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平林社長のサイトセンシング創業ストーリー

今回は、サイトセンシング(株) 平林社長(写真後列左から3番目)の創業ストーリーをお届けしたいと思います。

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平林 隆 Takashi Hirabayashi

1983年、早稲田大学理工学部建設工学専攻修士課程修了。1992年、米国ノースウェスタン大学にてMBA取得。その後、ADLジャパン、A.T.カーニー、マッケンナーGrにて経営コンサルタントとして活躍後、2008年9月に産総研ベンチャー開発部へ所属。2012年6月サイトセンシング株式会社設立、代表取締役社長に就任。

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Q:それでは平林さん、会社を起こそうと思ったきっかけ、また、それまでの過程について伺いたいのです が、その前に産総研という組織についてお聞かせください。

A:産総研について説明しますと、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)は、産業技術の 幅広い分野におけるさまざまな技術開発を総合的に行っている、日本最大級の研究機関で、経済産業省所管の公的研究機関です。

産総研では、これまでも様々な研究員が研究開発をしておりますが、技術を世に出す為には研究員だけでは無理であるとの認識から、事業化・ベンチャー化を担当するビジネス人材を産総研外から招へいし、研究員とコンビを組ませる「タスクフォース制度」というものがありました。私はその一環として2008年に産総研に入所し、技術のベンチャー化に取り組んだ次第です。


Q:なるほど、そこから起業に至るまではどういった経緯だったのでしょうか。

A:私は、アメリカのシリコンバレーで、経営コンサルタントとして新規事業の立ち上げ戦略の立案や、立ち上げのための実際の支援を経験していました。ですので、産総研でもその知見を生かしたベンチャー化を考えていました。

そんなとき最初に担当したのが、顔認識ソフトウェアのFace Grapherでした。これは某大手企業からのカーブアウト案件(ある技術シーズを現在所属する機関から切り出し、別の機関への移転すること)であったため、産総研という公的機関が、民間企業の技術シーズを引継ぎベンチャー化するというストーリーが成り立ち、当時かなり話題となりました。

このFace Grapher を核として、2012年6月にサイトセンシング株式会社を起業し、産総研技術移転ベンチャーの称号もいただき、翌年には茨城から東京都千代田区に事務所を移転しました。

この最初の立ち上げの後に、実はもう一つの技術を利用して、他に一社起業していましたが、「計測」という基本技術の集約を狙い、現在当社の技術的な中心的役割を担っている興梠取締役が興していた「行動ラボ株式会社」も併せて、合併という形で一緒になったのが現在のサイトセンシングです。

やや話が前後しますが、この行動ラボでは、屋内・地下といったGPSが不得手な環境下でも、人や車両の位置推定・トラッキングを可能とするPDRという技術を核にしておりました。また同時に、そのトラッキング軌跡をビジュアル化するため3D(三次元立体)デジタルモデルの作成技術も有していました。このため、行動ラボと合併したサイトセンシングは、顔認識・PDR・3Dモデルという3つの事業分野を持った、ベンチャーでは稀な形になったのです。


Q:では、平林さんが会社を運営する上で、大切にしておられる事は何でしょうか?

A: 私は、ビジネスモデルとして如何に有効にするかを常に考えています。技術はもちろん大事です、しかし事業として成立させるためには、どういったビジネスモデルを描けるかが、支配的要因であると思っています。


Q:今後の事業展開と将来の展望についてお聞かせください。

A:日本国内はもちろんのこと、海外への展開も機会があれば進めていきたいと考えています。

これまでも「Face Grapher」はシンガポールからの引き合いや、タイへの納入実績があります。2017年10月にはアラブ首長国連邦(UAE)で開催された展示会「GITEX Technology Week 2017」に出展した折は、「PDR」に高い興味を示してくれる企業が幾つもあり、「Global acceleration program in Tsukuba 2019」ではアメリカNYのアクセラレーターから、同国への市場拡大を強く勧められました。

経営コンサルタントをしていた時に、ベンチャー企業が伸びるときは本当に短期間で急成長を遂げるものだと感じました。現在当社の事業は、幸いにも注目され始めています。この機を逃さず成長の波に乗っていきたいと思います。


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ありがとうございました。

アグレッシブな印象を受ける平林さんですが、細やかな気遣いのある方です。

お話していると、博識で話が様々な分野に渡るので楽しく、そして勉強になります。

海外でのビジネス経験から視野も広く、海外展開も考えているとのこと。

また、福岡では拠点の立ち上げとともにスタッフも増え、これからの事業展開にワクワクします。

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