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スタッフに動いてもらうために大切なのは「なぜやるのか」を理解してもらうこと

上司にとっては「部下が自分の指示を聞いてくれない」
部下にとっては「上司の指示の意味がわからない」

組織で発生するこの齟齬によって、会社も人も成長を阻害されます。今回は羊SUNRISE麻布十番店の石川店長に、お店のチーム運営について伺いながら、「どうやって指示を出すか」についての考え方を深掘りしました。

教え合う、指摘し合う文化

-羊SUNRISEはどういった組織構成ですか

まずトップに社長の関澤がいます。その下に麻布十番店長の私と、神楽坂の店長、料理長、この3人がいます。そこから下は役職とか明確な区分けはありません。社長直下の3人にしても普段は現場に入って他のスタッフと一緒に動いているので、あまりかっちりした組織の感じは無いですね。フラットな雰囲気とは言えると思います。

-お店で実際に働くスタッフはどのようなチーム構成で動くのでしょう

業務の内容ごとにブロックが分かれています。例えばオープン前であれば野菜を切る人、仕込みをする人のように、担当の切り分けがある。各々が自分の持ち場を責任持ってこなします。

オープン後はスタッフ全員がそれぞれ対面するお客様の接客をします。お客様にお肉を焼いて提供して会話をするのがメインの仕事になるので、業務上の切り分けというよりお互いに足りない部分をフォローし合う動きをします。

-新人さんが入ってきたときはどうやって育成するのですか

まずは業務内容で分けたブロックに入ってもらって、その仕事をマスターするまで頑張ってもらいます。マスターしたら別の業務のブロックにそこの仕事内容を教えてもらってできることを増やしていきます。それを繰り返し、分裂したブロックをどんどん合体させていく感じですね。

これは新人に限った話ではなくブロック間で教え合う、指摘し合う文化があります。壁がなく必要なことはなんでも伝え合えるチームにはなっていると思います。

支え合うためのフラットな組織

-どのような経緯で今のような風土ができたのでしょう

これは偶然で、関澤以下の私を含めた3人の幹部がそれぞれできる領域が完全にバラバラだったことが影響しています。

神楽坂の店長はプロの料理人、料理長は肉のプロ、私は料理はど素人でしたが会社経営とかweb・会計等の知識があった。誰をすっ飛ばしてもうまくいきませんよね。

そもそものお店のスタートが、別の領域の担当同士協力し合わないと運営が不可能な状況でした。自然にスタッフ間でも協力し合う文化が出来上がったのだと思います。

-石川さんはこれから羊SUNRISEのチームをどのようにしていきたいですか

基本的には今のスタイルは変えずにいけたらいいなと思っています。スタッフ間で相互に教え合う、フォローし合うことで成長につながっている部分が大きいので。

一つ補足があって、確かにフラットな組織ではあるんですが、ひたすら自由とか楽ちんな職場と誤解して欲しくないんです。重いものを運びますし、火元にいるんで暑いですし、お客様との対話がうまくいかなくて心が折れることもあるかもしれない。支え合うためのフラットな組織であって、楽をするためではないことを理解してもらう必要はあるかなと。

とはいえ、日々頑張る中で凹むことに関しては、スタッフの性格別に分け隔てなくフォローしているつもりです。それも支え合うことの一環として大切だと思います。

落ち込んだ空気になってしまうスタッフに対しては「今のは誰でも同じ結果になったと思うから、あまり気にせんでいいよ」と声かけするとか。

イラつきやすいスタッフに対しては、裏に呼び出して力一杯抱きしめるとか(笑)

言い続けることが大事

-スタッフを教育する上で心がけていることはありますか

ひたすら言い続けることです。「こんなこと言わなくても大丈夫だろう」と思っても、毎日様々なタイミングで口に出して伝える。

これはどこの組織でも同じだと思うんですが、上司としては部下に対して「なんで言ったことをやらないんだ!」と叱るわけです。部下は反省したように見えるんですが、数日経ってもまたやっていない。上司としては「一体どうなっているんだ」と呆れるやら怒りが湧くやら。でも結局やらない理由がわからない。フラストレーションが溜まりますよね。

理由は様々あると思います。部下側としては、言われていることの意味がわかってないのかもしれないし、やる理由を理解していないのかもしれない。本人もなぜやらないのかわかっていないかもしれないし、とても忘れっぽいのかもしれません。

そこの理由はおそらく最終的に上司にはわからないんです。ですので、できることとしては自分の思いを伝える、こうして欲しいと声に出すのが合理的だと考えます。それに常に言っていれば聞いている方もだんだん染み込んできて理解が進みますし、急に言われて驚き戸惑うこともありません。「またか」と思ってくれればある意味しめたものです。

「なぜやるのか」を理解してもらう

-伝える時に特に気をつけている部分はありますか

「なぜやるのか」をしっかり伝えることです。これが伝わっていないと、どんなに強く業務指示を出してもスタッフは動きません。

特に羊SUNRISEはまだオープンして3年のお店ですし、日々様々なことを試し続けています。社長の関澤のアイデアを実現するために、お店の業務フローが変化することは日常的です。

スタッフにとって業務内容に変化が起こるのは負担なので、明確な目的が伝わらないと「やらなくても大丈夫じゃない?」となりがちです。

ですので、常に「こういう風にやって」「なぜやるのか」をセットで言い続けることを心がけています。私たち幹部が関澤の意図を正確に理解していないと「なぜやるのか」を部下に説得力をもって伝えられないので、その辺りは上司としての自分が試されている部分ですね。

トライアンドエラーのサイクルを早めていく役割を担う

-石川さんは羊SUNRISEのチームの中でどのような役割がありますか

関澤のアイデアを実行して、トライアンドエラーのサイクルを早めていく役割があります。関澤が目指すところと理由を正確に把握し、それをスタッフにしっかり伝えて業務として遂行してもらう。出た結果を関澤に示して、次のトライに役立てる。そのためには私自身のオリジナルの考え方の反映は必要なくて、如何に関澤を理解しそれを伝えることに専念できるかが鍵だと考えています。

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