカスすることになりました。別のサービスをつくっているというよりは、常にスタートバーンの果たすべき役割を考えながら、それに沿うようにアップデートできている気がします。

Startbahn Cert. というサービスでは証明書に特化するというのも、いろいろなアーティスト、ギャラリー、コレクターなどにヒアリングを行って決めました。



「アーティストの意思を残したい」根っこの想いを忘れずに、成長し続ける。


—— 今後、スタートバーンはどのように変化すると思いますか。

堀口 これからどんどん組織が大きくなっていくので、社内でもしっかりとビジョンを共有しながら成長していきたいですね。

スタートバーンの構想以前から現代美術家として活動している、代表の泰平さんのアーティスト目線をとても大事にしています。アート業界の仕組みやあるべき姿をみんなで咀嚼して、一つの目標に向かう組織になれたらと思います。

私が入社した頃に比べると、経験値のあるブロックチェーンエンジニアやマネージャーが徐々に揃ってきていています。これからもさらに洗練されたサービスに落とし込めるよう、様々な経験やスキルを持つ方たちに参画いただけると嬉しいです。



小鍋 あとは、アート関係の人が増えるとすごく嬉しいですね!論理的な思考も大事だけど、一見効率的ではないものも大切にできるような、アーティストの気持ちも忘れたくないと思います。


—— 今後のビジョンについても教えてください。

小鍋 やっぱり、Startrail をより多くの人に使ってもらい、アートのためのインフラとして機能するものにしていきたいです。Startrailをみんなに使ってもらうことで、アートの循環はもっとスムーズになります。

そして、できることはもっとある気がしています。贋作に困っている人たちのためにはサインをスキャンで残して、筆跡鑑定ももっと楽にしたり—— 。世界の美術館が作品の修復歴を共有できるインフラをつくったり—— 。3Dスキャンと赤外線分析を組み合わせたスペクトル分析で、作品の原材料の産地が分かったり—— 。テクノロジーでできることはたくさんあります。

堀口 そうですね。そして、そういった技術をただ利用したいというよりも、アートのためになって欲しいという気持ちが大きいです。作品やアーティストさんの意思が残っていって欲しいし、それを手助けするものがつくれたらいいなと思います。



—— 素敵ですね!本日はどうもありがとうございました!




【 新しいメンバー募集中! 】


現在スタートバーンでは、デザイナーやエンジニア、BizDevなど、様々な職種を募集しております!興味のある方は以下のリンクから、エントリーしてみてください!お問い合わせも、お待ちしております!


堀口 祐美子
開発部 CS/オペレーション

福岡出身。愛知県立芸術大学油画科卒業。現代アートギャラリーで勤務経験後に入社。スタートバーンではプロジェクトマネージャーを担当。好きなアーティストはトーマス・デマンド、デイビット・ホックニー。休日は読書会や批評の勉強会などに勤しむ。ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾3期聴講生。


小鍋 藍子
事業開発部 アートインテグレーション室 マネージャー

東京出身。主流のポップアートを扱う老舗ギャラリーで営業部長として経験を積んだ後、2011年から平日は商社勤務の傍ら、休日に現代美術を扱うアイココギャラリーを運営開始。アートマーケットの本流を経験しつつ、領域横断的にカッティング・エッジなアートを積極的に扱う柔軟な活動を評価されスタートバーンに参画。
http://aikokogallery.tumblr.com/
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