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起業時に貯金残高7万円かつビジネスプランが1ヶ月で破綻した僕の創業期の話

当社も設立してからそろそろ8年。なぜか起業時に貯金残高7万円だった僕もなんだかんだ生き延びてこられました!ありがたい!

人数も多少増えて来て最近入社した人は会社の昔のことを知らなかったり、カルテットの昔話に興味を示してもらえる方もチラホラいたりとかなので、これを機に少し吐き出しておこうかなと。

人によっては僕があまり苦労してないと思う方もいるかもですが人並みに苦労してるんすよ笑。その辺を少しだけお話しできたらと思います。

社内の社員さん!カルテットに興味のある転職希望者さん!

包み隠さず丸出しにしますよ!

ぜひ読んでみてください!

あ、もしかすると起業を目指している人なんかも少しは参考になるっていうか多少勇気出るかもです!

起業時に貯金残高7万円

カルテットは僕と現在も僕を専務として支えてくれている多田の二人でスタートしました。

起業をしようと考えた時に、友達である多田が名古屋にいることに気づき、「一緒に起業しないか?」と僕が持ちかけたのが始まりです。多田は大学の同級生で学部も学科も研究室まで同じで学校内ではほぼずっと一緒にいる友達でした。(2人とも静岡大学工学部システム工学科、今は学科名が無くなってしまいました)

多田は今も昔もしっかり者なので起業当時もそれなりに蓄えがありましたが、僕はマジで蓄えていなくて貯金があまりなく、、、具体的には7万円程度しかなかったのを覚えています。25歳くらいだったので許して欲しい笑

そんな二人なので事務所を借りる余裕もなく、まずは自宅で始めようということで多田のアパートで仕事を始めることに。形態としても株式会社にするのはお金かかるよねーとかなんとかでまずは個人事業主としてスタートしました。


▲当時の多田家。池下駅近くのサンヒルズ双葉。ヒルズ族ってバカにされてました。

初日にやった仕事はナゴヤドーム前矢田のEDIONで100円PCとニトリで999円の座椅子を買うことでした。なんかテンションだけ高かったような気がしてます、当時。個人事業の申請とかは後日、税務署に行けばそれでOKという感じだったはずです。(追記:開業してから1ヶ月以内にするっていうルールみたいですね)


▲創業して数日くらいの僕の作業風景。窓際で暑くて寒かったのを覚えています。

個人事業主だと取引してもらえないとかは実際ありますが、IT系やWeb系だとほぼ皆無と思ってもらって大丈夫です。当時僕は一度も言われたことがなかったし、なんならそのレベルのでかいクライアントの仕事取れるフェーズになったなら法人にすればいいんじゃないかなって思います。なので、個人事業主で最初やるってのは一つの選択肢としてはありかなと。

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結論:貯金残高7万円でも全然起業なんてできる
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最初のビジネスプランが1ヶ月目で破綻

今はリスティング広告の運用代行専門の企業としてやっていますが、実は創業当時は全然違うビジネスプランでやっていこうとしていました。

僕は前職の経験上、世の中のほとんどのWebサイト制作会社が作るだけ作ってほったらかしという現状であると感じていました。しかも、中小零細企業の場合はWebサイトの制作費でお金がなくなっていて、追加で広告予算なんかはほとんど出てきませんし、Webサイトをリニューアルするお金もありません。

そこで僕がやりたかったのが、その名も「ホームページリサイクル」略してHPR!作るだけ作ってガラクタになっているWebサイトに対して、軽微な修正を加えることで集客できるように生まれ変わらせるというサービスです。

これを月1万円というとても安い価格で提供していこう!ということで走り出しました。リサイクルって響きも今っぽくていいじゃんみたいな。多田と二人で、「二人で100社回せば100万円、そしたら一人月給50万円とれるね!」と言ってスタートしました。


▲最初期のWebサイト、やばすぎて黒歴史。。。

僕が営業で、多田がその仕事をこなすという役割分担です。僕は前職から一切仕事を引っ張ってこなかったので、この時ばかりは大嫌いなテレアポをしていました。僕が独立してテレアポをしていたのはこの時が最初で最後です。(カルテットは会社設立以来テレアポをしたことがありませんが、この時は個人事業主時代なのでノーカウントです笑)

目論見通り、販売開始初月から面白いようにアポが入り、契約もサクサク取れ始め「これは売れるぞ!」と手応えを感じていました。しかし、販売開始から3週間くらいしたある日、多田から「堤さんが頑張ってくれてるのはいいんだけど、ホームページリサイクルは受注禁止!」と言われ、理由を聞くと「やってみて分かったけど、100社なんて一人で回すの絶対無理ww」とのことでした笑


▲当時の多田家での作業風景、左後ろに僕が親戚からもらったFAX電話が。これでテレアポしてました笑。

冷静に考えて100社を一人で回すって無理ですよね笑。当時はそれに気づかなかったんですよね、なぜか。やり始めて1ヶ月も経たずにビジネスプランが破綻しました笑。でも寧ろ早く気づけたことは良かったですね。

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結論:1ヶ月でビジネスプランが破綻しても寧ろ早く分かれば大丈夫
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人が増えないという会社として初めての壁

多田と話し合った結果、普通に日銭を稼ぐために「集客」を軸としてWebサイトやチラシやDM、リスティング広告やSEOやサーバやネットワークの保守なんかをやることになりました。そうかっこよく言ってますけど、要するに普通の制作会社になりました。

ですが、これはこれでうまくいって、元々僕も集客という面だと前職だけでなくずっとやって来た経験も自信もあったので、集客の結果を出してそれで紹介してもらうという形で創業1ヶ月目からずっと食うに困ることはありませんでした。

それで、人を増やそうということで2人増やしたんですね。それが今も営業部長と管理部マネージャーとして活躍する女性2人のコンビ。これで僕と多田を合わせて4人。彼女たちが入ってきてくれて、当時の未熟すぎる僕は売上が2倍になると思ったんです。


▲初めてビアガーデンに当時の全員で行った時の写真

連日、2倍にならない売上を見て「なんで俺と同じことができないんだ!」と憤っていました。今思えばヤバすぎますね、社長と同じことしろって笑。それで現在の営業部長と僕とは当時相当険悪なムードでした。よく営業部長が暗黒時代と言っているのはこの時のことです。

悩みすぎて占いかなんかの人に相談したら、
「あなたの会社何人?」
「4人です」
「!!!!!」
「え!どうしたんですか??」
「カルテットって四重奏ってことでしょ!あなた4という数字に縛られているわ!理由はそれよ!」
「???」
ということもありました笑。

そんな時、僕が通っていた経営者向けの勉強会の先生に相談すると「そりゃ社長と同じことできないでしょ、なんなら堤くんの方が経験もあるし。そんな属人性の高い仕事してたら人増えないよ。人を増やすには属人性を排除していかないとね」と、今聞けばただただ当たり前のことを言われました。それくらい自分のことってよく分からないんですよね。

そしてその先生から選択と集中というアドバイスももらい、現在のメイン事業であるリスティング広告代行事業に特化していったことで人も増え色々な問題が解消してきました。

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結論:自分のことはマジで分からないから誰かに聞いた方がいい(中途半端な占い師以外)
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固定費はとことんケチってきた

あと思い出としてはケチって来た思い出ですかね。多田は前述通りしっかり者ですし、僕も小心者なので、今もですが昔は特に固定費をケチっていました。多田のアパートで始めようって話も審査云々だけでなくそもそも固定費をかけたくないからという気持ちが強かったですね。

会社の固定費ではないですけど、食事もめちゃくちゃケチっていました。結果的に食うに困る時期はありませんでしたが、いつ最悪の状況になるか分からないからとにかく節約しようということで、起業してから半年くらいは毎日100円ローソンのおかず3品と米2合炊いて二人で食べていました。一人150円+米代ですね。(おかげで二人とも半年で10kg太りました)

多田のアパートを出て、久屋大通の知り合いの会社に事務所を間借りさせてもらっていた時も、最初は机一台5000円のみという破格で借りていました。固定費がめちゃくちゃ小さかったのでお金を借りたりする必要が全くない事業形態でした。超余談ですが、当時僕らのスペースと横の会社さんとのスペースの仕切りが複合機だったので、夜に1cmずつ動かしたらバレずに自分たちのスペースを広げられるかもしれないということで、連日少しずつ複合機をずらしていましたが、ある日横の会社さんにばれました。本体を動かしていたんですが、そのせいで電源ケーブルがビンビンに伸びていてバレました笑。


▲久屋大通時代後半の写真。もう社内の半数以上がこの事務所時代を知りません。

現在の前の伏見の事務所は僕らが初めて自分たち名義でちゃんと借りたオフィスですが、そこも格安物件。90坪くらいの広さでしたが、できるだけ節約するためにほとんど工事はせず、会議室の壁だけ工事してもらいました。そして、90坪の広さでしたが、タイルカーペットを職人さんにやってもらって払う20万円を浮かせたくて土日に来て有志の社員さんと自分たちで90坪分のタイルカーペットを敷きました。めちゃめちゃ疲れましたけど、自分たちで作ったーっていう感じで超楽しかった記憶があります。


▲伏見オフィスのタイルカーペットを90坪分を男7人くらいで1日でやりきりました。

東京進出をした時も事務所なんかなくても良いから活動しようということで、僕が安ホテルor渋谷にある格安のカプセルホテルを根城にして、いろいろなお客さま先に行っていましたね。当時、住所だけは銀座のヴァーチャル住所を月5000円くらいで借りていました。それで軌道に乗って来てから事務所と人を配置しました。とはいえ、窓無しの監獄みたいな東京の初代オフィスでしたけどね笑。

その他もあらゆる固定費をケチっていましたね。PCとかイスとか文具とか。今はちょっと良いオフィスに移転してしまったので、正直固定費は結構重くなってきてます。固定費きついー。固定費ケチるというのは創業期は本当に大事なことですね。一回固定費大きくすると下げるの超大変ですから。(これ書きながら最近ケチってない気がするので反省しました・・・)

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結論:見栄を張ってもしょうがない、ケチが一番
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「転職考えてるから話聞きたい」に神奈川まで当日飛んで行った話

リスティング広告に特化しようと考えていた時に、やはり僕が馴染み深い中小企業を救えるサービスにしようと考えました。単純に少ないご予算の仕事をさせていただく以上、数をこなさないと利益の確保は難しいというのは当時の僕でもすぐに分かりました。

となると、ある程度自動化したりする必要があるだろうと。しかし、当時はリスティング広告に関してのツールは今よりもっと数が少なく、自分たちが欲しい感じのツールが存在していませんでした。ならシステムを自社で開発しないとダメだという結論にたどり着きました。

ですが、僕も多田もhtmlとかは分かるにしてもそういったシステムを作ることができません。そんな時に目をつけたのが現在のCTOである金本でした。

金本(a.k.a.たつきち)も多田と同じく僕の大学時代の同級生でした。彼は情報学部というプログラマー向けの学部に所属していて、学生時代からFlashゲームやいろんなWebサイトを作っていたことを知っていましたし、何より普段よく遊ぶ仲の良い友達でした。

大学院を卒業した金本が東京の大手企業に就職したことは知っていましたが、久しぶりに連絡してリスティング広告の話をして「土日で良いから俺たちの欲しいものを作る手伝いをして欲しい」とお願いし、少しずつこちらに巻き込んでいきました笑。

そんなこんなでエクセルマクロなんかを色々作ってもらうようになって数ヶ月経ったとある土曜日の午後「大ちゃん楽しそうやな、ちょっと興味あるし転職考えてるから話を聞きたい」とメールが来ました。来た!と思い、今からすぐ行くから待っといてくれ!と伝えて名古屋からすぐに神奈川まで飛んでいきました。

そして夕方から飲みながら将来のことを話して、朝方まで家飲みをして「ジョインして欲しい、今日のこの日が伝説の第一歩目だったって言える日が絶対にくるから」と伝え、当日に承諾をもらったことを覚えています。本当に嬉しかった。

大学の卒業間際に「将来起業したい」と話す僕に対して、みんなが「俺はいいや」とほとんどが答える中、金本だけは「そうやな!俺も一緒にやりたい!」と言ってくれていました。それを数年越しに実現できてすごく嬉しい出来事でした。

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結論:ベンチャーはスピード感と運命が大事
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▲リスティング広告に特化した直後の2012年4月の多田と社員さんの誕生日会

リスティング広告に事業特化してから

リスティング広告に事業特化したのが2012年です。かれこれもう7年も前なんですね。特化してからはまたすごく順調に売上も人も増えて今に至ります。



リスティング広告に事業を特化したのはたまたまではありません。前述の先生のアドバイスまでに僕は個人的に本当に色々な集客に関わってきましたが、もちろん商品やサービスやターゲットによってその時々で向いている広告手法が違ってきます。

こういう時はテレビとチラシだよねとか、ラジオとネット広告だよねとか。ただし、リスティング広告はほぼどの場合でも有効に使うことができる非常に費用対効果の高い広告です。SNSが騒がれている昨今ですが、未だ日本のインターネット広告費のほとんどがリスティング広告の市場です。広告としてどう考えても優秀すぎる広告です。

個人的には冷静に考えても「ほぼ全ての業種で効果が出る」「小さな予算から大きな予算まで活用できる」「購入意欲の高いユーザーにアプローチできる」という特徴からも最強の広告だと考えています。

しかしながら、これだけ最強な広告にも関わらず、2012年当時は地方や中小企業に目を向けてちゃんと対応している会社が皆無に近かったのでそれでそこに特化することに決めました。

しかもリスティング広告の中小企業マーケットは絶対に市場が大きくなるとずっと言われているのに、誰も到達できていない未踏領域なんです。だから周りから「昔俺が作りたかったビジネスモデルをやってるから是非応援したい!」といって味方になってくれる方が非常に多いです。その人達の夢も勝手に背負って頑張ってます!

僕がすごいとかじゃなく、偶然に偶然が重なって本当にすごいことができる状況になって来ていると思います。

まあ、とにかくベンチャーって大変なこともあるけど、何と言ってもその変化が楽しい!会社として柔軟な変化を求められるしそれに対応はしていくけど、なにより会社のメンバーを絶対に大事にしていきたい。もっと多くのメンバーとすごいことがしたいと思っています。

名古屋からマジで広告代理店業界を変えていこうと思っているので、共感していただける方は是非お会いしましょう!

要望があれば、この続きもまた書きますね!

当社のちょっと変わった社内制度について書いた記事もあるのでよろしければ合わせてご覧ください!
https://www.wantedly.com/companies/quartetcom/post_articles/173718

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