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ずっと興味のあった量子コンピュータを学び続け、QunaSysへ。技術を極めるエンジニア・山本貴博

-- 自己紹介をお願いします!

山本貴博といいます。ユタ大学で素粒子物理を専攻して Ph. D を取得した後、民間企業でソフトウェア開発を2年弱していました。

-- 量子コンピュータに興味を持ったきっかけは?

量子情報の分野は、学部1年の時に量子暗号のゼミをとった時から興味は持っていました。

最初は量子力学って不思議な理論だなという程度の印象だったのですが、理解が深まるにつれてより興味を抱き、専攻は素粒子であるにも関わらず、断続的に勉強しました。

民間企業に就職してからも週末に量子情報をPreskill 先生や Aaronson 先生のレクチャーノート読んだりして週末物理学者をしてました。

週末物理学者からQunaSysの開発チームへ


-- QunaSysのことはどう知りました?

QunaSys の事は Qmedia とか OpenQLの slack を通じて知りました。

もとより量子コンピュータの事業をしている会社は数えるほどしかなく、論文執筆等の学術的な活動や、著名な先生方の強力なサポートがある事に惹かれ、楊さんにコンタクトをとったのがきっかけです。

-- 量子コンピュータはまだ夢の技術だともいわれています。山本さんはそのあたりどのようにお考えですか?

まず、長期的に見れば、量子コンピュータが古典コンピュータに対して優位性を持っている事は理論的に保証されています。何億 qubit もの量子コンピュータが実用化されたらの話ですが。

そこまでに技術を到達させるためには、小・中規模のデバイスでも役に立ち、面白い事ができることを示すが重要だと思っています。そこは我々ソフトウェアの側の仕事だと思います。

現在、短期的に実現可能な量子系のシミュレーションなどは量子コンピュータを用いた方が効率的であることも示唆されているので、可能性は大いにあると思っています。

-- 量子コンピュータの現状に山本さんはどう貢献していきたいですか?

楊さんが言うように、古典コンピュータと比較して優位性を出すには、既存の NISQ アルゴリズムを効率化するための改善を積み重ねていく必要があります。自分の理論的なバックグラウンドを活かし、そのような貢献ができればと思っています。

また NISQ アルゴリズムの効率はなかなか理論的に示すことが難しいと思うので、日々提案される既存手法を改善したアルゴリズムをいろいろ実験できるよう、どんどん実装していきたいです。

最新状況を学びにアメリカ物理学会へ


-- 入社が決まってから、山本さんに量子コンピュータの最新状況などを学んで欲しくてアメリカ物理学会に一緒に行こう!と思って研修としてボストン行きました。アメリカ物理学会どうでした?

入社するまでも量子アルゴリズムや計算複雑性理論は勉強していましたが、 NISQ(規模の小さい量子コンピュータ) アルゴリズムに関してはあまり知識がなかったので、正直、小規模のデバイスで何ができるんだろう?という感じでした。でも学会に行く前にいろいろ調べたりするうちに、いろいろ工夫して、なんとか小さな計算機でもパワーを引き出そうと研究が進んでいる事を知れたので、勉強になりました。

あと読みたい論文が指数爆発してしまいました。一つ一つ消化しながら読み進めたいと思います。
ハードウェアについても少し詳しくなれたと思います。

Qulacs Plusの開発を主導していきたい

-- これから取り組むことを教えてください。

QunaSys の OSS の Qulacs と、QunaSys と共同研究を行っている企業の方々が最新のアルゴリズムをいろいろ試せるよう、 Qulacs Plus の開発を主導的に行います。前職で開発をしていたので、そういう経験を活かせればと思っています。

あとは、今までずっと受動的に勉強していたので、記事を書いたり、QunaSysが量子情報の勉強教材として作ったQuantum Native Dojo に加筆したりしてアウトプットを増やしたいです。

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