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【代表インタビュー①】物流業界で躍進する首都圏物流グループ|グループ代表、駒形が持つ想いとは?

昨今、Amazonや楽天を始めとするEC市場の成長が加速している。ネット上で購買をし、最短で消費者の手元に次の日に届くことも少なくない。そんな人の手元に届くまでの物流の業界で躍進している企業がある。

創業は1987年、グループ連結売上78億円、営業所は1都12県30拠点で物流事業を展開する首都圏物流グループという会社である。

「一番大事なことは、社員の心身の安全、売上や利益だけでは社員も会社も成長しない」
そう語る、首都圏物流グループの駒形友章代表に話を聞いた。

駒形 友章氏

大学では、経営学・マーケティングを学び、卒業後、大手広告会社に入社。広報コンサルタントとして11年間勤務。2006年に株式会社首都圏物流へ入社。営業開発、常務取締役、関連会社社長を経て2011年に代表取締役社長に就任。


運転業務に従事するドライバーは、常に命の危険と隣り合わせ。

人によっては長距離運行、夜間勤務という状況もあることも踏まえ、社員の安全を常に第一とし、社訓にも想いを込めているという。

駒形:社訓の1番最初は「安全が第一」です。売上でもなく利益でもなく、“安全”を一番最初に掲げています。物流業界は一歩間違えれば、命を落とす可能性もありますよね。

企業や経営者は、往々にして売上や利益を優先してしまい、時に“安全”を後回しにしてしまう。それではいけないし、そんな背景もあり経営理念である社訓の最初に「安全が第一」を掲げているんです。

また、交通事故や労働災害などで怪我をしないという身体の“安全”だけでなく、心の“安全”を大切にしています。“安心”と言い換えていいかもしれません。特に運転業務に従事する社員は、不安や悩みを抱えていると集中力が散漫になり認知や判断が遅れるので非常に危険です。ですから私達は社員が安心して業務に集中できる環境を整える必要があるのです。社員の心の“安全”を維持には、ご本人だけでなくご家族、さらには荷主企業や納品先といった取引先の心の“安全”も大きな影響を与えます。だからこそ私たちは、社員も含めたあらゆるステークホルダーの“安全”を目指す必要があるのです。

社訓の2つ目は「育てる心と育つ心」、つまり“教育”です。社員は自ら育つ心を持って欲しい。そして会社は社員を育てる心を絶対に忘れてはいけないということを社訓の2番目に掲げています。私は社員が持つ成長の可能性を信じています。ヒト・モノ・カネといった経営資源の中で、無限大の可能性を持っているのがヒトなんですよ。その社員の成長を信じて愚直に“育成”に向き合うことが、中長期的には会社の成長に繋がると考えています。社員の成長が止まれば、会社の成長も止まります。一方で経営者が現状に満足して会社の成長を止めれば、社員が成長する機会はなくなります。社員の成長と会社の成長、この2つは両輪であることを忘れないようにしています。

さらに社員には自ら「育つ心」だけでなく「育てる心」を持って欲しいと伝えています。私たち物流業界は社会のライフラインであることを自覚し、私たちの物流サービスを通じて、お客様だけでなく、地域、さらには社会を育てていくんだといった気概を持って欲しいと話しています。

社訓の3つ目は、「物流は商流に通ず」です。物流を通じて、お客様の商売の発展に貢献するという意味を込めています。最初は「物流は商流を制する」だったそうです。今から30年以上前の頃ですね。少し偉そうな言葉じりでしたので「物流は商流に通ず」という言葉にしました。

物流が消費者の生活に欠かせないものとなり、物流業界に求められる価値も変わってきている。時代の変化に合わせ、挑戦し続けなければいけない。

駒形:Amazonにはじまり、物流は昨今伸びている市場です。コロナ禍でヒトが動かなくなりましたよね。社訓の三番目にある通り、まさに物流が機能しなくては、商売が成り立たない時代に突入しましたし、今後どんどんこの流れは続くと思っています。ヒトではなく、モノが動く時代の中で、我々物流業界に求められる価値が変わってきています。

社会にとって物流はなくてはならない存在になり、技術も発展してきました。自動運転がトラックにも実装されてきています。倉庫内も、人がピッキングや仕分け、梱包を行うのではなく、ロボットを活用した省力・省人化が進展しています。ただどんなに良いシステムやロボットが開発されても、自社やお客様の商品にあったモノを企画・設計し、チューニングし、オペレーションするのはあくまでヒトで、ヒトはどこまでいっても必要です。

ヒトに求められる役割が変化していくということでしょうか。例えば、ドライバーは運転する仕事から、鉄道の車掌さんのように、ロボットやシステムの監視や管理などの仕事に変わっていくでしょう。または倉庫内でもフォークリフトを操作するのではなく、それを動かすオペレーション側になることも可能性としてはありますよね。こういった形で、時代の変化に合わせて一人一人に求められる仕事も変わってくるのではないでしょうか。

そんな中でも、常に社訓の一番目に掲げている“安全”を忘れてはいけない。そして社員を育てること、社員自身が成長することを忘れてはいけない。私たちのサービスを通じてお客様、地域、さらに社会の発展に貢献し続けていくという気持ちを忘れてはいけない。変化の激しい時代だからこそ、常に社訓に立ち返ることを忘れずに邁進していきたいですね。

広告会社で10年近く、広報コンサルタントとして名だたる大手企業を中心に支援をしてきた駒形氏。
仕事へのやりがいとは裏腹に感じた自分の将来への不安があったという。

駒形:広報コンサルタントとして約10年ほど必死に仕事を続けましたが、このままで良いのかという漠然とした不安がありました。経営に近い領域での仕事を通じて自分自身の成長も実感でき、また素晴らしいクライアントの方々と仕事をご一緒できたことは本当に楽しかったです。徹夜の日々が続く中でも、やりがいを感じて仕事に向き合うことができました。当時は、クライアントの方々の期待に答えたくて無我夢中で仕事してましたね。

ただ30歳になった時に、学生の時に決めた「自分は将来に何か自分自身で事業をやりたくてこの会社に入ったんだ」という目的を忘れていたことに気づきました。この会社でも学べることは、ある程度は学びきれたと思い、10年という節目のタイミングで卒業することを決めました。

年末に独立することを両親に話したところ、両親から家業を手伝って欲しいと言われて、最初は断ったのですが、少し時間をあけて考え直してみました。自分と向き合ううちに、こう思ったんですね。「今しかできない、私にしかできないことをしないと後々に必ず後悔する」と。その言葉を胸に、覚悟を決めて家業である首都圏物流に入社することにしました。

10年間、同じ業界で働いてきたので、そのまま独立した方が楽ではあります。お客様もつきやすいですよね。ただ、自分が全く経験したことのない業界で、経験したことのない仕事を、会ったことのない人たちと一緒に仕事することが自分の成長に繋がると感じました。敢えて厳しい道を選ばないと経営者として成長することができないと感じたことが入社を決めた最も大きな理由です。

入社後は、両親に変わり経営の舵取りをすることに。しかし、経営者としての大きな壁にぶつかり失敗の連続だった。

駒形:入社後は、経営全般を任されていたのですが、何度も大きな失敗をしました。
改めてその時に思ったことは、「経営者の器以上に、会社は良くならない」ということ。
経営者自身が社員の誰よりも勉強し、働かないといけないと会社は良くならない。良く会社は頭から腐ると言われますがまさにその通りだと思います。トップが現状に満足し、成長を止めた瞬間から会社は悪くない。経営者の慢心が会社を潰す。だからこそ私は社員に誰よりも働き、そして学び続けようと決めました。そんなこともあり、経営を体系的に勉強しなおそうと思い、2017年にグロービス経営大学院に進学しました。社員の協力もあり、何とか2019年に大学院を卒業し、現在に至ります。

東日本大震災で感じた、社員とその家族の大切さ。社員と家族の幸せは何としても守らねばならない。そんな想いから実現した運送ルートと社員のキャリアの選択肢を拡充広げる取り組みがあったと駒形氏。

駒形:東北地方に拠点があり関東~東北間の輸送事業を行っていたので、東日本大震災の時は本当に大変でした。電気やガス、水道も止まるし、余震もいつ起こるか分からない状況。何よりも燃料が手に入らない。お客様から依頼されても荷物を運びたくても運べない状況にもなりました。そのような中、何とか力を合わせて、水や食料、救援支援物資といった生活、というより生命の維持に欠かせない物資を、社員全員で殆ど休むことなく懸命に運び続けてくれました。

その後に震災が落ち着いてからのことです。何人か社員が退職していきました。理由は家族と一緒にいたいから。震災を通じて家族や親族、地域との絆を大切にして生きていきたいという価値観に大きく転換していった時期でした。その時にトラックドライバーでも「毎日家族の顔が見れるような体制を整えていかないといけない」と思いました。

まずはトラックの輸送の部分で営業所を増やしました。理由は、売上を上げたいといわけではありません。拠点網をきめ細かく設置することで、一人一人が運転する距離や時間を減らすことができ、社員が家に帰って家族との時間を作れるようなるからです。また走る範囲が短ければ、お客様や道路も覚えやすいので事故の削減になりますよね。

倉庫を運営している拠点も15ヶ所あり、社員だけでなくパートスタッフもたくさん働いています。例えば、自己で運転免許が取り消されたとしても、免許が取れるまで倉庫で仕事を続けることはできますよね。わざわざ転職する必要はないです、転職って結構大変ですから。

また、キャリアの選択肢という観点でいくと。例えば、65歳の定年後もドライバーではなく、倉庫でのピッキング作業という選択肢も提供できます。このように長く働き続けるために、物流センターや営業拠点を増やしていく必要があると私は考えています。今後は自動運転やロボットの技術が発達するので、より負担なく倉庫作業にも関わることもできると考えています。

あと人材派遣事業や保育園も開設しました。これも、ビジネスで稼ごうというわけではなく、あくまでも社員が働ける場所や時間を増やしていきたいという想いが大きいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー駒駒形がどんな想いで、何を考え、首都圏物流グループの未来を見据えているのか。
過去の経験を糧に、経営者として絶え間ぬ努力を続ける駒形に今後もせまっていく。
今回のインタビューは第一弾。
第二弾は、首都圏物流グループが展開する事業領域について、詳しく深ぼっていこうと思う。

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