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第5回 社長が訊いてみた / レイ・フロンティア株式会社 /機械学習エンジニア 野島さん

機械学習はジョブの分散が鍵

田村:まずは、改めて野島さんの業務内容を聞かせてください。

野島:簡単に言うと、サイレントログのアプリより収集した大量の位置情報や行動情報を読み込み、学習して予測させるためのシステムやプログラムを作っています。計算機ごとにジョブを分散し、最後に取りまとめるようにして計算しています。コストなども考えつつ、どのように振り分けるかを日々考えていますね。

田村:計算をするのは機械だとしても、機械自体のアルゴリズムを作るのは人間じゃないですか。そのアルゴリズムを作るときは、自分の中で仮説を立てるんですか?

野島:そうですね。アルゴリズム自体はオープンソースのものを使用しているので、そのパラメーターをチューニングすることで精度を高めていくような感じです。

田村:抽象度の高いライブラリがあって、そこから具現化するアルゴリズムやパラメーターを作っていくというイメージで合ってますか?

野島:はい。データを一気に取り込むと計算時間もかかりメモリも足りなくなり発散してしまうので、どれだけ分散させるかが大事になってきます。

田村:その分散が難しいですね。例えばテレビの視聴率だとわずかなデータからでもわかると言いますが、同じような考えなのでしょうか?

野島:基本的には同じ考えですね。日本にいる全ての人がサイレントログのアプリを入れているわけではない状況の中で、日本全国の様々な予測をするので。

田村:予測にはオープンデータも使っていますか?

野島:使っていますね。あと行動はルーティン化されているものもあるので、過去と少し先の行動を比較して精度計算して、直近から未来の行動を予測することも行っています。

田村:なるほど。業務を行う中で難しいと思う部分はどんなところですか?

野島:自分が面白いと思うものと、周りが面白いと思うものや世間のニーズをどう合わせるかが難しいですね。技術的な部分だと、コストとの兼ね合いですね。コストを度外視してサーバーの台数を増やせばいくらでも速くなると思いますが、どうしてもそうはいかないので。

田村:そこは物づくりと一緒ですよね。お金をかければその分良いものは作れるかもしれないけど、その分価格が上がるから、買う人がいなくなってしまう。でも一方で高級なものを買う人も一定数はいる。要はお客さんのニーズに合わせないとということですよね。

好きな場所で最新の技術を使える働き方

田村:続いて、弊社での働き方についても聞ければと思います。野島さんは長野県に住んでいて、フルリモートでの勤務ですよね。

野島:はい、長野県の小布施町に住んでいます。家から山も見えるし、周りにはリンゴ畑、ぶどう畑や栗畑などもあります。次の写真は、5月のリンゴの花が咲く頃の近所の風景です。手前はリンゴの花、背景の山は北信五岳のうちの4座で、左から、飯綱、戸隠、黒姫、妙高です。

[野島さんの自宅近くの風景]

田村:めちゃくちゃ良いところですよね。野島さんは弊社でもう4年ほど働いていますよね。この業界の中では長い方だと思いますが、どの辺が働きやすいですか?

野島:フルリモートで働けるので、やっぱり通勤がないことですね。きれいな空気や風景がある地方が好きなので、住む場所を自由に選べるのは嬉しいです。業務内容では自由度が高いので、最新の技術を使えることですね。

田村:フルリモートならでは弊害はありますか?

野島:他のメンバーと直接会えない分、基本的にコミュニテケーションはチャットになるので、行き違いがないように丁寧に伝えるようにしています。あとは内輪で話さず、みんなが見れる場所で発言をするように意識しています。

[野島さんの作業スペース/のどかな風景が見えます]

これから10年後の社会はどうなる?

田村:今後野島さんのチームでエンジニアを増やすとなったら、どんな人が良いと思いますか?

野島:情報に対して貪欲な人ですね。技術関連に限らず、世の中の情勢やニーズなども含めて。そしてその情報から科学的な分析をしてどれだけ行動を起こせるかが大事ですね。

田村:それは相手にどんな質問をすればわかると思いますか?

野島:世の中にいろんな媒体がある中で何に興味があるかや、10年後にどうなっているかを仮説立てて話せるかでしょうか。

田村:なるほど。逆に今から10年前の2010年頃は、スマホがちょっとずつ出てきたときですね。僕らが位置情報アプリを受託して作っていた頃で、どんなに頑張っても1日でアプリがバッテリーの70%を使うような時代で。それに比べたら今はかなり性能が良くなりましたよね。

野島:そうですね。

田村:これからまた10年経つと、端末自体が進化してると思っています。今後スマホがどう進化するかが、次の時代のキーワードのなるのかなと。もしかしたら小型化するんじゃないかなと僕は思っています。あと今はサーバーサイドで行っている学習モデルがどんどんローカルでできるようになっていくと、よりリアルタイムでパーソナライズできるようになりますよね。

野島:クラウドがもっと進んで、通信速度も上がりますよね。

田村:そこに僕らがついていくためには、すぐに参入できるようなアルゴリズムやクラウド環境が大事になります。

野島:今後はサーバーのスペックがどんどん上がって、端末のスペックはどんどん下がっていくと思います。

田村:端末の進化より、ネットワークの進化の方が早いと。

野島:そうなるんじゃないかなと思います。

田村:世の中の社会問題は解決さつつあって、あとは貧困や人権、環境など社会的貢献にシフトすると思うんですね。娯楽性はキリなく続くんだろうけど、根本的な社会的問題が注目されるんだと思います。

野島:私もそう思いますね。今みんなが興味・関心があることに、環境と健康があると思うんです。具体的にいうと、環境は防災や気象状態、健康は新型コロナウイルスや健康維持というところですね。

田村:実際に環境を良くする事業に取り組んでいる企業もありますが、行政ではないので、経済を回す産業としてビジネスモデルがあるからやっているわけじゃないですか。あとは今弊社ではたまたま位置データの情報を持っていたから強みとしているだけで、目標がぶれなければ違うものでも良くて。営業が違う仕事を持ってきても、大きな枠が違わなければどんどんやればいいんじゃないかなと思っています。

野島:そうですね。

田村:では最後に、野島さんが今後やりたいことを教えてください。

野島:ひとまずは、予測にトコトンこだわっていきたいです。精度良く、人に納得してもらう結果を、素早くコストかけずに出せるようにしていきたいです。そして、出てきた予測結果に対して、その結果が少ないのであれば多くするため、多すぎるのであれば少なくする、維持したいのであれば維持するための施策を導けるようにしていきたいです。予測から最適化までのサイクルを回していきたいと考えています。

田村:インタビューありがとうございました。これからもよろしくお願いします!

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