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地方を盛り上げるために必要な変化と伝統の共存。官民連携で地方創生を

地方と都市部の格差は年々広がる一方。しかし、個性的で魅力的な資源を生かすことができれば、良い変化をもたらすことができるはずです。今回はこれまで地方と関わってきた経験から、地方創生の難しさと行政との協力について関澤社長にお話を伺いました。

地方はやっぱり面白い

-羊SUNRISEが開店してからこれまで日本全国の町おこしと関わってきました。中でも印象的だった市区町村はありますか?

佐賀県の太良町は今日本で一番消滅危険性が高い自治体の一つです。海沿いの街ですから漁業が盛んで牡蠣小屋発祥の地と言われています。

実はこの町にジンギスカン屋がものすごくたくさんあって。60年くらいやっているお店とか古い店がそこら中にある。もしかしたら北海道のだるまの次くらいのレベルで古いジンギスカン屋の可能性があるくらいです。

でも羊の畜産が盛んかといえば全く行っていなくて、ジンギスカンに使う羊肉はオーストラリア産。「えっ?」てなるじゃないですか。それで太良町の人たちに「なぜジンギスカンを食べるようになったのか」聞いて回りましたが誰も知らない。

手がかりとしては戦前、雲仙普賢岳の麓で軍服用の羊を放牧していた歴史があった。もはや推測でしかありませんが、この時代に羊肉を食べる文化が生まれ、羊を育てなくなった後も羊を食べる文化だけが残ったのではないかと。

太良町以外に現在国内で羊を食べる文化が残っているエリアを見ると、もともと炭鉱があったりハードな肉体労働者が集まるエリアが多い。羊がエナジーフードとして認められていたことを表しています。

-羊SUNRISEは地方とどのような関わり方をしてきましたか

フードイベントだったりいわゆる勉強会や交流会が入り口になることが多いですね。個人的な付き合いやサウナ関係で知り合った人、あとはビジネス交流会経由での紹介だったり、様々です。

あとは羊飼さん達に実際に会いに行く中で地方とのつながりができたりとか。この間はHOTPOT羊SUNRISEのスタッフを連れて南三陸の牧場を見学に行ったんですが、その時に海苔養殖業者さんと知り合えました。

やはり実際に地方に足を運んで話すことが大切だと思います。

「変えたい」と「変わりたくない」

-地方を盛り上げる難しさを感じる部分はありますか

私が多くの自治体における課題と感じているのは、既得権益を持った人たちと地元を変えたい人との軋轢ですね。

例えばある自治体で地元の若い人たちとフードイベントを開催したことがありました。ちょうど首長選の時期で、若い人たちのグループから立候補者が出ていて。特に選挙活動という意味合いでのフードイベントではなかったんですが、イベント告知をして予約も入っていました。

そしたら自分たちのイベント開催の2週間前に、地元の組合がフードイベントを開催することを突如決めて。小さな自治体なので100人規模で集客するイベントなんて年に一度あればいい方なんです。それで「組合には逆らえない」ということで、こちらに入っていた予約が結構な数キャンセルになり集客し直す羽目になった。

本来であればフードイベントで地元を盛り上げるという目的は同じはずなので、ぶつかり合うことは全く無意味なはずです。しかし、そこには利害関係の対立があります。

古くから住んでいて財を成している人たちはそれこそ孫の代くらいまでなら食わせられるので、今の状況を変えたくない。でも問題意識を持っている若い人たちはこのままではこの町は村はダメになると思っているので、今の状況を変えたい。一言に地元を盛り上げると言っても、前者は自分たちの既得権益をより長く守るために盛り上げたい、後者は地元を変えるために盛り上げたい。ゴールが違うんです。

-両者が共存していく方法はありますか?

まず若い人たちに関しては、これまで地元で続いてきた方法を理解しようとする姿勢が必要です。「今ダメになった」とは言っても何十年もやれてきているわけですから、良いところもあるし引き継いだほうがいい部分も多いはず。何かを変えようとした時に、既存のシステムや人の悪口・不満しか言わない人だとうまくいきません。良いところは引き継いで負担の少ないところから変えていく合理性と柔軟性が必要です。一度に全部やろうとしても難しい。

その一方で地元の重鎮とか地場で生きてきた人たちには、変わらなければならないことを認識してもらいたいとは思います。ただ、これは本当に難しい。やはり利権があるので。ここに関しては行政が主導して改革する方向に引っ張っていってもらう必要があります。

行政と民間が二人三脚で地方を盛り上げる

-地方創生において、行政と民間はどのような付き合い方をすれば良いのでしょう?

羊SUNRISEの場合は地方に出店する動機として「地元を盛り上げることができるか」を重視しています。単に地方に出店してビジネス的に成功すればいいという考えではないんです。

ですので今回HOTPOT羊SUNRISEがつくば市に出店を決めた重要な要素に、つくば市が地元を変える、盛り上げるということに意欲的で施策を打ち続けてきたという積み重ねがあります。この自治体の姿勢であれば、サポートも受けられるし逆にこちらからも提案をできる。行政と民間が二人三脚で歩いて行けると感じました。

つくば市に限ったことではなく、地方創生に意欲的な自治体はあります。自治体の首長や行政の担当者がどのような考えで取り組んでいるのか、どれくらいの熱量があるのか。これらを判断するには実際に会って話すしかない。とにかく会って熱量を感じることに尽きるかと。

行政と付き合う難しさは選挙によって全てが変わるリスクがあること。その辺りもうまく見極めながら、地方の盛り上げに貢献していけたらと考えています。

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