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「SmartDrive Culture」をつくりました

きっかけ

多くの会社で「社是」「社訓」のようなものがあり、その組織の価値観や行動指針として掲げられているわけですが、弊社も社員が30人を超え、そろそろ単純に「言わなくてもみんなわかってるよね?」という雰囲気的理解だけに頼るわけにもいかないフェーズになってきたかなという感じはし始めていたところでした。

今後50人、100人、それ以上となっていく中で、みんながいつでも「スマドラってどんなことを大切にして働いているんだっけ?」と立ち返ることができるものも早晩必要になるという認識もありました。

また、外から見た時に弊社がどういう会社なのかわかってもらえたり、それに共感してくださる人たちがジョインしてくれるというような、採用における基準としても活用できるものでもあります。

そんな状況下で、今回は弊社のデザイナーの声がけで “Culture Code” と呼ばれる社内プロジェクトが立ち上がり、SmartDrive Culture 制作がはじまりました。

でも、本当に必要??

たとえば、悪い例として挙げられるのは「毎朝社員全員で社訓を唱和しているけど、みんなただ言わされているだけで、実際にそれが社員の行動指針として根付いているわけではない」という状態は、あたりをかるく見渡せば決して珍しくない光景だと思います。

がんばって作ったはいいけどそれで終わりになってしまったり、せっかく暗記して毎朝唱和しても行動が伴わなかったり、そうなってくると「そもそもなんでこんなことしてるんだっけ?」となってしまいます。

社訓、社是、それを何と呼ぶかは会社によりますが、それを制定すること自体にはたいした意味はなくて、それが内外ともに共有・認識され、ちゃんと社員の行動や価値観に浸透していたり、対外的にはちゃんと採用基準としてフィルタリング機能になっていてはじめて、つくった意味が生まれます。

また、こういったものは継続的なメンテナンスも必要で、常に会社の向かう方向や目標と合致していないとワークしなくなってしまうので、実態と乖離しはじめているようであれば適宜修正が必要になるわけですが、つくった後は完全放置になってしまっている会社も少なくないと思います。

「そんな面倒臭いものならやめちゃえば?」そんな囁きも聞こえてきそうですが、それでもやはり必要なのは、会社として何をプライオリティにしてやるべきで、逆に何をやらないべきなのか、という基準を明確にしてみんなで共有しなくてはいけないからですね。

制作プロセス

これは各社いろいろあると思うのですが、弊社の場合は社員番号1であるアメリカ人デザイナーが言い出しっぺだったということもあり、彼と代表を中心に5人くらいでプロジェクトチームを作って、とりあえず思いつくままにいろんな会社の社訓を見ていくところから始まりました。

ひとつの例としてデザイナーが持ってきたのが、IDEOのCultureCodeでした。とても有名な会社なのでご存知の方も多いと思いますが、グローバルにデザインコンサルティングを手がける会社で、最近はデザイン思考(Design Thinking)という言葉が一躍有名になったことでも取り上げられることが多かった会社です。


あとは、日本企業のものもいろいろ参考にしたりしつつ、スマドラとして大切にしたい、醸成・成長させていきたいカルチャーって何だろう、と考えていきました。

当たり前ですが、他社が打ち出しているコーポレートバリューのようなものや会社のDNAにしたいと思っているような行動指針的なものをあれこれ見ていくと、「あ、これぜひうちもやりたい!」と思うものから「これはさすがにうちでは….」と思うものまで、とても広い振れ幅で見ることができて参考になりました。

ゼロベースで考えるのもひとつの手ですが、最初にいろんな会社の事例を見てみるのも純粋に参考なって、思考を刺激する効果もあって、良いですね。各社いろんなエッジの利かせ方や差別化をはかっていて見ているだけでもおもしろいですね。

その中で、「うちはこんな感じかなあ….」とぼんやり見えてきたところで、一旦現存の社員たちにもヒヤリングしてみようということになりました。

はい、こんな時はGoogleフォームが便利ですね(笑)

ここでひとつ迷ったことは、このフォームへの回答を「全員必須にすべきか、それとも任意にすべきか」というところです。結果的には、任意にしました。

社員の行動指針や大切にしていくカルチャーみたいなものは、当然社員全員にダイレクトに関わることなので、本来であれば全員から一言でもいいから意見が欲しいと思いました。(任意にすると、さすらに全員からということにはならないだろうと思ったので)

ただ、これを「強制」にしてしまうと、その行為自体がこれから制定するカルチャーに影響してしまう気もしたので躊躇し、上述のように結果的には任意としたわけです。

会社として、社員たちにどうあって欲しいのか。弊社に興味を持ってくれた外部の方々に、弊社がどんな会社だと見て欲しいのか。そう考えたときに、何かを「強制」するような会社ではありたくないなと。それに、今回のトピックのようなことは、言われなくても社員全員が率先して自分の考えをシェアしてくれて、それが呼吸をするくらい当たり前のこととしてやっている、そんな会社でありたいなと思ったわけです。

そんなことを考えていた際に、フラッシュバック的に思い出したのが、漫画「キングダム」に登場する、李斯という法律家の男の言葉です。突拍子もない話の展開で大変恐縮ですが(笑)、彼が法律とは何かということを語ったシーンと言葉を思い出し、改めて胸にグッと込み上げてくるものがありました。

秦の始皇帝の側近である昌文君というおじさんが、投獄中の法家である李斯から「そもそも法とは何だ?言ってみろ昌文君」と問われ、たじろぎながら「法とは、刑罰をもって人を律し治めるものだ….」と答えると、李斯が法家として彼の思想を述べます。


               漫画「キングダム」46巻(原泰久著)より抜粋

「馬鹿な!刑罰とは手段であって法の正体ではない!”法”とは願い!国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」

と李斯が諭します。いやー、これは何度読んでも胸熱ですね(笑)

もちろん、会社のカルチャーや社訓のようなものは、法律とはちょっと違います。違いますが、李斯の言う「願いである」という部分は、根本的に同じなのではないかと思いました。

自社の社員たちにどうあって欲しいのか、そういう願いを込めたもの。だからこそ、「強制」であってはいけないと思いますし、と同時に社員たち自身から発せられるものでもあって欲しいと思うわけです。

そんなわけで、完全に余談でしたが(笑)、Googleフォームを使って社員の声を募りました。正直なところ、8–9割の社員が自主的に書き込んでくれるとうれしいな、などと密かに期待してはいたのですが、実際はその水準には及びませんでした。

ただ、逆にこういった結果だったからこそ、この辺はまだまだ社内でのメッセージングが足りてないところがあるんだなと気づけましたし、上述の「願いである」という部分を社員全員で共有していけるような会社になっていきたいなと再認識した気がします。


最終的には、Googleフォームで収集したアイデアのエッセンスを書き出していって、それを自社にマッチするように再構築していくような作業をしていきました。

具体的にはプロジェクトチームでさらに3回程度集まってディスカッションして、言葉や表現を微調整していき、最終的に「一旦はこんな感じではないか」という形にまで落としました。

ただ、会社というのは生き物なので時間や成長とともにどんどん変わっていくものでもあります。そうなれば、社員に求められているものやカルチャーなども徐々に変わっていく部分もあるはずです。その中で、変わらない(変わっちゃいけない)こともあるはずで、それが一体何なのかというのも、会社としてこれから経験していくフェーズなのだと思っています。

そんなわけで、前置きがずいぶん長くなりましたが(笑)、今回弊社がつくった3つのカルチャーをご紹介させてください。

We’re Curious(問い続ける)

ちなみに、お気付きの方もいらっしゃると思いますが、英語が “We are〜” となっていて(残りの2つもそうです)、動詞で始める形になっていないという特徴もあります。

これは、弊社のデザイナーであるアメリカ人が、動詞が頭にくるような表現だと(例:”Be flexible”, “Take ownership”)、若干強制しているような、命令しているような響きがあるから、そうではなくて自分たちが主体的にそうあろうとしてそうなっている、という感じにしたいと言ったことがきっかけで、まさにそこは弊社のカルチャーにしたいところでもあったので、強制的な表現にならないようにするべく、「We’re〜」という表現に落ち着きました。

“We’re Curious” は、直訳すれば「わたしたちは好奇心旺盛である」という感じでしょうか(笑)なんかこのままの訳を置いてしまうと微妙な感じがしたので、意訳的に「問い続ける」としました。

好奇心が強いということは、どこまで「どうして?」「本当にそうなの?」と満足せずに問い続けられるかということで、何か良いものをつくろうと思えば欠かすことができない姿勢です。現状に甘んじることなく良いものを模索し続ける姿勢は、言うは易し行うは難しの最たるものでもあると思います。

だからこそ、ここを地道に真摯にやり抜いていくことができるか、そして社内の「誰かが(プロダクトマネージャーとかが)やってくれる」のではなく、社員全員がこういう姿勢を持ち続けるようになりたいと思うわけです。常に改善していくべきはプロダクトだけでなく、営業やマーケティングやカスタマーサポートも、人事も総務も経理も法務だって、すべての領域において「問い続ける」べき課題は多々あるはずです。

それを、すべての社員が自分の持ち場でやり続けらえるか。それは簡単な挑戦ではないわけですが、それだけに、そうありたいと掲げる姿として十分な懐をもつテーマであると思っています。

We’re Autonomous(主体的である)

“autonomous” を辞書で引くと、大抵「自律的な、自主的な、自治権のある」などが出てきます。弊社のカルチャーにおいて日本語訳をあえて「主体的」としたのは理由がありまして、「自律的 ≠ 主体的」だということに気づいたからです。

長年あまりその違いを意識することはなかったので、正確に何が違いなのかと考えた時に、はっきり答えが浮かばなかったのですが、ヤホーの検索結果の上から3つ4つ見ていったらすぐにクリアになりました(笑)

なるほどと思ったのですが、「自律的 ≒ 自主的」で、やることがわかっている状況下で、自ら進んで それをやることなのだそうです。例えば、子供が寝る前に歯を磨かなければいけないことをわかっていて、それを親から「早く歯を磨きなさい」と言われなくても「自主的に」(または自律的に)やる、という状況です。

一方で「主体的」というのは、自分が何をすべきなのか決まっていない状況であっても、何をどういう目的でやるのかを自分で考えて行動する様を指すようです。つまり、上記の例でいえば、寝る前に歯を磨くのは何でかを考えた際に、必ずしも寝る前に磨いた方がいいというよりは、夕食が終わってすぐに一度磨くことで雑菌の繁殖をもっと抑えられるからそちらの方が良いからそうしようとか、磨き方もどうすれば効率的なのかを自分で調べてより良い方法に変えていったり、そういう工夫をしていくことになるでしょうか。

弊社のアメリカ人デザイナーが言うには、英語の “autonomous” には自由意志を持って物事の意思決定を自分で行うというニュアンスが元々含まれているということだったので、英語はこのままで良いねという話になったわけですが、日本語に関しては上述の理由から、「自主的・自律的」というよりは、「主体的」でありたいという思いから、そうしました。

なので、当然そんな主体的な人たちをマイクロマネジメントする必要はないわけですし、職種という狭い枠組みだけで物事を考えたりすることもないですし、上司から逐次言われなければ何をどうやっていいのかわらないみたいな人もいないはずだよね、という内容にまとめています。

組織のレイヤーばかり増えていってもその体制のつじつま合わせをする仕事やシステムがどんどん増え、反比例的に本質的な仕事をする時間が減るという現象が起こるので、弊社ではできる限りそういった状況にならないようにしていきたいと思っています。

We’re Doers(やり抜く)

「やり抜く」なんて社会人として当たり前のことでしょ、と思うかもしれませんが、本当に社会人全員ができてるかと言われればどうでしょうか。「うちの社員はみんなやりきってるよ!」と言える会社は全体のどれくらいでしょうか。当たり前のことだけど、実行が難しい。その代表格が、やり抜く(やりきる)ということではないかと思います。

特に、多くの業務やプロジェクトはいろんな人が関わるので、責任の所在というか、オーナーシップの所在が曖昧になりがちだと思います。ただ、この「責任者」という概念と、「オーナーシップを持って仕事をする」という概念は、似て非なのではないかと思っていまして、たとえばあるプロジェクトいおいてプロジェクトマネージャーがプロジェクト全体の責任者であり、その結果責任はプロジェクトマネージャーがとるということになっていた場合、プロジェクトメンバーたちが「まあ、最悪どうなってもプロマネが飛ぶだけでしょ」という意識でやっていたら、当然そのプロジェクトはなかなかうまくいかないですよね。

どんな大きなブロジェクト、業務、タスクでも、必ず自分が「ここは自分の責任で絶対にしっかりやり遂げる」と思えるところはあるはずで、もしそうでないという人が多ければ、そのプロジェクトは早晩瓦解することになります。組織で考えれば、そういう社員が多ければ多いほど、提供するプロダクトやサービスのクオリティにも大きく(ネガティブに)影響することになるでしょう。

傍観していれば誰かがやってくれる。うまくいかなくても誰か上の人が責任をとってくれる。そういうマインドで仕事をしていたら、その個人の成長も、集合体としての組織の成長も、望めるわけないですよね。自らすすんでオーナーシップをとって推進し、完遂させる。個々人がそういうマインドで仕事に取り組んでいる組織は、当たり前ですが、強い組織になりますよね。弊社もそういう組織でありたいと思っています。

まとめ

ちょっと長くなりましたが、今回どうやって SmartDrive Culture をつくっていったのか、そこにどういう思いが込められているのかに関して書いてみました。

ただ、カルチャーも「生き物」なので、一度つくったからといってそれがずっと不変で存在するというものではなく、会社の成長に伴っていろんな人たちがジョインしてくる過程で、社員たちが日々感じるものが徐々に変化していくようなことはあると思います。

そんなときに「そもそもスマドラってどんな会社・カルチャーでありたいと思っているんだっけ」と立ち返って確認できるものがあると良いなと思っています。だからこそ、こうして言語化するのであり、そして言語も放置すると風化していくものなので、適宜アップデートしていかないといけないと思っています。

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